取材

衝撃波を捉えて狙撃手の位置を知らせる「PEARL(小火器用射撃位置探知装置)」実機フォトレビュー


待ち伏せ攻撃を受け銃撃された場合は、運良く被弾を免れても相手の位置を素早く特定して反撃をしなければすぐに蜂の巣にされてしまいます。しかし、敵の狙撃手は物陰から銃撃してくる場合がほとんどなので、肉眼に頼ってその位置を特定するのは容易ではありません。そこで、そんな状況を打破するために開発されたのが小火器用射撃位置探知装置(PEARL=Personal Equipment Add-on for Reactive Localization)です。

AcoemM社が開発した「PEARL」の実機展示が行われている「テロ対策特殊装備展(SEECAT'12)」の理経ブース内。


据え置きモデルには4つのマイクが搭載されており、ハンドガンやライフル、RPGなどから弾が発射された際に発生する衝撃波を感知。サイレンサー(消音器)の有無や周囲の騒音状態に関わらず約95パーセントの確率で射手の位置を上下左右10度以内で特定できるそうです。


内部のマイクはこんな感じ。


カバーをかけて使用します。


以下の写真のように車両に搭載して隊列の警護にあたったり、三脚に取り付けて基地や建物を守ったりするために使用します。


マイクは片手で持てる程度の重さ。


弾丸が発射されてから1秒以内に狙撃手の位置を特定、専用端末の画面に表示できます。


発射音から位置を特定するための計算を行う部分はこんな感じ。


同様の機能を備えたマイクを小型化してピカティニー・レールにマウントできるようにしたモデルは以下の通り。


この位置だと狙いを付ける際に視界を遮りジャマになってしまうので、ライフルの側面などに取り付けてもOKとのこと。


前から見るとこんな感じ。


マイク部分のアップ。


内蔵バッテリーで約12時間の駆動が可能。作動中に射撃を受けると自動で敵の位置が探知されるのでオレンジ色に発光してる矢印の方向に銃を向けると敵を見つけられるようになっています。なお、以下の写真では「↑」と「→」と表示されているので銃口を右上に向ければOKです。


敵のスナイパーが居る位置に銃が向けられると中央のライトが緑に光ります。なお、実際には待ち伏せ攻撃を受け次々に弾丸が撃ち込まれている様な状況で使用することが前提なので、細かく狙いを付けるためではなく、相手の位置を素早く特定してできるだけ早く反撃に出れるようにするためにこのような作りになったそうです。


銃撃された直後にどのように敵に向けるのか?というのがよく分かるムービーは以下で見られます。

対スナイパー用「PEARL(小火器用射撃位置探知装置)」実機動作ムービー - YouTube


また、実際にどのような状況での使用を想定しているのかが解説されているデモムービーは以下でチェックしてみてください。

ACOEM Metravib gunshot detection and/or hostile fire indication family of products - YouTube


なお、この製品は自衛隊や警察などを対象とした製品で一般向けの販売は行われないとのことです。

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in レビュー,   取材,   ハードウェア,   動画, Posted by darkhorse_log

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