中国政府がMicrosoftとAndroid端末メーカー間の極秘特許300件の内容を全公開

By pchow98

MicrosoftがAndroidベースのスマートフォン製造メーカーから毎年約1970億円を特許料として受け取っていることを野村証券のアナリストが明らかにしたり、同社がアメリカ最大の書店チェーンBarnes＆NobleをAndroid搭載端末の特許侵害で提訴したりするなど、MicrosoftがAndroid搭載デバイスの製造メーカーから特許料を得ているのは明らかでしたが、その特許の詳細については、一部以外正式に公開されていませんでした。しかしながら、中国商務省の公式サイトが、長年秘密とされてきたMicrosoftのライセンス契約に含まれる特許の一覧を全公開しました。

商务部公告2014年第24号 关于附加限制性条件批准微软收购诺基亚设备和服务业务案经营者集中反垄断审查决定的公告
http://www.mofcom.gov.cn/article/difang/henan/201404/20140400547823.shtml

Chinese gov’t reveals Microsoft’s secret list of Android-killer patents | Ars Technica
http://arstechnica.com/tech-policy/2014/06/chinese-govt-reveals-microsofts-secret-list-of-android-killer-patents/

中国商務省が公開した特許のリストはMicrosoftがNokiaの携帯端末部門を買収したときに、中国政府が審査する書類として提出されたもの。特許のリストが公開されているページは中国語で表記されており、同ページの英語版も存在していますが、特許のリストは中国語版にしか含まれていません。

公開された特許は全部310種類。内訳はスマートフォンに使用される標準必須特許が73件、Android OSに実装されている特許が127件、出願中および取得済みの非標準必須特許が100件となっています。Ars Technicaによると、中でも「カスタムローカル検索」や「ワイヤレスネットワークのユーザーの位置検索およびトラッキング」といった特許は今まで一切公開されていなかったものとのこと。

公開された全特許のリスト英語版は下記のURLからダウンロード可能です。

MicrosoftがNokia買収の際に提出された全特許のリスト
(Wordドキュメント注意)http://images.mofcom.gov.cn/pep/201404/20140408143159274.docx

73件の標準必須特許、127件のAndroidに実装されている特許には、Microsoft・Apple・Sony・BlackBerryが、2009年に倒産した通信会社ノーテルが有する全ての特許を45億ドル(約4586億円)で購入するために設立した合弁企業「Rockstar Consortium」に属するものも含まれています。買収後、ノーテルに属していた特許の一部はRockstar Consortiumに帰属し、その他の特許はMicrosoft・Apple・Sony・BlackBerryの手に渡っていました。Rockstar Consortiumは2013年10月に特許の侵害を理由としてGoogleを相手取り訴訟を起こしたこともあります。

Ars Technicaによると、「発明者や特許の所有者をはっきりしておくことが、特許システムの前提であるので、透明性をモットーとする我が社は2013年4月1日までに、所有している特許を全て公開する」としていたMicrosoftが、Android端末に関する310件もの特許を非公開にし続けてきたことで、多方面から非難を浴びることは避けられないようです。

なお、Ars TechnicaはMicrosoftのスポークスマンに「Nokia買収時の特許」に関してコメントを求めましたが、拒否されました。