我々の知っている宇宙の姿を見ることができる超美麗ムービー「The Known Universe」
いったい今現在、我々は宇宙のことをどれだけ把握しているのか、地球から知る限り遠くまでその姿をまとめたムービーがアメリカ自然史博物館によって製作されています。これまでに人類は天体を観測することで、この広い宇宙のことをどれだけ知ることができたのかがわかるようになっています。
Digital Universe Atlas | Hayden Planetarium
The Known Universe by AMNH - YouTube
ムービーは地球上で最も高い場所であるヒマラヤからスタートします。
じわじわとカメラが引いていき、チベット全体が見えてきました。
そして地球全体へ。
地球の周辺にはこれだけの人工衛星が飛び回っています。
カメラはさらに引いていきます。
月軌道までだいたい地球から光速で1秒。光速は約30万km/秒で、地球から月までは「2秒はかからない」距離です。
太陽系の惑星の軌道が見えてきました。
土星よりも外側までやってきましたが、ここまで光速で1時間。10億km以上離れている……といっても、もはや具体的なイメージの範疇外。
太陽系全体を見られるところまできました。地球からの距離は光速で1日。
黄道十二星座が見えてきました。
地球から1光年離れて、太陽と他の星の明るさが比較できるようになってきました。1光年とは光が1年間で進む距離、キロメートルに直すと約9兆4600万kmで、約9.46ペタメートルということになります。光速は300Mm(メガメートル)と表現できるので、身近なHDD容量に置き換えて、300MBのファイルを集めて9.46PB(ペタバイト)分と考えると、到達不可能なレベルというのがちょっとだけ感じられます。
ムービーはさらに遠く、人類が初めて無線通信を飛ばした範囲まできました。ここは地球から70光年離れています。
天の川銀河の全体が見えてくると、地球からの距離は10万光年。
天の川銀河の最寄りの銀河はアンドロメダ銀河。その距離は250光年です。
人類が2009年時点で図示可能な宇宙の範囲は1億光年でした。
まだまだその外側、50億光年にわたって未知の宇宙が広がっています。このあたりに存在すると考えられているクエーサーは、我々が見ることができるもっとも遠方にある天体です。
「宇宙の果て」までの距離は137億光年。これは、人類が観測可能な最も古い光が137億年前に発された光であるということ。
宇宙の地平線、「宙平線」。先ほど登場した「人類が観測可能な最も古い光」は、発された時点では地球から約4200光年離れたところにあったのですが、その後宇宙が膨張し、光源は光速の約60倍という速度で遠ざかっていき、今は約470億光年ほど離れたところにあると推測されています。
ムービーは、そこから一気に地球まで戻ってきます。当然ですが光速よりも早く移動しています。
「人類が観測可能な最も古い光」については、宇宙図がわかりやすく説明しています。下記リンク先では、この最も古い光がどのようにして地球に到達したかがアニメーションで表現されています。
| 宇 宙 図 | 宇宙図の見方
・関連記事
地球の美しさがよく分かる、宇宙から見下ろしているようなタイムラプス映像 - GIGAZINE
流れ星を「見下ろす」写真がNASAの宇宙飛行士によってTwitterに投稿される - GIGAZINE
すさまじいほど神秘的な大宇宙を描くアーティスト「JoeJesus」 - GIGAZINE
宇宙を切り裂いたスリットのよう、真横からみた銀河の驚くべき姿をとらえた写真 - GIGAZINE
宇宙エレベーターがものすごい勢いで高空に駆け上がっていくムービー - GIGAZINE
・関連コンテンツ