「人の命を奪う道具」を「人とつながる道具」へ生まれ変わらせる「DISARM」プロジェクト
「人の命を奪う道具『武器』を、人々のコミュニケーションの道具『楽器』へ」そんなコンセプトのもとに形づくられたプロジェクト「DISARM」が進められ、実際にその音楽が産み出されました。
From Guns To Drums: Pedro Reyes Turns Weapons Of Hate Into Musical Instruments | The Creators Project
http://thecreatorsproject.vice.com/blog/from-guns-to-drums-pedro-reyes
「人というものは、簡単に武器のとりこになってしまうものです。木を手に入れて、武器を作ろうと考えたりもしますが、同じ材料から、正反対のものを作り上げることだってできるのです」
「芸術というものは、ネガティブな方向性を持った衝動をポジティブな衝動に変えるための方法を生み出すことだと思っています」
そう語るのは、メキシコ出身のアーティストPedro Reyesさん。
この「DISARM」(武装解除)というプロジェクトのポイントは、「音楽と芸術、そしてテクノロジーの融合」と語ります。
「これは、あなたや僕の命を奪ったかもしれない道具の『償い』です」
「だから、楽器になったほうがいいでしょ」
といって笑顔のPedroさん。
この「DISARM」の前身となるプロジェクトが2007年に進められた「Shovels for Guns」で、銃器を溶かしてシャベルに変えるというものでした。
1527丁の銃器から、同じ数のシャベルが作られました。
そのプロジェクトの後、政府系当局から「犯罪組織から没収した大量の銃器を廃棄する」と教えられたPedroさんは、次なるプロジェクト「DISARM」を立ち上げることにしました。
今回のプロジェクトのテーマは「テクノロジーとの融合」だったので、コンピューターを取り入れた制作が行われました。
サンプリングの技術なども使いながら、音楽が創られていきます。
コンピューターで編集された音楽と、実際に武器から作られた楽器を同時演奏させることで、「DISARM」の音楽が創られます。
ライフルの銃弾マガジンとリボルバー拳銃の弾倉を組み合わせて、ベースの本体ができました。
オートマチック銃は、シンバルスタンドに。
弾薬ケースはドラムに様変わり。
銃身から作られたと思われるグロッケン。
戦争の道具がドラムセットに変わりました。
Pedroさんいわく「テクノロジー自体に良いも悪いもない。それは人間がどのように使うかにかかっています」
「このプロジェクトの魂となる部分というのは……」
「『人を殺める』という衝動の塊であるこの鉄の部品を……」
「この世界で最も洗練されたコミュニケーションの方法、『音楽』の道具に変えるということなのです」
実際の演奏風景と、プロジェクトについて語るPedroさんは下記のムービーから。
Turning Weapons Into Instruments | Pedro Reyes 'Disarm' - YouTube
また、Pedroさんの作品は下記ギャラリーでも見ることができます。
Exhibition - Pedro Reyes - Lisson Gallery
http://www.lissongallery.com/#/exhibitions/2013-03-27_pedro-reyes/
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