メモ

アメリカには未だ350万人のダイヤルアップ接続ユーザーがいる

by Twister_00

日本は世界有数のブロードバンド先進国です。ケーブルテレビによる常時接続サービスのほか、ADSL、FTTH(光回線)がかなり広く普及しており、多くの空港で無料無線LANサービスが使えるなど、「回線が低速で困る」という状況に陥ることはかなり少なくなりました。

世界初の商用インターネットプロバイダ(ISP)が誕生して一般人もインターネットが使えるようになったのは1987年のこと。日本では1992年に初の商用ISPが誕生し、多くのインターネット接続サービスが生まれていきました。これ以降の世代は生まれながらにしてIT環境がある中で育ったことからデジタルネイティブと言われます。

by Wayan Vota

そんなデジタルネイティブ世代はあまり知らないかもしれないのが、ダイヤルアップ接続の音。長らくインターネットを使っているという人であれば、この「ピーガガガガ」という音を聞くだけで当時の思い出が蘇ってくるのではないでしょうか。

The Sound of dial-up Internet - YouTube


世界に目を向けると、今もこの「ピーガガガガ」を聞きながらインターネットに接続しているユーザーは数多く存在します。インターネット誕生の地であるアメリカでも、いまだにダイヤルアップやISDNは現役です。


Amazingly, AOL still has 3.5 million dialup subscribers - SplatF

SplatFがここ10年の数字をまとめていますが、AOLのダイヤルアップユーザー数は2002年の2500万人超がピークで、そこからはどんどん数字が下がってきていますが、いまだに350万人がAOLのダイヤルアップ接続を使用し続けています。2011年3月末のデータによると、北米のインターネット人口は2億7200万人なので、全体のだいたい1.3%ぐらいということです。


面白いことに、AOLのユーザー減少は、1997年にスタートしたオンラインDVDレンタル会社Netflixのユーザー数増加と反比例の関係にあります。ちょうど時代が移り変わっていたというのをまさに実感できるグラフです。


Gizmodoには、そんなAOLに苦しめられている家庭からのナイスなコメントが届いています。きっと350万の家庭のうち多くではこんなやり取りが繰り広げられているのでしょう……。

3.5 Million People Are Still Using AOL Dialup (!!!)

50代後半の母:PCが遅いの。
私:違うよ母さん、AOLを使っているから遅いんだ。
母:インターネットも遅いのよ。
私:違うよ母さん、それは明らかにAOLを使っているからだよ。Comcastなら20Mbpsだよ。
母:うーん……あなたが教えてくれたようにInternet Explorerを使っているんだけれど、それでも遅いの。
私:まず僕は「Chromeを使って」と言ったよ。でも、言っちゃ悪いけれど、母さんはIEを起動して、結局ブラウザとしてはAOLを使っているんだ。
母:思うんだけれど、新しいPCを買わないといけないんじゃない?
私:いいや母さん、確かにそのPCは古いけれど、craigslist(コミュニティサイト)を開くのに10秒もかかっているのはAOLのせいなんだ。
母:IEも使ってみたけれど、やっぱり遅かったわ。
私:それはまだAOLを使っていたからだよ。IEもChromeやFirefoxほどには高速じゃないし。
母:どうしてこのメールはぐちゃぐちゃになってしまうのかしら。きっとお父さんの使っている「Outlook」っていうのがダメなんだと思う。
私:確かに父さんのメーラーの使い方もヘンなんだけれど、本当に問題なのはAOLメールを使っていることと、AOLをウェブブラウザとして使っていることなんだ。もしGmailとChrome、あるいはFirefox、IEを使うんだったら、そんな問題は起きないよ。
母:でもAOLをやめたくないんだもの。私はAOLが好きなの。
私:あぁ……(世界最長のため息)

上記の会話で、母親が「IEを使っている」と言っていますが、これはおそらくAOLがユーザー向けにカスタマイズしたIEのこと。カスタマイズ済みIE8カスタマイズ済みIE9のほかにカスタマイズ済みFirefoxも用意されています。さらにいろいろなAOL用ソフトが待ち構えています。

カスタマイズ済みIE8の見た目はこんな感じらしいので、詳しくない人だと気付かなくてもしょうがないところ。


なお、アメリカの州の中で最もネット接続速度が高速なのはロードアイランド州で、平均8.2Mbps。ワシントンD.C.は7.5Mbpsで第3位、シリコンバレーのあるカリフォルニア州は6.7Mbpsで第6位となっています。

また、世界の国でネット接続速度が高速な国を見ていくと平均13.8Mbpsの韓国が第1位。日本は8.9Mbpsで第3位、アメリカは10位までにも入らずランク外となっています。

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in メモ, Posted by logc_nt

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