中国のパワフルなDIY事情を映す写真「Chinese DIY Inventions - In Focus」
2004年以降めざましい経済成長を遂げた中国で、ちょっとおかしなものから自作にはハードルが高いものまで、DIYで作り出されたいろいろなものをまとめた写真が「Chinese DIY Inventions - In Focus」です。
Chinese DIY Inventions - In Focus - The Atlantic
http://www.theatlantic.com/infocus/2013/05/chinese-diy-inventions/100511/
これは発明好きの農民であるチャン・ウーイーさんが、ナマコなどの水産物を収穫するために製作した複数人搭乗可能な潜水艦。この潜水艦は水深20m~30mまで潜航することができ、10時間の稼働が可能だとのこと。チャンさんは数人のエンジニア仲間と潜水艦を7隻製作し、そのうち1つは2011年に10万元(約156万円)でビジネスマンが購入したとのことです。
チャンさんの潜水艇が性能試験で水中に潜っていくところ。
2013年3月25日に撮影された、チャンさんと新しい潜水艦。この新しい潜水艦は無人潜水艦にアップグレードされています。
人工プールで行われたテストでは、見事ナマコを捕らえた模様。
このスケール感のおかしなバイクは、全長が4.3m、高さ2.4m、重量が660ポンド(約300kg)あります。このバイクの製作には約8000元(約12万円)かかっているとのこと。なお、最高速度は時速40kmですが、巨大すぎて一般道を走ることが困難だということで、一体なんのために作ったのか分からない状態に陥っています。
次の発明は建物内に設置された滑り台。この滑り台は娯楽目的で製作されたわけではなく、建物の高層階に住んでいた製作者が2010年に火事に遭遇したとき、避難経路が少なくて命が危うかった経験から、非常時の避難装置として使えるようにと考えたもの。
これは自作の航空機。航空機の動力にはバイクを丸々1台使用して、その周りに翼などのパーツを木やプラスチックボードを用いて組み立てました。組み立てには約11か月かかっていて、製作費用は約2000元(3万円)。
2012年11月29日には中国の済南にてこの自作航空機の飛行テストを行いましたが、残念ながら失敗に終わったようです。
この球状の物体は、中国版「ノアの方舟」と呼ばれるシェルター。熱や水および外部の衝撃から中の人を保護できるように設計されたもので、直径4メートルの球状になっていて重量は5443kg、約150万元(約2340万円)の費用と2年の歳月をかけて製作された渾身の発明品。この中には3人家族が約10か月間暮らすのに十分な量の食料を収納することができます。写真は2012年の8月6日に浙江省で行った動揺試験の最中のもの。
一連の耐久試験をクリアしたので、自分で作り上げたノアの方舟に乗って喜ぶ製作者のヤンさん。シェルターの耐久度が心配な程に形状はボコボコに変形しておりヤンさんの顔色も悪いですが、試験はしっかりと突破している模様。
いかにもお手製な防護マスクを着けて作業する溶接工。他のものと比べるとスケールの小さいDIYではありますが、仕事の上では間違いなく役に立つものです。
強盗犯にしか見えないこのマスクは、中国人女性によって製作された放射線をブロックするためのもの。このマスクは現在大量生産されており、地方の水着売り場で購入可能とのこと。中国人男性たちはこのマスクをどんな心境で見ているのでしょうか。
写真のロボットをリモコンで操作しているのはウーさん。1986年から趣味で自作のロボットを作り始め、これまで47台ものロボットを発明しているそうです。
2009年には自作の歩行ロボットで人力車を引かせることに成功。
これは2010年にウーさんが開発した歩行ロボット。他にも飛んだり、何かを描いたり、カートを引いたりマッサージを行ったり、料理の手助けをしてくれるロボットまでいるようです。見た目はちょっとアレゲですが、自分の手でこれだけさまざまなロボットたちを作っているというのには驚きます。
83歳のチャンさんが発明したのは、車いすの人をより介護しやすくする自転車。
優しそうな笑顔をしているのはヤンさん。彼は湖北省ウハンの郊外にある自分の農地を不動産開発業者から守るために、手押し車とパイプ、ロケットで手製の大砲を製作しました。
自作の大砲を発射している様子。中国では不動産開発業者は大砲で追い払うものなのでしょうか。
次は自作の潜水艦。古いオイルタンクをベースに製作しており、潜望鏡・船体浮力調整用タンク・電気モーター・2つのスクリューと、機能的な部分はしっかりと構成されています。開発費用は30000元(約47万円)、潜水艦発明から実用テストにこぎつけるまでに2年かかっているようです。
潜水艦の中はこんな感じ。
大気汚染から自分を守るために作られたのがこの「breathing bicycle」。IKEAのゴミ箱に穴を空けて空気ろ過システムと戦闘機の操縦士が着ける酸素マスクを接続、車輪を回転させて動力とするのでジェネレーターまで取り付けられています。
中国ではシェルターを製作するのがトレンドなのか、またしてもシェルターのDIY。このシェルターは先ほどのシェルターとは製作者も機能も違うのですが、名前は同じ「ノアの方舟」。こちらのシェルターは容積が17立方メートルある球体で、製作費用は180万元(約2800万円)、製作期間には約8か月が費やされており、地震や津波、洪水などの災害から身を守るために製作されました。
製作風景はこんな感じ。
製作者はハリウッド映画である「2012」や、2004年に起きたスマトラ島沖地震などに触発されてシェルター開発を始めたそうです。
次の発明は、2台のモーターを動力とした4.5メートルの超軽量飛行機。製作費用は5000元(約7万7千円)、8か月の期間で製作されました。
見事に飛行に成功。
そして、墜落。
これは8つの空容器を取り付けた水上走行可能な自転車。とても簡単ですが効果的な作りのようです。
この卵形の移動住宅は、竹・鋼鉄・断熱材・発酵した木材のチップ・草の種・太陽電池パネルでできています。製作費用は6427元(約10万円)です。
自作でこんな本格的なヘリコプターを製作しようとする人までいます。
これは自作の義手。装着しているサンさんは32年前にダイナマイト漁をしていて前腕部を失いましたが、甥っ子がくず鉄やプラスチック、ゴムなどを使ってこの義手を作ってくれたそうです。
サンさんとその甥はここ数年、困っている人のために約300個の義肢を作りました。
なんとこれは木製のヘリコプター。150ccのエンジンを搭載したこのヘリコプターは、1万元(約15万円)以上の費用がかかっていますが、製作は2か月で完了したようです。
飛行まであと一息というところでしたが、安全面の理由から地方自治体によって飛行禁止とされてしまいました。
この自動車は太陽エネルギーで稼働する「ソーラーカー」。2008年に製作されたこのソーラーカーは製作期間13か月、費用は13万元(約200万円)と時間もお金もかかっています。時速45kmでの走行が可能で、すでに新しいモデルのソーラーカーも完成しているようです。車の前面に書かれている文字は「ソーラーカー」という意味。
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