「WindowsよりもAndroid」に、タブレットメーカーがコストの高いWindowsからAndroidへシフト
AppleのiPadに対抗するべく、Googleの携帯電話向けOS「Android」を採用したタブレットやマイクロソフトの「Windows」を採用したタブレット端末の発売を各社が準備する中、それぞれの製造に必要なコストが明らかになりました。
WindowsタブレットはAndroidタブレットと比較して製造に必要なコストが非常に高いという結果となっており、少しでも価格を抑えることで普及を促進したいメーカーにとっては「WindowsよりもAndroid」という事態となっています。
なお、上記画像は東芝が海外向けに発表したハイエンドAndroidタブレット「FOLIO 100」です。
詳細は以下から。
Engineer samples of Android 3.0-loaded tablet PCs to be ready in December
この記事によると、Googleは携帯電話向けOS「Android」の最新バージョンとなる「Android3.0」がまもなく完成し、12月には開発者向けにサンプルが提供される予定であることを、同社と提携しているメーカー各社に告知したことを市場関係者が明かしたそうです。
そして「Android3.0」を採用したタブレット端末は来年1月にアメリカで行われる家電業界の見本市「CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)」において、AcerやASUS、MSIといったノートパソコンメーカー各社からお披露目される見通しであるとのこと。
また、HTCやMotorolaといった携帯電話メーカーも同様の端末を出展すると見込まれており、Samsungはタブレット端末「GALAXY Tab」のAndroid3.0バージョンを出展するのではないかと予測されているため、市場関係者は2011年にはAndroidタブレットのシェアが向上していくとしています。
ちなみにパソコン向けOSとして圧倒的なシェアを誇っているマイクロソフトのWindowsを採用したタブレットについてですが、メーカーが「Android」を採用するためにGoogleに支払うライセンス料金が1台あたりわずか10ドル(約810円)であるのに対して、マイクロソフトは50~60ドル(約4060円~4880円)程度を要求しており、ライセンス料金の違いが製造コストに大きなインパクトを与えています。
さらにWindowsタブレットで採用されるAtomプロセッサをはじめとしたIntel製のプロセッサは、Androidタブレットに採用されるARM製のプロセッサよりも30ドル(約2440円)ほど高く、OSとCPUだけで最大90ドル(約7320円)程度のコスト差が発生するため、メーカー各社はAndroidを選択するようになっているとされています。
日本時間の10月12日未明に発表されたマイクロソフトの携帯電話向けOS「Windows Phone 7」についても、メーカー各社から「リリースされるのがあまりにも遅かった」「OSの要求スペックが高く、普及につながる廉価モデルを作れない」などといった理由から「iPhoneやAndroidに追いつけそうにない」と悲観する声が上がるなど、マイクロソフトのモバイル製品事業は近年今一つ奮わない感がありますが、「使い慣れたパソコンのインターフェース」を武器に、どれだけコスト面の不利をカバーできるのでしょうか。
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