まるで実写、海外製ゲームエンジン「CryEngine3」の技術力がどれだけすさまじいかが実感できるムービー
昨今のゲーム開発の中枢を担うのがいわゆるゲームエンジンと呼ばれるもので、日本ではFF13で使われたスクウェア・エニックスのCrystal Tools、「デッドライジング」「ロストプラネット」「デビルメイクライ4」「バイオハザード5」で使われたカプコンのMT Frameworkが有名です。
一方海外ではこういったゲームエンジンを他社へ供給する企業が存在しており、中でも「CryEngine3」はリアルタイムにハイクオリティで美麗なグラフィックをWindows・Xbox360・PS3の3つのプラットフォームで動作させるというとんでもないものとなっており、「これであのゲームを作ったらすごいことになりそうだ」と妄想が膨らむような内容となっています。
実際にどれだけハイクオリティで、技術力がすさまじいのかがわかるムービーは以下から。
CryEngine 3 Video Game, GDC 11: Exclusive Tech Showcase HD | Video Clip | Game Trailers & Videos | GameTrailers.com
YouTube - CryEngine 3 GDC 11: Exclusive Tech Showcase
事前にレンダリングされたムービーではなく、リアルタイムでこのクオリティ。
FF13などでもあらかじめ作ってあるムービーシーンとリアルタイムにレンダリングされる戦闘シーンや移動シーンとではグラフィックのクオリティに差がありましたが、CryEngine3だとこのレベルまで行くことが可能。
このクオリティでリアルタイムな戦闘シーンができる、つまりユーザーが自由自在にキャラクターを操作できるのだ、ということです。
開発はこんな感じで行います
左が結果画面、右が動きを付ける部分の画面
カメラアングルも動きもすべてリアルタイムの開発が可能、これはムービーを見た方がわかりやすいです。
これもリアルタイム
照明の効果も目の前で確認可能
個別に色のコントロールを行う「3D LUT」にも対応
被写界深度、いわゆる「ボケ」も自由にコントロールできます
さらにこれがすごい、役者が演技した内容もリアルタイムにモーションキャプチャすることが可能
役者が動けばゲーム開発画面内のキャラクターもその通りに動くため、よりリアルなゲーム作成が可能となります
いわゆる3Dにもバリバリ対応しており、特にこれだけリアルさを追求するゲームエンジンだと、なかなかおもしろいことになりそう。そのほかにもいろいろ対応。
このレベルのグラフィックがあらかじめ作られた「ムービー」ではなく、コントローラーを使って操作できるゲームになるのだ、というのがすごい点。
ちなみに上記は最新のCryEngine3のデモで、いわゆる劇場映画クオリティでも使えるようになるよ、というもの。
では実際に家庭用ゲーム機やWindows搭載PCではどうなるのかというデモムービーがこれ。
YouTube - CryEngine 3 at GDC 2010
まずはリアルタイムライトニング
家庭用ゲーム機、PS3やXbox360でこのレベルを実現
さらに秀逸なのがいわゆる物理演算
目に見えるあらゆるものに当たり判定を付けて破壊が可能になります。たとえばこれはビルの窓ガラスを銃で撃って破壊するところ。
上からビルの破片などが地震で落ちてきて、さらに目の前にあるものを撃って爆破するというようなことも可能。
人工知能もかなり賢く、撃たれた場合にはそのようなモーションで動かせたり、ちゃんと賢く人間っぽい反応速度であったり、いろいろできます。
PC向け・Xbox360向け・PS3向けの3機種対応の開発が一気に可能で、一度作ってしまえば割と簡単に各ゲームプラットフォームで動作させることが可能。
そして、まるで生きているかのような表情をキャラクターに与えることができます
また、リアルタイムにPS3やXbox360でどれだけのクオリティで動かすことができるのかを紹介するムービーが以下にあります。
YouTube - CryEngine 3 In HD (long version)
ちなみにこれがCryEngine3でリアルタイムに動き回れるフィールドの例。まさに仮想世界の中を縦横無尽に走り回れる感じです。
こういうリアルさを求めて追求していく方向では海外の専用ゲームエンジンの方が一枚も二枚も上手であり、日本のゲーム開発はこういうのとはまた違う方向での生き残りを模索する必要がありそうです。
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