Android 4.4.2はベンチマークスコアを不正操作するブースターを無効化することが判明
スマートフォンの性能を調べるために使われるベンチマークアプリを起動したとき、一時的に性能を向上させてテストの結果が良かったように見せかける「ベンチマークブースター」機能をこっそり搭載している端末の存在が明らかになっていますが、その1つとして知られているサムスンのGALAXY S4とGALAXY Note 3で、Androidを最新のバージョンである4.4.2(KitKat)にアップデートすると、ブースター機能が無効化されることがわかりました。
Samsung’s KitKat update seems to remove benchmark-boosting “shenanigans” | Ars Technica
http://arstechnica.com/gadgets/2014/03/samsungs-kitkat-update-seems-to-remove-benchmark-boosting-shenanigans/
ベンチマークブースターは2013年9月にアメリカで発売されているGALAXY Note 3に搭載されているのが見つかり、その後もAndroid 4.3へアップデートした他のサムスン製スマートフォンで同様の動作が確認されています。
今回、Ars TechnicaがAT&TのGALAXY S4とSprintのGALAXY Note 3を使って、Android 4.3および4.4の2つのバージョンを比較するベンチマークテストを実施したところ、最新バージョンのAndroid 4.4.2では、ベンチマークブースターが無効化されていることが判明しました。
以下はAndroid 4.3のGALAXY Note 3のノーマル状態のスクリーンショット。右下にCPUの状態を表示させていて、4つのCPUがいずれも「300MHz」で動作しているのが確認できます。
Android 4.3のGALAXY Note 3で有名なベンチマークテストアプリの「Geekbench 2」「Geekbench 3」「AnTuTu」を起動。CPUはいずれのアプリを起動したときも最高値の「2.3GHz」で動作していて、「ベンチマークアプリが起動するとCPUの動作速度を高くしてスコアを稼ごうとする」というブースターの特徴が現れています。
「Vellamo」「AndEBench」「3DMark」でも同様の結果。
以下は同じベンチマークアプリをAndroid 4.3のGALAXY S4で起動したスクリーンショット。CPUのクロックスピードは最高値の「1.9GHz」にブーストされています。
一方、Android 4.4.2にOSをアップデートしたGALAXY Note 3でベンチマークアプリを起動したときのスクリーンショットがこちら。CPUはほとんどが「300MHz」、最高でも「653MHz」となっていて、ブースターが無効化されているのがわかります。
Android 4.4.2のGALAXY S4でもベンチマークブースターの無効化を確認。
以下はAndroid 4.2.2/4.3/4.4.2でそれぞれ行ったGeekbench 3によるベンチマークテストの結果。これまでアップデート毎に上昇を見せていたベンチマークテスト値ですが、最新版のAndroid 4.4.2ではブースターが無効化されてしまったことで、数値は下がっています。4.3で変なブーストがかかっていなければ、まるで性能が悪化したかのように見えることはなかったはずですが……。
ちなみに、ベンチマークブースターは他の多くのAndroid搭載端末にも搭載されていることがわかっており、Android 4.4.2によって、ようやく各端末を素の状態で比較できるようになったといえます。
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