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Nexus 5のアプリ実行スピードを高速化できるARTモードを試してみた


全てのAndroidアプリは仮想マシン「Dalvik」上で動作するのですが、Android 4.4「KitKat」ではGoogleが現在開発中の新しい仮想マシン「ART」を使用したアプリの実行を体感することができます。Dalvikはアプリを実行する度にデバイスに対応したコードを変換する一方、ARTではアプリをインストールした時に先にコードを変換しておくため、アプリの実行速度が向上するとのことなので、実際にARTモードを試用できるAndroid 4.4.2が搭載されたNexus 5でアプリの実行速度をアップさせてみました。

Introducing ART | Android Developers
https://source.android.com/devices/tech/dalvik/art.html

ランタイムを変更するには、上から下にスワイプしてステータスバー内の「設定」をタップします。


設定の中にある「開発者向けオプション」をタップ


「ランタイムを選択」をタップします。


「ARTを使用」にチェック。


「ARTを使用」にチェックを入れると、再起動するか確認されるので「OK」をタップし再起動したらランタイムの変更は完了。再起動時にはアプリの更新が行われるので数分かかることもあります。


ランタイムの変更でどのような変化が起きるのか確かめるべく、端末ベンチマーク用の「PassMark PerformanceTest」というアプリを使用して、「ART」使用時と「Dalvik」使用時のベンチマークを測定してみました。左がART使用時、右がDalvik使用時の測定結果で、ARTはSystem・CPU tests・Disk Tests・Memory Tests・2D Graphics Tests・3D Graphics Testsの全ての項目において、Dalvikより高い数値が結果として出ています。


測定結果の細かな内訳は以下の通りで、Random String SortingのみARTはDalvikより速度が遅いだけです。


Disk Testsでは、ARTがDalvikの測定値の約2倍の値をたたき出し、性能が大きく向上しているのがわかります。その反面、Memory Testsでは2種類のランタイムに大きな差は出ていません。


2D・3D Graphics Testsにおいても、ARTが若干ではあるもののDalvikの測定値を上回っています。


こちらはAnTuTu BenchmarkというベンチマークアプリでARTとDalvikを測定した結果です。PassMark PerformanceTestでの測定結果と同じように、ARTがDalvikを大きく上回る値を記録しました。


試しに「Temple Run 2」というアプリの起動時間をDalvikモード使用時に測定してみると、7.09秒でした。


一方、ARTモードでの起動時間は6.85秒でDalvikを少しながら上回りました。


ARTモードではアプリの実行速度が劇的に上昇するようではなさそうですが、数値上ではDalvikの性能を上回るベンチマークスコアを記録しました。初期設定のDalvikからARTに変更しても、不安定な動作は確認されなかったので、一度試してみても損はありません。ランタイムをARTに変更して再起動した際は、端末自身が熱を持っているので全体の処理速度が少し落ちたように感じるかもしれませんが、端末が冷めればそれまで通りかそれ以上のパフォーマンスを体感できます。なお、ARTモード環境下では起動しないアプリもあるので注意が必要です。

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in レビュー,   ソフトウェア,   ハードウェア,   ピックアップ, Posted by darkhorse_log

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