サイエンス

太陽光を帆に受けて進む宇宙船「ライトセイル2号」が地球周回軌道上でのソーラーセイリングを実証

by Jason Davis / The Planetary Society

非営利団体である惑星協会(Planetary Society)は、2019年6月に打ち上げたソーラーセイリング(太陽帆推進)実証船が帆を無事に展開し、地球周回軌道上におけるソーラーセイリングの実証に成功したことを2019年7月31日に発表しました。

LightSail 2 Spacecraft Successfully Demonstrates Flight by Light | The Planetary Society
http://www.planetary.org/blogs/jason-davis/lightsail-2-successful-flight-by-light.html


ソーラーセイリングは、薄膜の鏡を巨大な帆にして、太陽などの恒星から発せられる光やイオンを反射する時の反作用によって推進力を得るというシステム。燃料を搭載する必要がないため、ソーラーセイリングは超長距離を進む宇宙船への応用が期待されています。2010年にJAXAがH-IIAロケットで打ち上げた実証機「IKAROS」は世界で初めてソーラーセイリングを実証し、さらに金星まで進んでスイングバイを成功させました。

ライトセイル2号は2019年6月にSpace XのFalcon Heavyで高度720kmに打ち上げられました。ライトセイル2号は1年にわたって地球周回軌道上でソーラーセイリングの実証を行う予定でした。

太陽光で進むソーラーセイル宇宙船「ライトセイル2号」、地球周回軌道で実証実験へ - GIGAZINE


2019年7月23日11時47分(太平洋標準時)、北アメリカ大陸南部上空を周回していたライトセイル2号は、32m2もある帆の展開に成功。その後、微調整を行いながら、ライトセイル2号は地球周回軌道に乗りました。

by The Planetary Society

帆の展開に成功してから1週間で、ライトセイル2号は周回軌道の遠地点での高度を2km近く上昇させ、逆に近地点高度は下がったとのこと。この周回軌道の変動はソーラーセイリングによってのみ可能であり、打ち上げ前の予想と一致する結果であったことから、惑星協会は「ライトセイル2号のソーラーセイリングが実証された」と判断しました。

by The Planetary Society

ライトセイル2号の遠地点高度(青線)と近地点高度(赤線)の遷移を、縦軸が高度・横軸が月日の折れ線グラフで示したものが以下。

by The Planetary Society

惑星協会の主任研究員であるブルース・ベッツ氏は「私たちの目標水準は、太陽の光の圧力だけを利用して宇宙船の軌道を変えることであり、CubeSatで制御されたソーラーセイリングを実証することでした。この検証はこれまで行われたことがありませんでした。私はこのチームをとても誇りに思っています。長い道のりでしたが、私たちはついに実証を成し遂げました」と語っています。

また、惑星協会のビル・ナイCEOは「(惑星協会の共同創設者である)カール・セーガンがソーラーセイリングについて語ったのは、私が彼のクラスにいた1977年のことだったが、少なくとも1607年にはヨハネス・ケプラーが彗星(すいせい)の尾が太陽からのエネルギーによって作り出されているに違いないと気づいていました。ライトセイル2号の任務は、宇宙飛行と高度な宇宙探査に大きな変革をもたらします」と語りました。

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in ハードウェア,   サイエンス, Posted by log1i_yk

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