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「買い物・職場・学校・病院へ20分以内で行ける都市計画」が抱える問題とは?


「主要な施設へ20分以内に移動できる居住区ごとに区切って都市を形成する」という計画が、オーストラリア都市、メルボルンの2017年から2050年までにおよぶ長期の土地開発「プラン・メルボルン」の一環として行われています。計画の実現に向けてメルボルンが抱える問題についてを、シドニー大学にある運輸・物流研究所の研究員であるジョン・スタンレー氏がまとめています。

People love the idea of 20-minute neighbourhoods. So why isn't it top of the agenda?
https://theconversation.com/people-love-the-idea-of-20-minute-neighbourhoods-so-why-isnt-it-top-of-the-agenda-131193

「主要な施設へ20分以内に移動できる居住区」というのは、自宅から20分以内に生活の上で必要な施設にアクセスできるという考えに基づいています。例えば、学校や会社、スーパー、病院、公園など、全ての施設が自宅から20分圏内にあるということです。また、プラン・メルボルンでは車での移動は考慮されておらず、徒歩や自転車、電車やバスなどの公共交通機関での移動が念頭に置かれています。


既にメルボルンの一部の地域では、主要な施設へ20分以内に移動できる居住区の計画が実施されています。しかし、スタンレー氏によると、メルボルン郊外ではほとんど計画を実施する動きが見られていないとのこと。メルボルン郊外で20分以内に各施設へ移動できる居住区を作るためには、2つの要件を満たす必要があるとスタンレー氏は述べています。

まず1つ目は住居の密度です。スタンレー氏によると、主要な施設へ20分以内に移動できる居住区を実現するためには、各サービスと住民の需要と供給のバランスを保つため、少なくとも1ヘクタールあたり25~30戸ほどの住居が必要であるそうです。メルボルンの郊外では、1ヘクタールあたりの住居は平均して18戸ほどしかなく、住居密度の低さから計画の実行が難しいとされています。

2つ目は公共交通機関の水準です。主要な施設へ20分以内に移動するため、公共交通機関は平日の5時~23時まで、20分間隔でバスや電車を運行させる必要があるとスタンレー氏は述べています。つまり、1日あたり1駅または1停留所につき、一方向で最低55本、バスや電車を運行させる必要があります。


また、メルボルン全域で、電車や路面電車ではアクセスできない地域はバスでカバーする必要があり、バスによる移動の効率化を進める必要性についてもスタンレー氏は指摘しています。バスの運行本数の増加や、道路にバス優先レーンを設けるなど、インフラの整備が必要で、そのためには年間約2億5000万豪ドル(約165億8000万円)をバス会社に投じる必要があるとスタンレー氏は推定しています。

スタンレー氏は、「20分以内に主要な施設にアクセスできる居住区を実現するためには、小さな支出から、社会的、環境的、経済的に高い利益を得られるよう、地域レベルで何が必要であるか、焦点を絞って検討する必要があります」と語っています。

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in メモ, Posted by log1m_mn

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