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ピンクの薬は甘く青い薬は苦い?錠剤の色が効き方までも左右する可能性


近年の研究により、薬剤の味や色、形状や名前までもが、患者がその薬に対して抱くイメージに影響することがわかっています。いかにも「効きそうな」名前や見た目にすることができれば、効果をブーストしたり副作用を抑えることなども可能なのではと期待されるそうです。

インドで市販薬の購入者を対象に行われた調査により、実際に錠剤の色が患者の選択を大きく左右すると判明し、色に影響され形成された薬に対する「好み」により、効き方までも変わってくるのではないかと示唆されています。


詳細は以下から。The color of medicine

ムンバイ大学のR.K. Srivastava博士らは、薬局で処方せんなしで買える市販薬の購入者600人を対象に、錠剤の「色」が消費者の選択に与える影響を調査しました。論文はInternational Journal of Biotechnology誌に掲載されています。

調査によると、75%の人にとって薬の色はコンプライアンス(用法・用量を守って定められた時間に忘れずに服用すること)につながる記憶のタグとなっていて、ほかの色と比べ赤やピンクの薬を好む人が多いそうです。また、患者が薬の「味」に対し抱く印象が色によって左右されることも判明しています。

実際の成分とは関係なく、黄色い錠剤は「塩味がする」と感じる人が多いそうです。


14%の人が、ピンクの薬は赤い薬と比べ「甘い」と感じるとのこと。


11%の人は青や白の薬は「苦い」というイメージを持っています。


10%の人がオレンジの薬は「酸っぱい」と感じているそうです。


中高年では赤い薬を好む人の割合が若い世代の倍で、男性より女性の方が赤い薬を好むとのこと。


今回の調査結果は、対象とする年代や性別ごとの市販薬のマーケティングに役立つと見られるほか、患者がその薬に対して抱くイメージがコンプライアンスに大きく影響することを考えると、薬剤の色を工夫することによって治療効果を高めることができる可能性を示唆しています。「苦い」「酸っぱい」「色が嫌い」といった理由で「薬を服用する気になれない」という患者や意図的・無意識にかかわらず「飲み忘れる」患者が多ければ、見た目を改善することで用法・用量を守る患者が増え、結果的に「効く」ようになるというわけです。これは、処方薬についても同様の可能性があるとのこと。

「患者が薬を自己投与する際には毎回、錠剤やカプセルをのみ込んだり、液体を飲んだり、クリームや軟こうを塗布するといった知覚的な経験をし、これらの知覚的な『儀式』は、患者が感じる治療効果に影響します」とSrivastava博士は語っています。薬の見た目や味、においや触感など、投薬の際に患者が知覚するすべての要素を組合せ、肯定的な認識を得ることによって、薬の効果を補足することも可能なのではないかと研究者たちは示唆しています。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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