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ネコやダニ、花粉によるアレルギーの治療が一歩前進か、反応の原因が特定される


ネコが好きで思う存分もふもふしたいのに、ネコアレルギーがあるが故にそれがかなわないという人にはうれしい研究結果が発表されました。アレルギー反応が起こる際のきっかけとなる物質を特定したため、アレルギー症状の根本治療が可能になるかもしれないということです。

しかも研究対象となったネコアレルギー以外のハウスダストや花粉といったものによるアレルギーの治療にも応用が効くとみられています。


対処療法が中心のアレルギー治療に一石を投じる発見については以下から。Pill to cure feline allergy could be the cat's whiskers | Mail Online

イギリス・ノッティンガム大学の研究者たちが、ネコの毛がくしゃみやせきといった症状から深刻なぜんそくに至るまでの症状を引き起こすネコアレルギーが、どのような仕組みで発生しているのかという仕組みを解明しました。

しかもネコアレルギーだけにとどまらず、花粉症からダニアレルギーまで、さまざまなアレルギーを未然に防ぐ特効薬となる可能性もあるとのこと。


ネコアレルギーの主な症状は目のかゆみや発疹(ほっしん)、くしゃみ・鼻水といったもの。ぜんそく患者のうち40%が、ネコによってぜんそくを引き起こされたり、症状を悪化させられたりするそうです。

空中に舞ったネコの皮膚のごく微少な断片を吸い込んでしまうことで、免疫系がそれを外敵と判断。免疫細胞の一種である樹状細胞が他の免疫細胞に信号を送りこんで断片を攻撃することによって、各種のアレルギー症状が引き起こされます。

研究に携わったAmir Ghaem-Maghami博士が特定したのは、アレルギー症状を引き起こすきっかけを作り出す樹状細胞の表面にあるタンパク質。このタンパク質はネコアレルギーの初期段階にしか見受けられないものであるため、このタンパク質を対象とした薬品を開発したり、発する信号を解析することで、症状の軽減が可能となるということです。

マンノース受容体として知られるこのタンパク質は、イエダニや犬によって引き起こされるアレルギー症状の発現時にも同様に見受けられるということなので、ネコアレルギー向けに作られた薬が、さまざまなアレルギーに対応できる可能性も浮上しています。また、日本でも数多くの人が悩まされている花粉症についても、同様に効果が期待できるかもしれないとのこと。


「イギリスをはじめとした先進国で、この数十年間の間で急激にアレルギー反応に悩まされる人は増えていて、子どもたちの間にも広がっています。治療法の改善にもかかわらず、イギリスでは1日あたり約3人がぜんそくによって亡くなっています。そして、その治療法も、疾患それ自体を治すものではなく、症状を治める対処療法が中心です。」とMaghami博士は語り、現状のアレルギー疾患に対する問題を指摘。

さらに「治療アレルギー疾患にかかると生活の質に大きな問題をきたします。その治療費も大きな問題で、2006年の国民保険制度の直接経費は10億6000万ポンド(約1381億円)で、しかもそこにはアレルギー症状による欠勤の分の損失は含まれていません」と、治療費の面からも治療の改善が必要であることを説いています。

すでにMaghami博士は新たなアレルギー治療法の確立に向けて研究を進めていますが、実用に耐えうるようになるまで5~10年はかかると見られています。症状を抑える以外に方法がない現状の治療法は確かに費用もかさみ、薬の副作用などに患わされることも多いため、根本からの治療が可能になるのであれば、早期の実用化が待たれるところです。

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in メモ,   生き物, Posted by darkhorse_log

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