FacebookはユーザーのAmazonカートに入った商品が何かを知っている

By Paul Walsh

「Facebookは、ユーザーがAmazonでカートに入れた商品情報を何らかの方法でゲットしており、その情報を広告に利用している」という可能性が明らかになりました。

The Codist
http://thecodist.com/article/how_does_facebook_know_what_39_s_in_my_amazon_shopping_cart

プログラマーのアンドリュー・ヴルフさんは、Amazon.comでお気に入りのキーボードを発見し購入しようとカートに入れたところ、しばらくしてFacebookページの広告に同じキーボードが現れたのを見つけました。すぐにヴルフさんは、Amazonのカート内の情報がFacebookに検出されていることに気づいたと言います。

購入を迷っている商品をタイミング良く他のサイト広告で見かけるということはよくある偶然のようにも思えますが、ヴルフさんの場合は偶然では片付けられない特異な事情があったと言います。その理由は、第一に、ヴルフさんはAmazonでキーボードをカートに入れた後、他にも買い物をするかもしれないと考えたため、決済をせずにカートに商品を入れた状態にしておいたということ。この時点では、注文は確定しておらずカート内から商品を削除することが可能なことから、Facebookはリアルタイムのカート内情報を認知している可能性があると考えられます。第二に、ヴルフさんが選んだLogitech製のキーボードが、緑色という奇抜なカラーのために極めて不人気な商品であり、Amazonが抱える大量の商品の中からこのキーボードが広告対象として選ばれる可能性は限りなくゼロに近いということ。これらの理由から、ヴルフさんはFacebookがカート内情報を利用して広告を出していると結論づけました。

By Nicola Albertini

ヴルフさんがクッキーを調べたところ、Amazon関連のものとして「amazon.com」と「amazon-adsystem.com」が見つかったものの、Facebook関連のものは「facebook.com」しか見つからなかったそうです。Facebookがページ上でどのようなことをしているのかを分析することは、コンテンツ情報がCDN経由で暗号化された状態で与えられているという仕組みのため困難です。ヴルフさんがFacebookのリンクイメージを取得すると、以下の内容であり、AkamaiにリクエストしてからAmazonにイメージをリクエストしているということが分かっただけでした。

https://fbexternal-a.akamaihd.net/safe_image.php?d=AQBm7GKKCA3PNFB4
&w=110&h=80
&url=http%3A%2F%2Fecx.images-amazon.com%2Fimages%2FI%2F218yNY8bTiL._AC_SR200%2C144_.jpg
&rk=221790734642435
&fi=https%3A%2F%2Ffbcdn-creative-a.akamaihd.net
%2Fhads-ak-frc3%2Fs110x80%2F1354196_6010574131297_461792014_n.png

結局、FacebookがAmazonカートの情報をリアルタイムに取得しているのかは分からず仕舞いでしたが、Facebookがカート内の情報を広告表示させているならば問題があるとヴルフさんは考えています。例えば、誰かにプレゼントを贈ろうとAmazonで注文した商品を、プレゼントする相手が事前に知ってしまうということがあるかもしれません。また、Amazonのアカウントがビジネス用に利用されている場合にはより大きな問題が生じかねないとヴルフさんは指摘しています。

2012年から、Facebookに投稿されたAmazonの商品URLをAmazonがプロモートポストしていることが確認されており、FacebookとAmazonが広告戦略上の提携関係にあることは明らかでしたが、今回のヴルフさんの発見のように、カート内情報という公にされていない個人的な情報をAmazonとFacebookが共有し広告に利用しているならば、プライバシー侵害の観点から大きな問題を含んでいそうです。