マックアラビア・インドカレー・トルコケバブとお腹いっぱいになる湾岸諸国の食事情
「マックアラビア」に「チキンビッグマック」と、湾岸諸国のマクドナルドには見慣れないメニューが並んでいました。KFCも負けじとライスメニューを展開。出稼ぎの関係でカレーも食べられて、一方でオスマン帝国の影響も残っていてケバブもあります。おかげさまで、いつもお腹がいっぱいでした。
こんにちは、自転車世界一周の周藤卓也@チャリダーマンです。アラブ首長国連邦、オマーン、カタール、バーレーン、クウェートといったアラビア半島の湾岸諸国をバックパックで旅したのですが、宿泊費は高くても物価は安いので、基本は外食をしていました。これらの国々では、次のような料理を食べることができます。特にインド料理のカレーは衝撃的でした。
◆マクドナルド
アフリカの国には数えるほどしか進出していない世界のマクドナルドですが、アラビア半島ではイエメンをのぞくすべての国に店舗があります。「ビッグマック」「マックロイヤル」を始めとする牛肉メニューと同じくらい「マックチキン」「グランドチキンクラシック」といった鶏肉メニューが充実。そして菜食主義者にも優しい「マックベジ」といった商品も提供中でした。
ドバイ・モールのマクドナルド
ドバイのメニュー表。ちなみに世界共通のソフトクリームは1AED(約28円)と激安です。(※AED=アラブ首長国連邦ディルハム)
◆マックアラビア
アラビア半島ならではのメニューであるマックアラビアは、メキシコのタコスのようにパンで具材を挟んだ一品で、通常メニューの中でも明らかに際立つ存在でした。カタールで注文するとセットで17QAR(約470円)になります。(※QAR=カタールリヤル)
箱に入ったマックアラビア
箱の中央に点線があって、ビリビリと破いていくと箱の上部が取り外せます。重量のある中身だったので、この箱を持ってかぶりつきました。
パンの中にはチキンのパティが2枚、トマト、キャベツ、玉ねぎと野菜が入っています。油っこくなくてヘルシーなのはいいですが、パンが重たいのにソースも少ないので、最後ら辺には口がパサパサに。正直、微妙な感じでした。
◆チキンビッグマック
ドバイではちょっと気になったチキンビッグマックセットを注文。その名前の通り、ハンバーグではなくチキンパティが2枚挟んであります。ビッグマックの18AED(約500円)より高い19AED(約530円)の値段設定です。
箱に入ったチキンビッグマック
カパッとふたを開けて。
ビッグマックのような外観に、チキンパティが2枚挟んであって、食べごたえは十分。ただ、味はいわゆる「チキンクリスプ」と変わりなく、値段が一緒ならビッグマックかなとも思いました。
◆jasmi's
世界各国のファストフードが集まる湾岸諸国だからこそ、バーレーンで見かけた「jasmi's」も、自分の知らないアメリカ辺りのバーガーチェーンかと思っていました。「裏返して下さい」のような矢印は「In-N-Out Burger」という有名店にも似てまして。しかし、気になって調べてみると実はバーレーン資本らしく、この国にしか店舗がない様子。出国間際の空港にも店舗があったので、せっかくだからと何か食べてみることにしました。
不思議な矢印がトレードマーク
カウンターの様子
ハンバーガーのバティを3枚挟んだ「トリプル J」のセットを注文。2.3BHD(約640円)になります。(※BHD=バーレーンディナール)
ふたを開けると……
ボリューム溢れるハンバーガーが登場。きちんと作っている感じのパティに、溶けてしまった熱々チーズと、レタスやトマトといったフレッシュな野菜も合わさって、普通に美味しいハンバーガーでした。
◆KFC
湾岸諸国ではマクドナルドと同じくらいKFCの店舗も目にします。日本と同じようなフライドチキンやチキンバーガーに加えて、新商品としてライスミールを売り出していて、こちらも気になってしまったので注文してみました。
世界共通の店舗外観。この写真では分かりませんが、看板にはアラビア語でKFCと書かれていたりもします。
このように新商品としてプロモーション中のチキンライスミール。
注文の際、鶏肉は骨付きか骨なしか、ソースは普通か辛いかを聞かれます。骨なしを選ぶと鶏肉が胸肉になるのか淡白で、甘辛いドローっとしたタレと合わせないと味が完成しません。ライスは日本とは違ってパサパサとしてましたが、包み込むように一粒一粒までしっかりと味が付いています。やっぱり日本人なのでライス料理は美味しく頂けるのですが、見かけも寂しく何かもう一つ工夫欲しいところでした。これで1.7BHD(約460円)。
こちらは15QAR(約415円)の普通のセットメニュー。
チキンバーガーでした。
◆トルコ料理
湾岸諸国はかつてオスマン帝国に支配されていた歴史もあって、ハンバーグ状のお肉を串に刺して焼いたケバブや、巨大な塊肉を削ぎ落してピザのような薄い生地で丸めたシャウルマといった、トルコに繋がる料理も普通に食べることができます。
お手軽なファストフードのシャウルマ
このような巨大な肉の塊がクルクルと回っていて、滴り落ちる肉汁とモクモクと立ち上る湯気に、食欲をそそられてばかりでした。
仕上げにプレートに挟んで焼いてくれたので、外はカリっと、そして溢れるくらい中身が詰まってジューシーなシャウルマは、それだけでお腹いっぱいになります。
クウェートの賑やかな食堂では……
1.750KWD(約630円)のケバブを注文(※KWD=クウェートディナール)。下味のついたお肉は良かったのですが、トマトソースは全く味がなくて残念。
◆インド料理
湾岸諸国ではインドやパキスタンといった南アジアの人たちが出稼ぎで働いているので、街では彼らを対象としたインド料理を扱う食堂が簡単に見つかります。料理を作っているのも南アジアの人で、店内は生活感に溢れているのですが出てくる料理は絶品。様々な香辛料が絡みあった絶妙なカレーを、パリパリと焼き上げたナンで包んでいただきます。カレーだけなら味が濃く、ナンだけなら味がしない、二つが合わさるからこそ完成する奇跡の料理。暑い場所だからこそ、ピリッとした辛さも、食欲をかき立ててくれました。たいてい1食が150円~300円位と、ファストフードよりお手軽な値段です。行ったら行ったでカレーばかりで飽きるともよく聞くのですが、それでもまだ旅したことのないインドへの憧れが強くなりました。
チキンマサラ
ビーフカリー
マトンビリヤニ。日本でいえばピラフのようなご飯に、やっぱりカレーをかけて食べます。ご飯の中に大きなマトン(羊肉)が埋もれていました。
このように湾岸諸国ではいろいろな料理を食べて、充実した食生活を送っていました。ただ、くれぐれも食べ過ぎにはご用心。冷房の効いた屋内から、暑い外に出るのは億劫で、ついついダラダラとしがちで、油断していたらすぐに太ります。
(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com
Twitter @shuutak)
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