スター・ウォーズの世界を現代物理で解明できるのか?


映画「スター・ウォーズ」でジェダイやシスの暗黒卿が使うエネルギー「フォース」は、敵を攻撃したり敵からの攻撃を回避したりするのに用いられ、スター・ウォーズのバトルに欠かせないアイコンになっています。フォースに限らず、さまざまな力や現象がスター・ウォーズの世界では見られますが、ウィニペグ大学のクリストファー・ウィーブ教授は「Star Wars Physics: Could the 'Force' Actually Exist?」という題名のエッセイで、「フォースとは何なのか?」を物理学的な視点から解明しようと、いろいろな考察を行っています。

Star Wars Physics: Could the 'Force' Actually Exist?
https://www.livescience.com/61177-could-star-wars-force-exist.html

オビ=ワン・ケノービはフォースについて「私たちを取り囲み、貫き、銀河を1つに束ねているもの」と語りました。この言動から、ウィーブ教授は、現代物理学で認められている4つの基本的な力である「重力」「電磁力」「強い力」「弱い力」のどれかだろうか?という考察から、フォースの解明を始めています。もちろんこれらのどれでもないというのがウィーブ教授の結論です。

スター・ウォーズの世界を現代物理学で解明するのに大きな問題となるのは、ヨーダやルークが遠く離れた距離を通信したり、念力で物を動かしたりできることです。これらは現代物理学では解明が困難だとのこと。アインシュタインの相対性理論は、「通信速度」に大きな制限を課しています。つまり、光よりも速く通信できないため、遠くのオルデランの住人にデス・スターからの攻撃に備えるように警告を発しようとしても、常に遅れてしまうはずだというわけです。


光よりも速く遠距離に伝達できる「情報」として量子力学のトリックを活用できないかについてもウィーブ教授は考えており、「量子もつれ(エンタングルメント)」を取り上げています。二つの粒子が重ね合わせ状態を形成しているときに、一方の状態が観測されればもう一方の状態が決まってしまうエンタングルメントであれば、はるか遠くの場所でも情報が伝わるかもしれないというわけです。しかし、量子エンタングルメントの効果は、日常生活上で扱う物体に対してはとてつもなく小さなものであるという点が難題として立ちはだかります。

結局、スター・ウォーズの世界を現代物理学で説明することは難しく何一つ結論は出ないのですが、「フォースの背後には真実がある」というケノービの意見にウィーブ教授は賛成だとのこと。つまり、視点を変えて物事を見るのが大切で、「フォースを『すべての生き物によって作り出されるエネルギー場』というアイデアはどうだろうか?」と述べ、「quantum biology(量子生物学)」などの次々と現れる新しい物理学的知見が、スター・ウォーズの世界を説明できることに期待しています。

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in サイエンス,   映画, Posted by logv_to