押井守の幻想的OVA「天使のたまご」絵コンテ集が復刊、新録インタビューも収録

「スカイ・クロラ」や「機動警察パトレイバー」「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」などを手がけた押井守監督が原案・監督・脚本を担当したOVA「天使のたまご」のBlu-rayが8月21日に発売されます。これに合わせる形で、2度刊行されて2度絶版になりプレミア化していた絵コンテ集が復刊されています。

『天使のたまご 絵コンテ集（押井守 著 ／ 天野喜孝 イラスト）』 販売ページ
http://www.fukkan.com/fk/CartSearchDetail?i_no=68321622

コンテは押井監督が手がけていますが、キャラクターデザインはファイナルファンタジーシリーズのイメージイラストで知られる天野喜孝さんが担当。

作品の舞台はまるで廃墟のようになってしまっている幻想的な世界で、赤い戦車に乗ってどこからともなくやってきた少年が、たまごを抱きかかえる少女と出会うお話。

コンテの内容はこんな感じ

熱心なファンからはカルト的支持を得ていますが、押井監督は「訳の分からないものを作った」と評価されることになり、宮崎駿監督からも苦言を呈されることに。なお、この絵コンテ集には宮崎監督からのメッセージ「絵コンテを読んで 通俗文化の宿命」も再録されています。

初版はOVAの出た1985年に刊行されて絶版となり、押井監督の「イノセンス」が公開された2004年にも刊行されましたが再び絶版となったことで、プレミア価格がつく書籍となっていました。今回、3度目の刊行ということで、2013年5月に取材した押井監督の最新インタビューが巻末に収録されています。

価格は税込2310円。押井監督からの、今回の復刊に寄せてのメッセージはこちら。

「少女の手、たまご、少年、戦車……
自分の持っているフェティッシュが、全部揃っている作品。
その後の、どの自作にもたぶん繋がる“原型（アーキタイプ）”を、
今、もう一度、問い直したい。」