紙より薄くポケットサイズの極小宇宙船を本当に月まで送り込むプロジェクト「Pocket Spacecraft」
太陽電池で動作し、さまざまな回路も搭載、高機能太陽帆としての機能を備え、アンテナも搭載することでiOS/Androidからモニターすることも可能、しかも個人で手が届く程度の価格に抑えられており、オープンソース・オープンアクセスで個人による宇宙探査を可能にするプロジェクトが「Pocket Spacecraft」です。
PocketSpacecraft.com | Open source open access personal space exploration
http://pocketspacecraft.com/
Send your own Pocket Spacecraft on a Mission to the Moon! by Pocket Spacecraft — Kickstarter
http://www.kickstarter.com/projects/1677943140/send-your-own-pocket-spacecraft-on-a-mission-to-th
PocketSpacecraft: MIssion to the Moon KickStarter Video HD on Vimeo
このプロジェクトは低価格でオープンソース、オープンアクセス、誰でも使用することができる宇宙探査システムを提供するものです。2009年以来このミッションを成功させるために必要な20を超えるオープンソースプロジェクトが、世界の20カ国・100人を超えるボランティアにより行われています。
これが宇宙に送られる宇宙船である「Pocket Spacecraft」
プロジェクトを支援するユーザーたちは、ウェブブラウザを使用して自分のPocket Spacecraftの表面に画像を加えたり、メッセージをカスタマイズして載せたりすることで自分の宇宙船を差別化することができます。
Pocket SpacecraftはCDよりも小さくて紙よりも薄いです。
実際に手に持つとこんな感じ。
本体部分はポリイミド製で、フレキシブル回路ボードやアプリケーション用の装置、高機能太陽帆としての機能を備えており、NiTi形状記憶合金の輪っかによりピンと張ることで、アンテナの役もこなします。
これに搭載されるのは薄いシステム・オン・チップと太陽電池。
このPocket Spacecraftは研究所で作成予定。
作られたものは惑星間航行用のCubeSatという母船に搭載され……
商用のロケットに積み込まれ宇宙まで飛びます。
宇宙空間に出てから、ロケットからCubeSatが放たれ……
さらにいくつかのPocket Spacecraftは地球に戻ってくることができることを証明するためにCubeSatから放たれます。
地球に落ちたものをユーザーが回収することもできます。
そして母船であるCubeSatは月へ出発し、月に到着したあとは残りのPocket Spacecraftが放たれ、月に着陸すればPocket Spacecraftのミッションは完了。
自分のPocket Mission Controアプリで、ユーザーはPocket Spacecraftの遠隔測定(d)、搭載されているアプリケーション(e)、ユーザーのトレーニング功績(f)、地上局ステータス(g)、そしてユーザーのPocket Spacecraftが宇宙のどこにいるか(h)、の5つをモニターすることが可能。(a)はメインメニュー、(b)がユーザーの確認可能なPocket Spacecraft一覧、(c)でユーザーは自身のPocket Spacecraftのデザインを変更できます。
宇宙には100万を超える惑星や小惑星などの物体が存在し、それらは未探索のものがほとんど。専門外の人たちも含めた何千もの人々が、自分で設計した宇宙船をそれらの天体に送ることで、楽しみながらも有用な科学を行うことができるということを証明したい、という主旨でプロジェクトは進められているようです。
このプロジェクトは現在Kickstarterにて出資を募っており、1英ポンド(約151円)からの出資が可能。19英ポンド(約2872円)の出資で、「Crowd Scout」の中に他50人のユーザーの写真と一緒に自分の画像を載せることが可能。39英ポンド(約5895円)の出資で「Team Scout」が与えられ、他の20組と一緒にPocket Spacecraftの表面を分割して画像を載せられます。99英ポンド(約1万5千円)以上の出資ではPocket Spacecraft表面のほとんどの部分に自由にテキストや画像を載せることができます。
手の届く範囲から出資ができるので、手頃な価格で宇宙開拓者の一員になるチャンスかもしれません。
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