マクドナルドやコカ・コーラはスパイを雇ってNPO団体を調査していた

By Karoly Czifra

大手企業がCIAやNSA、財務省検察局に務めていた元捜査官などを雇い、環境団体・反戦争団体・消費者団体などのNPOに対してスパイ活動を行っていることが発覚、その内容をまとめた報告書をSpooky Businessが公開しました。報告書内には、マクドナルドやコカ・コーラ、シェルなど日本でもおなじみの企業が含まれていて、映画で描かれるようなスパイ活動が本当に行われていたことを示しています。

(PDファイル) Spooky Business - spookybusiness.pdf
http://www.corporatepolicy.org/spookybusiness.pdf

◆マクドナルド

By Thomas Hawk

マクドナルドは、1989年に7人の私立探偵を、「マクドナルドの何が悪いのですか？～マクドナルドが隠している全てのこと～」という題名のチラシを作成した国際環境NGOのグリーンピースに潜入させスパイ行為に及んだことがあります。ロサンゼルス・タイムズによると、マクドナルドのスパイは、グリーンピースのオフィスから書類を盗む・メンバーの後をつけるなどの行為をしていたそうです。マクドナルドは1990年に、チラシ作成に関わったグリーンピースのメンバー5人を名誉毀損で訴えています。

◆コカ・コーラ

By seven resist

タイムズが報じた内容によれば、コカ・コーラは「動物の倫理的扱いを求める人々の会」(略称：PETA)が2010年のバンクーバーオリンピックの際、コカ・コーラ批判のデモを行う予定であることを事前に察知し、アメリカの民間情報機関ストラトフォーに「PETAは、どうやってバンクーバーオリンピックでデモを行う予定なのか？」などの調査を依頼していたとのこと。コカ・コーラからの依頼に対してストラトフォーの副社長は「FBIがPETAに対して極秘の調査を行っている最中なので、何ができるか一度調べてみます」と返答。ストラトフォーの集めた情報や調査結果は、いまだに不明のままです。

◆ウォルマート

By Jim

スーパーマーケットチェーンのウォルマートには、CIAやFBI、米司法省で働いていた経験を持つ人が集められた「Threat Research and Analysis」という部門がある、との情報がウォルマートの元職員・Bruce Gabbard氏によって暴露されています。Gabbard氏は「ウォルマートは、市民団体のAcornと反ウォルマート団体のUp Against the Walがウォルマートの株主総会でデモを行う、という情報を2006年の春頃に入手したのです。デモを恐れた会社の幹部は、ワイヤレスマイクを忍ばせた調査員をUp Against the Walに潜入させ盗聴させて、デモに関する情報を調査していました」と明らかにしています。

◆バーガーキング

By @notnixon

Coalition for Immokalee Workers(CIW)という団体は、トマト畑で働く人への正当な報酬の支払いを拒否したバーガーキングを非難するキャンペーンを展開していました。ある日、CIWを率いるMarc Rodrigues氏の元に、Broward Community Collegeに通うCara Scchafferと名乗る女性から「団体に参加したい」という内容の電話がかかってきます。次回行われる団体の会合について詳しく尋ねるScchaffer氏を不思議に思ったRodrigues氏が、インターネットでScchaffer氏を検索したところ、民間情報機関Diplomatic Tactical Servicesの社員であることが判明。

その後、バーガーキングがDiplomatic Tactical Servicesの社員を雇いCIWの調査を行っていたことがニューヨークタイムズによって報道されています。

◆シェル

By Lee Jordan

イギリスの高級紙サンデー・タイムズが(PDFファイル注意)2001年に報じた内容によれば、イギリスの諜報機関MI6と親しい関係を持つ私立探偵事務所のHackluytは、シェルやBPなどの石油会社から依頼を受けManfred Schlickenriederという名前のスパイを雇い、グリーンピースに潜入させていたとのこと。左翼を装っていたSchlickenrieder氏は、グリーンピースの活動を阻止する任務を行っており、その1つはグリーンピースが北大西洋で使おうとしていた船に関する情報を集めることでした。

Spooky Businessの報告書には、マクドナルドやコカ・コーラの他にも、さまざまな大手企業が行っていたスパイ活動が記載されています。