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ハードディスクは消耗品、万が一の時のために覚えておきたいオープンなデータ復旧会社「日本データテクノロジー」


東日本大震災では、家屋などへの被害も甚大なものとなりましたが、津波や揺れによる落下、停電などによって、ハードディスクの故障も多く発生しているようです。しかしデータ復旧というのは料金体系が不透明で、データ復旧を請け負うかに見えて、実際は別の業者に丸投げするだけの業者があるのも事実。

その中で、作業現場を公開し、信頼性の確保に努めている「日本データテクノロジー」が、東日本大震災やこれに伴う計画停電などの影響によるハードディスクのトラブル専用ダイヤルを開設しました。法人、個人を問わず、相談を受け付けています。

GIGAZINEでも以前その現場を見学させてもらいましたが、今回はデータ復旧を依頼する場合にどんな手順を踏んだらいいのか、どこまでが無料で、どういった対応がしてもらえるのかなど、実際にデータ復旧を依頼するにあたって気になる部分をじっくり聞いてきました。今回の記事を入門編として、RAIDの復旧についてのインタビューも併せて読むと、データ復旧という分野についてその大枠が掴めるのではないでしょうか。詳細は以下から。データ復旧|PC・サーバー・RAID機器のハードディスク復旧ならデータ復旧.com
http://www.ino-inc.com/



日本データテクノロジーが入っているビルに到着。銀座のど真ん中です。


持ち込みでの依頼を受け付けているため、入り口は広々としています。


今回データ復旧についての質問に答えるのは、日本データテクノロジー データ復旧事業部 復旧技術チーム 趙暁豪さん。


同じく復旧技術チームの安藤佳晃さん。


GIGAZINE(以下、G):
震災後ですが、依頼の件数は増えましたか?

データ復旧事業部 復旧技術チーム 安藤佳晃さん(以下、安藤):
そうですね、入ってくる台数自体が増えていまして、1件のご相談につき2~3台、多いと20台という場合もありました。現段階では法人様からのご依頼が多くなっています。オフィスが水没してしまったり、揺れで落下したり、停電で故障したりといった事情で、同時に何台も持ち込むケースが増えています。

通常時でも、1件のご相談で複数台ということもあるにはあるんですが、皆さん揃ってこういう状態というのはこれまで無かったですね。個人様でも同時に3台というお問い合わせもありました。

G:
個人でもデータ復旧を依頼することはできるんですね。

安藤:
はい、もちろんできます。

G:
事例としてはどんな依頼が増えているのでしょうか。

安藤:
震災での障害にも種類がありまして、大きな揺れで落下してしまったという場合と、急な停電や、計画停電の時間が分からずに故障が発生した場合、あとは津波による水没の3種類ですね。

G:
津波による水没というと、東北からの依頼ですか。

安藤:
岩手、宮城が多いですね。かなり早い段階、震災の翌週くらいからお問い合わせがありました。電話がつながらないと言うことで、メールでのお問い合わせでしたが、その時点ではまだ物流がストップしていたので、物流が動き出すのを待って、機器を送っていただきました。都内ですともう翌日から、落下による故障のお問い合わせが来ていましたね。

最初は落下と停電によるものが多かったんですが、日にちが経過すると、比率として津波による水没のほうが多くなってきました。

G:
津波で水没したものも、復旧することは可能なんでしょうか。

安藤:
程度にもよりますが、基本的には復旧できます。どのくらいの割合で復旧できるのかについては、現状は6割から7割程度ですね。

G:
このくらいの状態であれば復旧できるという目安のようなものはありますか?

安藤:
お客様の手元にある段階ではちょっと分からないですね。こちらに送っていただいて、ハードディスクのふたを開けて初めて分かるという形です。開けた瞬間分かりますが、データの書き込みを行う「プラッタ」という部分に海水が付着して、乾いてさびてしまうとディスク自体の材質が変質してしまうので、そういったものに関しては復旧が難しいですね。水が入っていても、さびていなければ復旧できる可能性は高くなります。


G:
ということは、早い内であれば水没でも復旧の可能性が高い、と。

安藤:
そうですね。日にちが経つにつれ、復旧の可能性が下がってしまうという部分はあります。

G:
基本的なところですが、例えば「ハードディスクが壊れてしまって、データを復旧したいけれども、どうすればいいのか分からない」といった場合、復旧の依頼をするにはどういった手続きが必要なのでしょうか。

安藤:
日本データテクノロジーであれば、メールのお問い合わせ、あるいは電話でのお問い合わせをいただくという形になります。メールならば24時間、お電話の場合は朝8時から夜9時までが受付時間です。

日本データテクノロジーではアドバイザーというお問い合わせ対応の専門部隊がおりますので、このアドバイザーが、お客様のハードディスクの症状であったり、メーカーや型番など、分かる範囲の情報をうかがって、復旧の可能性があるかどうか、同様の事例で過去に復旧の実績があるかどうかということを確認いたします。

復旧の実績があれば、その旨をお伝えして、金額と期間の概算をお伝えします。その段階で金額や期間に無理がある場合は、お断りいただいても一切費用は発生しません。お電話もフリーダイヤルでご用意しておりますので安心してご相談ください。

また、とりあえず送ってみようという場合でも、初期診断の段階では費用は発生しません。初期診断では、実際に機器をお送りいただいての診断となります。お電話の段階だと、ヒアリングベースでの回答なので、病院で言えば口頭での診察という感じです。これに対して初期診断は、レントゲンや血液検査などに当たるもので、実際に技術員たちがハードディスクを診断します。

診断には手順がありまして、まずハードディスクの障害には、「論理障害」と「物理障害」の2種類があります。物理障害というのは、ハードディスクを構成するパーツが物理的に変形してしまったり破損してしまったりしているという状態で、その状態だと当然動作が正常に行われないので、どこのパーツに原因があるのかということを確認して診断するというのが、物理障害の診断です。

まず最初に物理障害と論理障害を分ける時、通電を行います。通電して、動作するようであれば、音が正常であるかどうかを診断します。原始的な方法なんですが、通電した状態のハードディスクを耳に当てて、注意深く音を聴きます。それである程度「ここじゃないか」という原因部分の特定ができるんですね。音に問題が無ければ、今度は論理診断に入ります。

論理障害というのは、デリートだったり、フォーマットだったりという、お客様のほうで何らかの操作を行った結果、起こってしまった障害や、誤ってコンセントを抜いてしまったり、停電などによる電源断による障害のことです。物理的に問題が無ければ、そのハードディスクに発生している障害は論理障害だということになります。


データ復旧事業部 復旧技術チーム 趙暁豪さん(以下、趙):
論理障害にもいろいろな種類があります。例えば症状としては、パソコンのデバイスマネージャーは機器を認識しているのに、マイコンピューターには表示されないというような場合であったり、マイコンピューターには表示されているのに、アクセスしようとすると「フォーマットしてください」などのエラーが出てアクセスできないというような場合など、様々なものがありますが、大きく分けると「ファイルシステムの異常」と「フォーマットなどの誤った操作による異常」との2種類になります。

この内、ファイルシステムの異常の場合は、すこし時間がかかります。専用のソフトを使ってハードディスクの中身をチェックする必要が出てくるんですね。中身は全部16進数になっていて、例えば容量500GBのハードディスクの場合は9億個のセクタがあり、セクタひとつの中に数字が255個あります。その中から間違っている値を探し出して、それを修正して、データを抽出します。


G:
500GBのハードディスクの場合、どのくらいの時間がかかるものなんですか?

趙:
症状にもよりますが、早ければバックアップまで1~2日ですね。

安藤:
診断に関しても、日本データテクノロジーは業界内でナンバーワンだと自負しています。

G:
速度がナンバーワンということですか?

趙:
スピードと、診断の正確さですね。先日も、他社さんでは「ヘッドの障害」として診断されて復旧できなかったものが、日本データテクノロジーで診断したら「バッドセクタ」だということになって、すんなり復旧できたという事例がありました。

ハードディスクというのは診断を間違えると絶対に直らないんですね。どこが壊れているかが分からないと、修復もできません。なので、「他社で復旧できなかったけれど日本データテクノロジーなら復旧できた」という事例は多いです。

安藤:
そうですね、他社さんで出来なかったものが来ることも多いです。ハードディスクに他社さんのシールが貼ってあったり。ちなみにここまでが初期診断にあたりまして、費用は無料です。そして初期診断を行った上で、復旧を行う場合にかかる金額と期間の正式な見積もりをお出しします。

特に個人のお客様だと、パソコンにハードディスクが入っているということ自体を知らない場合があるなど、お問い合わせの段階では不明な部分が多いので、機器が手元に届いて診断を行ってから初めて正式な金額と費用を算出するようにしています。

G:
パソコンのことが分からない人でも電話して大丈夫なのでしょうか?

安藤:
お問い合わせに対応する専門のアドバイザーは、あまり専門用語を使わずにヒアリングをしますので、個人であまりパソコンに詳しくないという方でも、安心してお問い合わせいただけると思いますね。実際に「お孫さんの写真のデータを復旧したい」ということで、ご年配の方からのご依頼もあります。

逆に、法人で専門の方のお問い合わせにも十分にお答えできるように、専門知識を十分に持ちながら、初心の方にも対応できるという体制を整えております。

初期診断の結果が出てきた後、お客様に診断結果を見ていただいて、金額や期間に問題があれば、そこでキャンセルしていただいても費用はかかりません。その場合、送料だけはお客様負担になりますが、そこでお預かりしたハードディスクをお返しします。

G:
会社によっては「見積もりをもらって、この金額ならばということで復旧を依頼したところ、最終的に請求された金額はもっと高くなってしまった」というようなこともあるそうですが、日本データテクノロジーは見積もりから金額が上がることは無いと考えていいのでしょうか。

安藤:
はい。お客様のほうでバックアップの外付けハードディスクを買いたいということであればそれは別費用になりますが、そういった場合でなければ、正式なお見積もりから値段が上がることはありません。

初めは比較的症状が軽い状態で送られてきたものの状態の悪化が進み、日本データテクノロジーでバックアップを取っている段階でヘッドがダメになってしまう……というような場合もありますが、そういった場合もお見積もりの金額から上乗せされることは無いですね。

G:
診断中に状態が悪化するケースというのは、例えばどのようなものですか?

安藤:
物理的にヘッドが弱くなっている状態で送られてきた場合、通電しないと診断できないので通電するんですが、データ抽出の際、ヘッドはけっこう無理な動きをするんですね。それが破損につながることもあります。


G:
輸送の段階で壊れてしまうということもありますか?

安藤:
よほどひどいところでなければ、輸送は大丈夫だと思います。少なくとも日本では、まず問題無いでしょう。

G:
とすると、本当に壊れる一歩手前の状態だったハードディスクが、データ抽出の際に限界を迎えてしまうこともあるけれど、金額自体はそういった場合も初期診断後の見積もりから増えることはない……ということですね。

安藤:
また、お客様の欲しいデータが出てこなかった場合は、データ復旧のサービス自体の意味が無いと考えておりますので、その場合は、お代をいただかずに機器をお返しするという形をとっています。

例えば、写真のデータを取り出したかったのに、そこからExcelのデータしか取り出せなかったなら、それはお客様の要望にかなっていないので、当社でもそれは復旧成功と見なさずに、申し訳ありませんということでお返ししております。

G:
データが部分的に抽出できない場合、いくつかデータは復旧できたんだけど、本当に必要なデータが出てこないという場合も、やっぱりあるんでしょうか。

安藤:
ありますね。

趙:
10年間分の写真データの中で、何月何日の何時に撮ったこの写真が欲しい、というお客様もいらっしゃいます。そうした場合に、その部分がちょうどバッドセクタになってしまっていると、データの復旧は難しいですね。


G:
以前ハードディスクが壊れた際に、「このデータを取り出せるようならお願いしたい」ということで他社さんにお願いしたことがあって、その時は結局そのデータが発見できずに断られてしまったんですが、そういうことも可能なのでしょうか。

趙:
状態にもよりますが、論理障害であれば可能です。

G:
データ復旧を依頼する場合に、こういった復旧会社を選んだほうが良いという目安のようなものはありますか?

安藤:
本当に安心なのは、会社を見に行くことですね。日本データテクノロジーはお持ち込みが可能で、お持ち込みいただいたお客様には、内部を見学していただくことができます。復旧のエンジニアがどんな風に働いているのか、どんな人たちがデータ復旧を行っているのか、実際に見ていただくことができます。

復旧作業の様子だけでなく、セキュリティに関する取り組みについても、どのように管理が行われているのかを確認していただけます。セキュリティゲートがあって、中に入るためには靴を脱いでいただいたりベルトを外していただいたり、かなり厳重なセキュリティ管理を行っています。

法人様によっては、機器を預けるかどうか決めていないけれど、実際に会社の様子を見てから決めるというお客様もいらっしゃいます。そういったお客様でも、ここまでやっているなら任せられるということで、預けていただけるというケースが多くあります。やはり、ご自身の目で確かめていただいて、信頼できる会社を選んでいただきたいですね。

趙:
ハードディスクを復旧する際、クリーンルームというホコリやチリが一切無い部屋で作業をするんですが、会社さんによっては、四角い密閉されたボックスに手を突っ込んで作業をすることをクリーンルーム完備とうたっているところもあります。

設備を公開できないという会社さんは、いろいろな事情があるんだろうとは思いますが、そういった部分も考えると、やはり公開している会社に任せるのが安心ですね。

あとは、外部に発注して作業をやってもらっている会社というのもあります。サイト上では自社でデータ復旧を行っているように書かれていても、実際にはそこではソフトで簡単に直るものだけ自社で対応し、その他の機器に関しては、仲介と輸送しか行っておらず、届いたハードディスクをほかの会社に渡して復旧してもらっているというケースですね。そういった会社さんは、見に行けばすぐに分かりますね。だいたいマンションの一室とかでやってらっしゃるので。

安藤:
セキュリティ面でも、大事なデータが入ったハードディスクを預けるのですから、やはりしっかりとした信頼のできる会社に依頼するべきだと思います。


G:
確かに法人の場合だと、データが復旧できるかどうかに加えて、データ流出の可能性などを考えると、セキュリティ面で信頼のおける会社を選ぶというのは大事ですね。

安藤:
そういったニーズが強くあるためか、日本データテクノロジーではご来社されての依頼が非常に多くなっています。震災後は物流が遅くなっているということと相まって、特に来社率が高かったです。3月の後半は、お問い合わせいただいた方の6割くらいが来社されていたような状況でした。

G:
HDD単体ではなく、「Terastation」などを抱えて持ち込んでくる場合などもありましたか?

安藤:
Terastationくらいであればまだ軽いほうで、大きいものだとMacのデスクトップやVALUESTAR、台車を押してラックマウント型のサーバー機などもありますね。ご来社いただいた際の商談スペースが4室あるのですが全て埋まってしまって、社内の会議室2室まで使ってご対応させていただいたような状況もありました。

地域的にも全国からご依頼がありまして、関東のお客様はもちろん、北海道から来社される方、沖縄や九州からハードディスクを持ってきていただいたりもあります。つい最近も、大阪からいらっしゃって、その日中に持ち帰りたいという依頼もありました。その時は、お客様が欲しいデータが決まっていたので、そこだけピックアップして抽出して、そのほかは後で、という形で対応できました。けっこう難しい要求をするお客様もいらっしゃいますね(笑)

趙:
そうですね、当日なんとしても復旧してくれというケースもありますが、そういった場合はお客様のほうでもかなり頑張っていることが多くて、それこそ大阪から東京に来て、復旧が終わったらそのまま大阪にとんぼ返りされるというような感じですから。そこはお互い頑張ろう、ということで。その大阪からのお客様は、朝東京に来ていったん大阪に戻り、また午後に東京に来られたということで、1日に2往復もしてるんですね。データの重要性がひしひしと伝わってきました。

G:
ギリギリの日程でも、最後まであきらめないことが大事、ということですね。

安藤:
ひとつでも多くのデータを助け出したいという気持ちが復旧技術チームにはありますので。遠くからだと、海外からハンドキャリーで持ち込まれたケースもありましたね。

趙:
本当にお急ぎだった日本の法人さんで、支社がマレーシアにあって、マレーシアの復旧会社では復旧できず、支社の部長さんが日本にハードディスクを持ってきたことがありました。

安藤:
メール問い合わせですと、海外在住の日本人の方からのお問い合わせは多くあります。

G:
海外からの依頼にも対応可能なのでしょうか。

安藤:
ハードディスクさえ届けば、基本的には同じ作業なので、輸送さえできれば対応できます。

G:
バッファローやアイ・オー・データなどが計画停電でNAS(ネットワーク対応HDD)が故障する可能性があると警告していましたが、実際に影響があったのかをお聞かせ下さい。

安藤:
3月後半は計画停電の影響で故障したRAIDがかなり多かったですね。RAIDは停電になるとどうなるの?

趙:
RAIDは停電になると物理障害も出ますし、論理障害も発生します。RAIDは頑丈なものだという認識が皆さんあるんじゃないかと思いますが、実際には弱い部分もあります。停電になるとけっこう壊れやすいですね。読み込んだり書き込んだりする時に停電になると、データの照合性がズレてしまって、このズレが発生することによって、データが読み込めなくなったり、RAIDが崩壊したりしてしまうんです。


G:
停電でRAIDが壊れてしまったというのは、UPSなどにつないでいなかったということなんでしょうか?

安藤:
UPSにつながっていなかった場合も多いですね。

安藤:
UPS自体の使い方が誤っていたという場合もあります。UPSが持続するのは数分なので、自分が停電で慌ててしまうと、ちゃんとした操作ができなかったりすると思います。なので、停電になったら電源を切るような設定をしておかないといけないんですが、それをしていなかったために、UPSにはつないであったけれど故障してしまったという場合もありますね。

G:
なるほど、そういった場合もあるんですね。例えば停電で論理障害が発生した場合、軽い障害であればすぐに復旧できたりするんでしょうか。

趙:
そうですね、RAIDでも軽い障害であれば、1日で復旧できると思います。

安藤:
お値段はものによってかなり差が出てしまって、数万円で済むものもあれば、数十万円のもの、場合によっては数百万円というものもあります。数百万円かかってしまうのは、かなり容量が大きかったり、障害状況がすごく難しかったり、特殊なファイルシステムの場合ですね。あとは壊れている本数の問題もあります。全部物理障害が発生していると難易度が高いので。非常に稀ですが、過去にはRAIDで8本全部物理障害という例もありましたね。RAIDの意味がまったく無いという(笑)

数本~十数本という感じで、幅広く使われているのがRAIDなので、壊れた本数によって金額はやっぱり上下しますね。


G:
データ復旧の料金体系というのは、素人からすると分かりにくい部分かと思うんですが、目安になるようなものはあるんでしょうか?

安藤:
障害の程度にもよりますし、ハードディスクのメーカーによっても違ってくるので、なかなか一概には言えないんですよ。

G:
メーカーによっても変わってくるんですか。

安藤:
メーカーによって難易度も違ってきますね。あとは部品が特殊なものであったり、入手困難なものだったりすると、それによっても金額が上がってきますので。

G:
そうすると、いろんな所に電話をして金額を聞いても、それが妥当な金額かどうか判断するのは難しいということですね。

安藤:
料金だけで見ると、安全性にも疑問が出てきて、一回復旧会社さんを経由すると状態が悪化することもありますので。本来であれば、直接日本データテクノロジーに届いていれば復旧できたはずのものが、一回他社さんで復旧作業を行ったがために、データが戻らなくなってしまったという例もあります。RAIDだとリビルドされたり。

趙:
先日あった例で、他社でリビルドをしてしまってから日本データテクノロジーに持ってきていただいたのですが、かなり状態が悪化していました。一部のデータを取り出せる可能性はありますが、全部のデータをキレイに復旧するというのは難しくなってしまいます。


G:
単純に安いからという理由で会社を選んで、かえって損をしてしまうということもあり得るわけですね。

安藤:
1件目がかなり重要だと思います。機器、症状も含めて、いろいろな実績があるところが一番良いと思いますね。数の少ないところだと、チャレンジしてしまうこともあるんですね。これで直るかも、という感じで触ってしまうところもあるようなので。

データ復旧の会社というのは、規模の大小が激しくて、パソコン好きの方が最初は個人で始めたという会社も多いんですね。機械が好きで、直すのが好きで、という方が復旧する場合、やっぱりちょっとチャレンジしてみたくなりますよね(笑)

G:
小規模な会社で試してダメだったから日本データテクノロジーさんにお願いする、という場合もけっこうあるんですか?

安藤:
多いですよ。近くのパソコン修理店に出したものであったり、他社では復旧不可になったものが、日本データテクノロジーでは出来たというのも多いです。2社回ってダメだったものを復旧できたという例もあります。

大手のグループ企業さんの事例があるんですが、子会社さんのPCが壊れてしまって、営業さんがご自身で何社か回ったけれど復旧できず、諦め半分で会社のIT部門に問い合わせたところ、日本データテクノロジーなら直せるんじゃないか、ここでダメだったら諦めてと言われたそうで、私たちにご相談いただいて、かなり難しい事例で全てのデータは復旧出来なかったのですが、一部大切なデータの復旧に成功した、ということもありました。これは日本データテクノロジーのホームページにインタビューも載せさせていただいています。

そういった意味でも、どんな会社に依頼するかというのは、重要なところですね。

G:
変わった問い合わせみたいなものはありますか?

安藤:
まれにですが、ハードディスクを交換した後に、元のハードディスクのデータを復旧したいというお問い合わせがありますね。さすがに元のハードディスクが無いと復旧しようにもできないですね……。

Hotmailなどのウェブメールの内容を復旧したいというお問い合わせもたまにいただきます。それはハードディスク上のデータではないので、ちょっと復旧はできないですね。逆に、詳しい方は本当に詳しいです。保守管理会社さんからのご依頼も多いので。

趙:
ここまでやったよという現状のレポートが添えられていたりする時がありますね。

G:
そういったものがあると、やっぱり作業も早くなるのでしょうか。

趙:
そうですね。早くなります。

G:
ハードディスクであれば、ビデオカメラなども修復は可能ですか。

安藤:
そうですね。ビデオカメラなどは最近多くなってきています。その他もハードディスクであれば基本的には大丈夫です。ファイルシステムが違ったりすると、難易度は違ってきますが。

G:
HDDレコーダーだと難しいとか、そういった違いはありますか?

趙:
レコーダーだと、著作権関係で暗号化がかかっていて難しい部分があります。全部はまだ直せないんですが、研究しつつですね。

安藤:
レコーダーでも、自分で録ったものであれば問題無いですね。テレビ番組のデータとかだと、ちょっと変わってきます。

G:
だいたいどういった種類の依頼がメインなのでしょうか。

安藤:
個人のお客様で一番多いのが写真のデータで、次に多いのが音楽、その次が動画ですね。

G:
個人で復旧を依頼する場合、数万円からの費用というのはかなりのものだと思いますが、それでも依頼する人がいるんですね。

安藤:
音楽に関しては、ものすごい量のデータを入れている人がいらっしゃるので、それをもう一度入れる手間と、レンタルなどが入っていた場合はその費用も考えて、復旧した方が安く上がる場合も多いようです。

趙:
100GB全部が音楽ファイルだったこともあります。

G:
最近はSSDを使ったノートパソコンが普及し始めていると思いますが、SSDの復旧は可能なのでしょうか。

趙:
論理障害に関してはハードディスクと変わらないので可能です。OSとかファイルシステムは同じですね。

安藤:
物理的には構造がまったく違うので、現在は対応していない状況です。部品交換で直るようなものでもないので。SSD自体が実際にはまだ普及していないので、今後の対応については市場との兼ね合いを見つつですね。現状でSSDは月に10件以下です。

G:
問い合わせの中で、どのくらいの割合の方が実際に初期診断の依頼をされるのでしょうか。

安藤:
私たちが対応しているハードディスクの復旧のご相談の中からなら8割くらいですね。やはり、こちらから「これどうですか?」と言って売る商品ではなくて、お客様が既にお困りでお問い合わせいただいているものなので、かなりの割合で診断までご依頼いただきます。

あとは、他社さんとお電話の段階で比べていただいても、日本データテクノロジーはかなり詳しく丁寧にご説明できるので、そういった意味でもお問い合わせから実際にご依頼いただく割合は高くなっていると思います。

他社さんだと「とりあえず送ってください」という所もあるんですが、日本データテクノロジーだと、まずお話を伺って、「多分こういう原因で壊れているんじゃないでしょうか」というところまでご説明しています。また、その原因であればこの金額でこのくらいの期間がかかりますというご案内もしています。本当にただ「壊れています」だけでは難しいですが、壊れる前の状況をご説明いただければ、そういったお話ができますので。

G:
USBメモリやSDメモリカードなどの復旧は対応しているんでしょうか?

安藤:
USBメモリのお問い合わせはけっこうな数でいただくんですが、そこに対応していると数が膨大になってしまうので、お断りさせていただいています。SDも同じですね。一時期携帯電話のお問い合わせも増えたんですが、スマートフォン、iPhoneなどもお断りさせていただいています。

やはりハードディスクというのは記録媒体の中でも極めて精密な機器で、復旧にも高い技術が必要とされるんですね。せっかくその技術を持っているので、ハードディスクに特化していきたいということで。

G:
メーカーによって復旧の難度も違うというお話がありましたが、故障が多いところというのもあるんでしょうか。

安藤:
モデルなどによっても違いますが、やはりメーカーによっても変わってきますね。シェアが大きいところはやはり故障も多いですが。


G:
2009年にハードディスクのファームウェアに致命的な欠陥があったことが明らかになったSeagateはどうなのしょうか。

安藤:
その不具合は有名になりましたが、逆にSeagateはそれくらいで、他の不具合は少ないですね。やはり普及している数が全然違うので、普及数が多いものは多く入ってきますね。やはり市場に出ている数が多いものほど、障害に遭遇する数も多いので。

G:
ハードディスクが壊れないように、個人で気をつけるべきことはありますか?

安藤:
そうですね、一番はやはりバックアップですね……。それ以外に無いですね。

G:
やはり個人で依頼する人は、バックアップしていなかった、あるいはバックアップしようと思っていたけど忘れている内に壊れてしまったという場合が多いんでしょうか。

安藤:
そうですね、法人様の場合でもそうです。逆に個人RAIDも最近は増えてきています。値段も下がってきていますので。

G:
なるほど、壊れるのはもう仕方がないので、壊れても大丈夫なようにしましょう、と。

安藤:
あとは、やっぱり気温の高いところに置いておくのは良くないですね。気温の高いところだと、データを記憶しているプラッタの表面が変形してしまったり、データを読み込むヘッドの先端が変形してしまったりということがあります。見えない誤差の範囲ですが、極めて精密な機器なのでそれが致命的な障害につながってしまうこともありますね。


G:
低温では大丈夫ですか?

趙:
低温は大丈夫ですね。北海道とかでも大丈夫だと思います。適温っていうのはあると思いますが、低い分には大丈夫でしょう。

安藤:
ゴールデンウィークなど、長期連休明けなどは、RAIDのお問い合わせが増える時期でもあります。連休中にサーバーが動いているのに冷房が止まっていて、熱でやられてしまうということがよく起こります。

趙:
法人さんの急ぎのRAIDだけで一日十数台入ってくることもありますね。

安藤:
特に今年の夏は停電も懸念されますし、節電でエアコン自体の使用を自粛する動きなども考えられるので本当に気をつけていただかないと、故障してしまう可能性がありますね。もし日中に冷房が使えなくなってしまったら、もうどうしようもないので、夏までにバックアップを済ませてくださいとしか。

G:
震災当時、日本データテクノロジーの社内では復旧を依頼されたHDDが落下するという事態は起きなかったのでしょうか?

安藤:
皆で棚を押さえたりしたので、幸い一台も落下しませんでした。その日も皆、余震が続く中20時くらいまで作業していて、次の日も普通に営業していたんですが、気づいたらもう、ものすごく忙しくなっていまして。依頼件数も平常時の1.5倍くらいになっていたので、復旧技術チームは3月中すべて休みを返上して、対応に当たっていました。

趙:
4月7日の余震でも岩手などで大規模な停電が起こったり、落下が発生したりしているので、そのたびにご依頼が増えている状況ですね。やはりハードディスクは消耗品であると考えていただいた方が良いです。

G:
ハードディスクは消耗品ですか。ハードディスクの寿命というのは、だいたいどれくらいなのでしょうか。

安藤:
3年~5年で、3年経ったら買い換えを考えた方がいいと思います。


G:
3年というのは、通電しないで置いておいても劣化してしまうものですか? あるいは、ONとOFFのタイミングで劣化するとか。

安藤:
ONとOFFを繰り返すのは良くないですが、まったく通電しないで置いておく分にはそれほどの劣化はしないと思います。あとは温度と、非常に精密な機械なので、ロットによって多少の違いは出てくると思います。

G:
技術的に新たに出来るようになったことなどはありますか?

安藤:
ただいま研究中のものがありまして、もう少ししたら発表できると思います。現時点で復旧が不可能と診断されたものでも、もしかしたら復旧が可能になるかも知れません。

技術的なところでは、かなり技術研究に力を入れていまして、これまでは自分たちで研究する部分は大きくなくて、専門の研究者に教わりながらやってきたんですが、現在は私たち2人が中心になって自社で独自の研究を進めていまして、新しいものが直せるようになってきています。これまでどこの会社でも対応できなかったような障害の中でも、対応できるような目処が立ちつつあるものもあります。

G:
現時点で復旧できないものも、諦めずに大切に保管しておいてください、ということですね。

安藤:
海外との技術交流も行っていて、そういう場に出る度に「これ直せますか?」って聞くようにしてるんですね。アメリカのトップの会社さんともコンタクトを取って、技術交流を持つようにしています。そういうときは、お互い探り合いですね。向こうからも聞かれたり、はぐらかしたり。

やはり技術は繊細な部分なので、たとえ海外の会社であってもそこはオープンにはしません。

G:
アメリカのトップ企業と比べて、技術的なレベルとしては差があるものなのでしょうか。

安藤:
技術的にはほとんど変わらないと思います。普及しているモデルの違いで、症状に偏りがあって、地域ごとに特化した技術というのもあるんですが、総合的に見ると並んでいると思います。


安藤:
カナダのトップ企業の社長さんが日本データテクノロジーに来社して技術交流会を行った際は、普通に話をしている時は穏やかな表情だったのが、復旧現場の見学の際、設備や技術者たちをチェックしている時は、非常に厳しい表情でした。最後に「数名「技術者を誰か連れて帰りたい」と言われましたね(笑)

G:
ありがとうございました。

データ復旧|PC・サーバー・RAID機器のハードディスク復旧ならデータ復旧.com
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in インタビュー,   ハードウェア,   広告, Posted by darkhorse_log

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