自転車専用の高速道路「SkyCycle」がロンドンで構想される
自転車専用レーンが整備されたオランダは名実ともに「自転車大国」ですが、イギリス・ロンドンで計画されている「SkyCycle」が実現すれば、自転車大国はイギリスの代名詞になるかもしれません。
SkyCycle | Space Syntax
http://www.spacesyntax.com/project/skycycle/
Foster promotes "cycling utopia" named SkyCycle above London railways
http://www.dezeen.com/2014/01/02/foster-promotes-cycling-utopia-above-londons-railways/
道路状況が過密なロンドン市では、通勤に自動車ではなく自転車を利用することが望ましいものの、2013年に交通事故で14人のサイクリストが死亡するなど自転車の安全性が確保されていない現状にあります。この状況を受けて、Exterior Architecture、Foster + Partners、Space Syntaxが共同して、「自転車の高速道路」とでも言うべき自転車専用道路「SkyCycle」を構想し発表しています。
SkyCycle構想では、郊外から都心へ延びる鉄道網に沿う形で、線路の上に自転車専用道路が設置されます。SkyCycleは、自動車はもちろん歩行者も通行できないため、歩行者天国ならぬサイクリスト天国といった様相。
SkyCycleは既存の鉄道網に沿って総距離220キロメートルにおよび、地上からの入口は200カ所設けられる計画で、これは、新たに道路を舗装したりトンネルを掘ったりすることにくらべてはるかに低コストであるとのこと。提案されたSkyCycleネットワーク内には現在、600万人が暮らしており、その半数は自転車で10分以内にSkyCycleに到達できるとされています。そして、各入口からは1時間あたり1万2000台の自転車の流入があり、通勤時間は平均29分以内にまで改善されると試算されています。
Foster + Partnersの建築家・ノーマン・フォスター氏は、「自動車に頼らず、徒歩やサイクリングできる都市こそが求められています。サイクリングの安全性を高める『SkyCycle』は、ロンドンでの生活の質を高めると信じています」と語っています。
By Tejvan Pettinger
ロンドンでは、今後10年間に人口が12%増える見込みで、交通渋滞はさらにひどくなることが予想されています。交通渋滞を緩和させ、より豊かな生活を実現するSkyCycleが実現すれば、ロンドンは間違いなく世界トップレベルの自転車大国になり、世界中の多くの都市に大きな影響を与えそうです。
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