小さな動物は世界がスローモーションに見えているということが明らかに
「ハエやシマリスが人間に捕まる前に素早く逃げられるのはなぜなのか?」と疑問に思う人もいるかと思いますが、小さな動物の視界は人間の視覚よりもより多くの情報を得ることができ、視界がスローモーションに見えているという研究結果がPopular Scienceにまとめらています。
Small Animals See The World In Slow Motion | Popular Science
http://www.popsci.com/science/article/2013-09/small-animals-see-world-slow-motion
Metabolic rate and body size are linked with perception of temporal information
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0003347213003060
研究チームは動物の目がどの程度光を処理できているかを調べるために、フリッカー値(CFF)をテストしました。テストは動物の目に向けて光を1秒あたり4回フラッシュさせ、目が何回収縮するかチェックするものです。「フリッカー値が4」とは、毎秒4ヘルツ以上の高速点滅ではフラッシュを点滅と感知できず安定した光に見えているということです。例えば蛍光灯は人間の目では感知できないほど高速で点滅しているため、安定した光に見えているのです。研究者は動物にとって光の点滅が安定した光に見える数値がどの程度なのかを調べるため、テストを行いました。
By Jorgen Schyberg
実験によれば、人間が16Hz以上の光を見分けられないのに対して、小さな動物は何倍もの高周波の光を見分けることが可能で、例えばムクドリは人間の数倍ものフリッカー値を持っているとのこと。他にもネズミ・リス・ハトなどの、新陳代謝が高かったり、体の小さい動物ほど高いフリッカー値を示すとのことです。人間は1秒間につき16回の映像を知覚することができると言われており、アニメーションの動画などは人間の秒間で知覚できるスピードより早いスピードでコマが流れているので動画に見えます。もし動物が人間の作ったアニメーション動画を見た場合、人間とは異なった映像が見えていることになります。
By Charles Hoffman
人間でもフリッカー値には個人差があり、若いほど秒間にたくさんのコマが見られるとのこと。元プロ野球選手で打撃の神様と言われた川上哲治は「ボールが止まって見える」との言葉を残していますが、一部のプロスポーツ選手は並外れた視力を持っていたり、近年では視力を鍛える訓練を行っているので、普通の人とは少し違う世界が見えているのかもしれません。スポーツ選手のような視力に優れた人間よりも、多くのコマが秒間に見えている動物のスローモーションの世界はどのようなものなのか体験してみたいものです。
By PJ R
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