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ソフトバンクモバイルが2010年冬春モデルを発表、下り最大42Mbpsの「DC-HSDPA」サービスも


10月25日にお伝えした通り、本日ソフトバンクモバイルが2010年冬春モデルとなる携帯電話の新機種を発表しました。

ちょうど1ヶ月前にあたる10月4日にKDDIが発表したシャープ製スマートフォン「IS03」を皮切りに、携帯電話各社によるAndroidスマートフォン合戦の火蓋が切って落とされた感がありますが、ソフトバンクモバイルはシャープ製をはじめとした複数のAndroid2.2スマートフォンや下り最大42Mbpsの通信サービスを投入するとのこと。

詳細は以下から。
■Androidスマートフォン5機種、Androidタブレット1機種を含めた2010年冬春モデルが発表されました。なお、Androidのバージョンは全機種2.2となります。
ソフトバンクモバイルが2010年冬春モデルを発表、複数のAndroid2.2スマートフォンやAndroidタブレットが登場


■世界で初めて裸眼3D液晶を搭載したAndroidスマートフォン「GALAPAGOS 003SH」のフォトレビューをお届けします。
世界初となるシャープ製「3D」Androidスマートフォン「GALAPAGOS 003SH」超速攻フォトレビュー


■「GALAPAGOS 003SH」にスライド式QWERTYキーボードを搭載した「GALAPAGOS 005SH」も登場。快適な文字入力を楽しみたいユーザーにとっては非常に良いモデルなのではないでしょうか。
3D対応でQWERTYキーボード搭載のAndroidスマートフォン「GALAPAGOS 005SH」超速攻フォトレビュー


■安価なエントリーモデルとして、Huawei製のコンパクトなAndroidスマートフォン「004HW」が投入されます。
コンパクトで安価なAndroidスマートフォン「004HW」超速攻フォトレビュー


■下り最大42Mbpsの「DC-HSDPA」サービスを開始予定。通信速度やエリア面でNTTドコモのLTEサービス「Xi(クロッシィ)」を上回るそうです。
ソフトバンクモバイル、42MbpsのDC-HSDPAサービス「ULTRA SPEED」を開始へ


■安価なエントリーモデルであるにもかかわらず、十分な性能を兼ね備えたZTE製のAndroidスマートフォン「Libero 003Z」も投入される予定。
安価で充実した基本性能、3ヵ国語対応のAndroidスマートフォン「Libero 003Z」フォトレビュー


■国内最大のディスプレイを備えたAndroidスマートフォン「HTC Desire HD SoftBank 001HT」がお披露目されました。
国内最大ディスプレイのAndroidスマートフォン「HTC Desire HD SoftBank 001HT」フォトレビュー


■フォトレビューに続いて、世界初の裸眼3D液晶搭載Androidスマートフォン「GALAPAGOS 003SH」をムービーでレビュー。
世界初の3D対応Androidスマートフォン「GALAPAGOS 003SH」ムービーレビュー


■5インチの液晶を搭載したAndroidタブレット「DELL Streak 001DL」が登場。
スマートに使えるサイズのAndroidタブレット「DELL Streak 001DL」フォト&ムービーレビュー


■「Android 2.2」と「Android 2.1」の差はムービー比較すると歴然です。
「Android 2.2」と「Android 2.1」の差がどれだけ大きいかが分かる実演デモムービー


発表会場で行われた質疑応答は以下。

フリー高尾:
今回はAndroidを重点的に投入していますが、ソフトバンクにおけるiPhone、iPad、スマートフォン、従来のケータイの販売比率について教えてください。

孫:
先ほど申しましたようにiPhoneが圧倒的ナンバー1であることは揺るぎないと思っています。iPhone、iPadを最重要機種として売り続けますが、iPhone以外のものを求めている人向けにもAndroid端末を用意しました。従来型の機種の比率は減っており、ますますそうなっていくと思います。

フリー高尾:
Androidと従来型の携帯だとどちらが(販売比率は)上なのでしょうか?

孫:
出鼻はやはり従来型のものが若干多いかもしれませんが、来年になると、新しいものを買う人、特に若者はスマートフォンに一気に移るのではないかと思います。

フリー藤井:
ウルトラスピードについて伺いたいのですが、もともと普通の携帯のトラフィック対策で使うようなニュアンスでしたが、今はどのような形で取り組んでいるのでしょうか?また、ウルトラスピードはどのタイミングで端末などの展開をするのか教えてください。

孫:
今回はポケットWiFiやドングルという形になりますが、一般の携帯にも来年から対応機種が続々と出てくるとご理解いただければと思います。

フリー藤井:
従来の携帯に関しても、1.5GHz対応を進めていくのでしょうか?

孫:
はい。

媒体名聞き取れず(モバイル)
スペック表にはなかった緊急地震速報という機能について、今回発表した機種にも搭載されているのでしょうか?他のキャリアでは積極的に導入されている一方、ソフトバンクではあまり積極的に取り入れてこなかったものだと思いますが、今後この機能についてはどのような取り組みを?

孫:
今はネットワーク側の対応を急いでおりますが、ほぼめどが立ったので、来年から緊急地震速報対応の機種も増やしていく予定です。


東洋経済・桑原:
ソフトバンク先行のサービスやアプリが多く発表されましたが、こういったサービスやアプリでの差別化はフィーチャーフォンの時代よりも多くなってくるのでしょうか。

孫:
先ほどから申しているようにiPhoneがこれからも圧倒的1位だと思っているわけですが、今現在日本円で買えるAndroidのアプリは5000種しかありませんが、iPhoneアプリは20万種類くらいある。Androidにはたくさんアプリがあるように思われますが、日本円で買えるものは少ないんです。日本円で買える日本人対応のアプリを用意するのが重要で、コンテンツのソフトバンクだからこそ、docomoさんやauさんに先んじて品揃えをしていきたい。iPhoneやiPadが優れている点として、やはり日本円で即ワンクリックで買う体勢が整っているところがあると思います。

フリー石川:
Android2.2を積極的に採用していますが、Android2.2に標準搭載されているテザリングについての対応はどうしていくのでしょうか?

孫:
現時点ではコメントできません。ソフトバンクは仮に将来に向けてやることがあったとしても、直前まではコメントしないのがやり方で、それがソフトバンク流なんです。

クレディスミス早川:
DC-HSDPAは発熱やバッテリ駆動時間の問題が指摘されていましたが、ルーターで大体どれくらいの連続稼働が可能なのでしょうか。それと、熱の問題はどれくらい解決しているのでしょうか?また、データ通信料金はどのようなものを考えていらっしゃいますか?

孫:
それらについてはまた別途、手元に(資料を)持ってますのでまたコメントします。基本的には商品を発表したくらいなので、問題だと言われてきたものに対しては十分に利用可能だという判断ができるところにまで改善できたと考えています。料金は今この場では覚えていないので別途お話させてください。

NHK林:
スマートフォンの機種の販売目標台数はありますか?例えばdocomoさんは100万台としているが、他社さんとの比較をした場合でも。

孫:
ソフトバンクは常に台数などを言わない方針です。少なくともスマートフォンの世界では、iPhoneやiPadを合計すると他の2社の合計より多いのではないかと。いや、iPhoneだけで他の2社の(スマートフォン販売数の)合計より多く、圧倒的です。しかし具体的な数量だとか、今回のAndroidの数値についてはコメントできません。

朝日新聞・村瀬
電子書籍事業について、ドコモやauは印刷会社と協力して取り組んでいますが、御社はそのようなやり方はしないのでしょうか?また電子書籍はアプリや作家自身が立ち上げるなどいろいろな方面から出てきているが、最終的にはどのような形に落ち着くとお考えですか?

孫:
さまざまなところとの提携というのは、水面下で進めています。ただ、発表しているもの以外についてはコメントしないといういつも通りの方針でいます。(取扱部数)10万冊以上というのは目標ではなく、確定した数を発表させていただきました。他社さんも目標としてはかかげていらっしゃいますが、目標数値ではなく実現したというところでより多く取りそろえているのではないかと思います。


フリーランス三輪
Androidマーケットの課金についてなのですが、有料配信になっているアプリすべてに対応するのでしょうか、ソフトバンクカテゴリに入っているものだけが対象なのでしょうか?

孫:
全部です。

ケータイwatch・津田
今回発表した機種は型番がスマートフォンもフィーチャーフォンも通し番号に変更されていますが、その意図は?

孫:
大した意味はありません。あんまり深い意味はないです。

フリー日高
先日auさんがSkypeと協力した戦略を発表されましたが、御社もそのような従来の音声通話以外のサービスに興味は持たれているのでしょうか?

孫:
すでにSkypeはiPhoneでもダウンロードできるし、ソフトバンクではすでにやっているという認識です。日本ではまだSkype同士で接続できるお客さんの数は限られていますが、ソフトバンク同士の無料通話はかなり広がってきています。Skypeだから新しいというのではなく、無料通話というものはソフトバンクのお家芸でもあります。BBフォンでオンライン上での無料通話をSkypeよりも先に実現させているという意味でも、Skypeには強い関心を持っています。ただ、それをわざわざプリインストールして料金体系を作るかどうかについては検討中です。


日経PC田中:
スマートフォンのシェアに関して、iPhoneが8割、Android端末が2割という状況で、その2割のところに今回Android端末を7機種投入し、さらに他社との戦いもあるとなるとコスト的にどうなのでしょうか。海外ではAndroid端末が普及してきている状況があるのですが、孫さんの見立てでは今後日本ではどうなると思われますか?

孫:
iPhoneとiPadのすぐれているところは、ハードとソフト、そしていろんなサービスが気持ちよくインテグレートできている点です。そういう意味ではiPhoneとiPadの強みはまだまだ続くと思います。ソフトバンクの主力であることはゆるぎない事実です。従来型の携帯から「iPhoneがあるからスマートフォンにしたい」というお客様が圧倒的に多くなってきています。そういう流れになってきたことだと思いますし、この勢いは圧倒的です。

具体的な数字ではコメントしづらいですが、iPhoneとiPadの圧倒的優位、そして存在感は日本においても続くし、少なくともソフトバンクはそうしていきます。


日経コミュニケーション・堀越:
ウルトラスピードに関して、御社のデータ通信端末は一部イー・モバイルの電波を使っているが、ウルトラスピードに関しても同じような端末があるのでしょうか。

孫:
ウルトラスピードの人工カバーは6割くらいですが、それ以外のところについては、イー・モバイルさんの相乗りしてということは十分考えられます。イー・モバイルさんも我々にとっては重要な戦略的パートナーで、その位置づけは大切にしたい。
3機種すべてではないが対応するものもあります。

エスノックス須衛:
ウルトラスピードについて、通信速度が速いと通信量が多くなるとおもいますが、VOIPなどの帯域制限も検討していますか。

孫:
検討してます。まだ詳しいコメントはできませんが、いろいろな対策を検討しています。

エスノックス須衛:
先日お風呂に落としてしまわれたiPhoneの調子はどうですか?

孫:
ちゃんと元気に動いています。シリカゲルが効いたのかもしれません(笑)

日経新聞・松本
ウルトラスピードに関してなのですが、LTEに関してはどう考えていますか?

孫:
当然のことながらLTEについてもソフトバンクは積極的に考えていますし、さまざまな実験も行って、ベストなタイミングでベストな入り方をしていきます。機能競争などではドコモさんよりは上を行きたいというのが、ウルトラスピードの実現の理由でもあります。そこは手を抜かずに全力で進めていくつもりです。

日経新聞・松本
何が変わればLTEに着手できそうですか?

孫:
先ほども申し上げましたが、戦略的なことには事前にコメントしないのがソフトバンクの主義です。あまり早め早めに言うのは戦略的にどうかなというのが主義だということでご理解いただきたい。


今回はAndroid端末のラインナップを充実させ、さらにハイスピードは人口カバー率は6割を目指すということですが、設備投資は大丈夫なのでしょうか。

孫:
大丈夫です。経営的に力を非常に入れているのは電波のカバー率と通信品質です。毎日そのことばかりを考えて工事も着々と進めています。せっかく場所どりや部材の用意ができても、許認可にやたら時間がかかる現実があるんです。ほかにもNTTさんとの相互のスケジュールの関係もあって、ものすごく時間がかかりますが目標に対して着々と手配が進んでいます。まず来年の3月までに我々の電波改善宣言のところを全速力で改善していくのに加え、ウルトラスピードで速度も上げていく。エリアのカバー率と速度向上の両方をやらなくてはと思っているところです。

ソフトバンクモバイルの2010年冬春モデル公式ページは以下。

ソフトバンク 2010冬 - 2011春 新商品発表 | ソフトバンクモバイル

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in 取材,   モバイル, Posted by darkhorse_log

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