うつやパラノイアに多重人格まで、うつろな目をした「病んでる」ぬいぐるみたち
うつ病や偏執病(パラノイア)、OCD(強迫性障害)や解離性同一性障害(いわゆる多重人格)といったさまざまな精神疾患を患っているという設定の、ドイツ製のぬいぐるみが人気を博しています。
かわいらしいぬいぐるみたちの背景には、「魂を失った消費社会で、甘やかされつつも孤独な人々に、唯一残った友だちはぬいぐるみだけ。フラストレーションをぶつけられたぬいぐるみたちは身を守るすべを持たず、狂気だけが逃げ道だった……」という意外にも奥深い世界観があるようです。
詳細は以下から。Die Anstalt - Psychiatrie für misshandelte Kuscheltiere
甲羅を着脱可能なカメのDub、高さ18cm。
ゆっくりしたペースで生きる動物であるカメのDubは、生き馬の目を抜く世の中に疲れ、深いうつに陥ってしまったとのこと。「Dubがもう一度殻から出て外の世界を楽しめるよう、ゆっくりと手助けしてあげてね」とアドバイスされています。
ガラガラヘビのSly、長さ140cm。
Slyは自分の肉体に対し愛憎がせめぎあう両面的な感情を示していて、ガラガラ代替物(マラカス)への強い興味と合わせると、根の深いガラガラコンプレックスを持っていると考えられるそうです。
ヒツジのDolly、高さ19cm。
Dollyは明らかにヒツジなのですが、一時的に自分がオオカミであるという妄想にとらわれる解離性同一性障害を患っています。
抑圧された自我がオオカミとして出現するようです。これは過去のネガティヴな体験に対するヒステリックな心理的防御反応と考えられるそうですが、現状ではDollyはぬいぐるみとしての自分を受け入れることができません。
ワニのKroko、高さ19cm、全長40cm。
Krokoは妄想性精神病(偏執病)の症状として神経過敏で幻覚的な認知、特にメンタル・ブロック(抑圧による思考の停止、精神的ブロック)や身の回りの物がゲシュタルト崩壊を起こすという症状が現れているそうです。
カバのLilo、高さ19cm。
OCD(強迫性障害)を患うLiloは数カ月にわたり木製のジグソーパズルを解こうとしているのですが、一向に解ける気配はありません。パズルに集中し過ぎてまわりが目に入らず、数ヶ月間誰ともしゃべっていません。しゃべれなくなったこととパズルを解かねばならないという強迫観念には関連があると考えられるそうです。
これらのぬいぐるみは単体が各29.90ユーロ(約3100円)、5体セットが129.90ユーロ(約1万3900円)で販売されています。
ちなみにホームページではミニゲームも用意されています。
クリニックの心理学者Kindermann博士が所用で日本へ行ってしまったため、留守を預かるプレイヤーが博士にかわって患者を治療するという設定。
投薬の様子。
2004年から2007年にかけて発売されたぬいぐるみたちはなかなかの人気を博しているようで、ドイツではぬいぐるみのほかにもキャラクター入りのグラスやクリスマスツリーの飾りといった商品展開もされています。
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