メモ

人はなぜうわさ話がやめられないのか?

by schmetterlinh

今も昔もうわさ話のたぐいは絶えることがありませんが、なぜ人はこんなにもうわさ話が好きなのかということについて、さまざまな専門家の立場から分析がなされています。

芸能人のゴシップから隣の人の生態まで、うわさの種になるものは尽きることがありませんが、むしろ尽きることがないのは話題ではなく、人間のうわさに対する欲求かもしれません。また、その欲求は社会的なコミュニケーションに関係があるようです。

Why Do People Gossip - Relationship Tips at WomansDay.com
http://www.womansday.com/Articles/Family-Lifestyle/Why-We-Love-to-Gossip.html

◆人がうわさを好む理由


「人は常に謎を解こうと調査をしているのです」と、アルフレッド大学哲学科のエムリー・ウェスタコット教授は語ります。他人が一体何を考えているのか、本当のところを知ることは誰にもできないため、対象となる人物に直接聞いてみたり、身辺の情報を収集したりして、まるで素人探偵のような行為をするのは、相手の真意を探ろうとすることにほかなりません。

一方、ウェバー州立大学でコミュニケーション学を教えるスーザン・ハーフェン教授は、「その内容がうわさであったとしても、会話は人間が他者と親交を深めるための重要な方法の1つです」と、うわさ話の重要性を示唆します。


無難な話題はいろいろとありますが、うわさ話以上に興味をそそる話題はなかなかなく、自制がきかないこともよくあります。うわさを立てるのは、人間のDNAの一部に組み込まれた、生存本能のようなものかもしれません。「何かについてうわさすることは、複雑な社会ネットワークを航海する手段でもあります」と、オックスフォード大学の認知・進化人類学研究所の所長であるロビン・ダンバー教授はコメントしています。

人がうわさ話に興じるのは、自分たちの存在を他者に知らせるためでもあります。例えば、お隣の人の不審な行動について話題にした際、それに対する見解を提示することで、自分の道徳心を見せつけることができます。同時に、周囲の人のうちの誰と意見が一致するか確かめることもできます。うわさ話に花を咲かせることで、自分の価値を改めて表現し、またそれを周りの人と共有しているのです。

◆うわさのよい面

by lovestruck.

うわさ話をすることでドーパミンのようないい気分になる脳内化学物質が放出されます。近年行われたミシガン大学の研究によれば、不安やストレスを和らげるプロゲステロンのレベルも上昇することも分かりました。

うわさ話を交わすことで、人と人との結びつきは強くなります。また、仕事の場では、うわさの出所を把握しておくことで、自分の身を助けることにもなるかもしれません。同僚と上司への不満をはじめとしたさまざまな事柄について話して情報網を形成しておくと、例えば急な一斉解雇のうわさなども早い段階で仕入れることができ、迅速に対応が可能です。

ウェスタコット教授は、「公にされない情報についても、ルートを確保しておくことで知ることができます。知る必要のある情報は、しばしば公的なルートが用意されていないものです」とも語っています。

また、うわさは秩序をもたらします。2004年にフロリダ州立大学が行った研究によれば、うわさはどんなことが「正常」なことで、世間から期待されている振る舞いはどんなものかということを示し、それらと反対の行動を取らないように行動規範を指し示す役割を持っているそうです。

ウェスタコット教授によると、「『こんなことをしたらうわさの種になってしまう』と事前に気づくことで、社会的に許し難い振る舞いを犯してしまうのを防ぐことができるのです」ということで、社会的な規範を自然と伝えるツールにもなっているようです。

◆うわさの悪い面

by Jaboney

当然のことではありますが、悪意のあるうわさは有害なものです。ウェスタコット教授が語るように、うわさは排他的であるだけでなく、対象となった人物の評判をおとしめてしまうことも往々にしてあります。

また、メールやFacebook、Twitter、そしてYouTubeといったネットツールによって、うわさは高速に、かつ広範囲に広がっています。マカンドリュー教授によると、「通信技術は、それを管理する私たちの能力よりもずっと高速になっている」とのことですが、コメントされるまでもなく、実感として分かっている人も多いかもしれません。

365日いつでもネットにつなぐことができるようになったことでうわさが以前より多くなったかどうかは、測定が困難であると専門家は語ります。ただ、明確な変化として、人々が全面的に情報を共有するようになったことが挙げられます。

「許容できるプライバシーのしきい値は変化しています」とウェスタコット教授が語ります。「年上の人々は、若い人たちが公の場でプライバシーをさらけだしている様子を見て驚くことは少なくありません。」

この傾向は実生活の問題につながることも十分考えられ、例えば酔っぱらった他人の写真をインターネット上の何らかのサービスなどに投稿することで、写真の主が仕事を失ったり、大学合格を取り消されたりすることもあり得ます。実際に、インターネット上のコミュニティーを追い出された後に自殺をしてしまった人もいます。

こういった悲しい問題を起こさないためにできるのは、自分で自分を検閲してみることです。マカンドリュー教授は、「少しでも疑問に思ったら、行動を慎んでください」と、軽はずみな行動をしないよう警告しています。「いつでも情報を共有することはできますが、いったん発言してしまったら、それを取り消すことはほとんど不可能です」

新鮮でこれから話題になるであろううわさを耳にしたからといって、それを言いふらす義務などありません。発言する前に、自分がうわさを広めることによるプラス面とマイナス面をきちんと考えてみてください。

うわさの内容がゆかいな話題になりうるか、あるいは誰かを傷つけてしまうのか自分に問いかけて、出した結論に従って行動することが大切です。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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