イギリスの公共放送局がゾンビ対策ムービーを公開
By Scott Beale
イギリスの公共放送局である、英国放送協会(BBC)が「実際にゾンビが襲撃してきたらどう対処すればいいのか?」という真剣なのかふざけているのかよくわからないムービーを公開しました。ムービーは危険度を表す「substantial(安定)」「severe(危険)」「critical(危機的)」から成る3部作となっています
ムービー第1部「substantial(安定)」は以下から確認できます
Undead Survival 1/3: Keep Calm and Avoid the Undead - In The Flesh - BBC Three - YouTube
政府発表「Keep calm and avoid the Undead(冷静に、ゾンビを回避せよ)」、「危険レベル:安定」の文字とともにムービーが始まります。
ムービーの冒頭に表示された「Keep calm and avoid the Undead(冷静に、ゾンビを回避せよ)」はイギリス政府が第二次世界大戦時に国民の士気を高める目的で作成した宣伝ポスターの標語「Keep Calm and Carry On(冷静に、戦い続けよ)」をもじったものです。
By Robert Croma
「死亡した人が復活する現象が時折発生します」というナレーションとともに何本かの手が地面から出現。
死亡した人が復活するという現象は「ライジング」と呼ばれるそうです。
死んだ人が棺おけからムクッと起き上がり復活。
なぜ死人が復活するかという有力な説はいくつかあり、その1つは「神の啓示」。
1つは「大気汚染」によるもの。
もう1つは「脳が何らかの生物によって寄生されたこと」となっていますが……
「神の啓示」「大気汚染」「脳が何らかの生物によって寄生されたこと」のどれもが事実として科学者に証明されたことはないそうです。
場面が変わり、「ゾンビは危険なので近づいてはいけません」
少しポップなイラストで描かれているためか、ゾンビが迫ってきてもあまり恐怖を感じません。
ゾンビを見かけたら室内に避難し、ドアと窓を閉めて鍵をかけ、木の板やマットレスを窓に貼り付けて補強してください、とのこと。
もし多数のゾンビに家の周りを囲まれてしまったら……
フリーダイヤルの緊急番号に電話すれば、すぐに政府から武装警備隊が救助に駆けつけてくれるようです。
ムービーは武装警備隊に救助された家族と、「冷静にゾンビを回避せよ」の文字が再び表示されて終了。
ムービー第2部「severe(危険)」は以下から確認可能。
Undead Survival 2/3: Know the Undead Facts and Relax - In The Flesh - BBC Three - YouTube
第2部はオレンジ色の背景に「Know the Undead facts and Relax(ゾンビの事実を知り、リラックスせよ)」が表示されてスタートします。危険度を表すレベルは「Severe(危険)」で第1部から1段階上昇。
第2部も第1部と同じように、「死者の復活はライジングと呼ばれます」という説明から始まります。
スーパーマーケットでゾンビに遭遇する男性。
しかし、ゾンビに遭遇してしまってもパニックを起こしてはいけないとのこと。
ゾンビに遭遇した場合を想定して、ゾンビに関する情報を事前に知っておきましょう。
ゾンビに関する情報を把握することで冷静になりゾンビの一体なにが危険なのか理解すれば……
適切に対処できるようです。
「ゾンビはとても原始的な生物であり、脳の部位である小脳しか機能していません」と、ここからはゾンビの生態の解説が始まります。
ゾンビは脳に問題があるため、人間だった時の両親や兄弟、友人などを認識できません。
また、ゾンビは言葉を発することができないため、話しかけても返事することができません。
ゾンビは運動機能にも問題があるため、走れません。
ジャンプも不可能。
もちろん腕立て伏せもできません。
もしゾンビを殴ったり、蹴ったり、刺してしまっても……
ゾンビは痛みを感じないため心配は無用です。
もしゾンビに攻撃されたとしても、パニックにならず冷静に。
ゾンビにかみつかれたとしてもゾンビに変貌するような現象は起こりません。
ゾンビにかみつかれた時の対処法は……
まず、きれいに消毒。
そして包帯を巻き、近くの医者に診てもらいましょう。
「これでゾンビのことを理解できましたのでリラックスしましょう」というナレーションが流れ、第1部と同じ感じで終了。
ムービー第3部「critical(危機的)」は以下から確認できます。
Undead Survival 3/3: Improvise and Survive - In The Flesh - BBC Three - YouTube
第3部は第1部、第2部とは違い「ブー」という電子音が流れて、「少々お待ちください」というメッセージが数秒間表示されます。
約6秒が経過すると、赤い画面に「IMPROVISE AND SURVIVE(即興で対応し、生き残れ)」の文字と危険度最大の「critical(危機的)」が表示されます。メッセージが大文字で表記されることで、第3部は第1部、第2部より重要な警告ムービーだということがわかります。
暗がりで隠れながらおびえる女性。
一体のゾンビが隠れている女性のところへ近づいて行きます。
涙を流しておびえる女性は一体どうなってしまうのか……。
これから女性に何が起こってしまうのかドキドキしながら見ていると「このような事態を引き起こしてはいけません」のメッセージが現れました。
第3部の内容は実際にゾンビが襲ってきた時の対処法のようです。ライフル、ピストル、ナイフと「武装して生きろ」の文字が表示され、第2部まで流れていた女性の声のナレーションが一切なく不気味な音楽だけ流れます。
スナイパーライフルでゾンビの腹部を撃ちますが、倒れる様子はなし。
次に頭を撃つとゾンビが倒れ、「火器を使用するには必ず頭を撃って倒しましょう」の警告。
「ナイフを使用する場合は、ゾンビの弱点である頭部を突き刺しましょう」
もしライフル、ピストル、ナイフなどが近くにない時は……
「即興で武器を作り生き残れ」
武器は何か近くにあるもので、代用もしくは作成することができます。
電動ドリル、ハンマー、チェーンソー、という3つの中で最強の武器は一体どれでしょう?
正解はチェーンソー。日本ではあまり一般的ではありませんが、イギリスの一般家庭ではチェーンソーが普及しているのかもしれません。
チェーンソーでゾンビを一刀両断する音が流れます。
「よくできました」
武器は組み合わせるとより効果的なものを作成可能。
釘バットでゾンビを撃退します。
ゾンビを撃退すると「グシャッ」という音とともに、再度「即興で対応して、生き残れ」のメッセージ。
このように、かなり気合の入ったムービーになっているのですが、これはBBCで2013年3月17日より放送されている「In The Flesh」というテレビドラマの宣伝用に作られたもの。In The Fleshは死亡後にゾンビとして現世に復活した一人の少年が社会復帰を目指していくという斬新なストーリーです。
BBC Three - In The Flesh
http://www.bbc.co.uk/programmes/p00szzcm
なお、「In The Flesh」の予告編は以下から確認できます。
In The Flesh Launch Trailer - BBC Three - YouTube
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