取材

勝負は早朝から始まっている、「富士総合火力演習」一般公開日の壮絶な席取り合戦など演習開始前の風景いろいろ


ハガキ応募による平均倍率が約11.5倍、インターネット応募では約10倍という高倍率で争われた入場券を手にした人だけが観覧できるのが、「富士総合火力演習」の本番とも言える一般公開日。しかしながらチケットを手に入れただけで一安心かと言うとそうでもなく、絶好のビューポイント(シート席最前列、あるいはスタンド席最後列)に陣取るには相当早い段階、明け方ごろには会場に到着していないと難しく、例年早朝から並んでいい席をゲットしようと試みる人は多いのだといいます。

朝5時ごろの演習場近辺には自衛官の人々の姿だけでなく、前方の席を狙って並ぶ人々の長蛇の列がありました。開演までは約5時間ほどあるのですが、その間には装備の試し打ちが念入りに行われるため、長時間待つには過酷な状況ではありますが早朝に来れば来ただけメリットはあるといった感じです。

詳細は以下から。車で会場の東富士演習場を目指します。この写真を撮影したの4時45分ごろ。辺りはまだ薄暗いですが完全な闇ではなく、うっすら白んできている状態。


天気は快晴、富士山のシルエットも会場に近づくにつれてどんどんクッキリと見えてきます。


午前5時を回るか回らないかといったころにはもうこんなに明るく。


会場に到着しました。


富士山の山肌まではっきりと見ることができます。こんなに間近で富士山を見る機会はあまり多くないので、これだけでも移動の疲れが吹き飛ぶ思いがしました。


客席へと移動を始めたところ、そこには長蛇の列が。


「最後尾はこちら」的な札を持った自衛官が立っているなど、早朝の高原とは思えない状況です。


ずらずらずら…と並ぶ人たち。


やっと太陽が顔を出しました。空が街中とはまったく違う表情を見せてくれます。


入場してスタンド席から眺めた景色はこんな感じ。雲ひとつかかっていない富士山と戦闘車や軍用車が朝日に照らされ、1枚の絵のようになっています。


さきほど列を作っていた一般客の入場が始まりました。


我先に、と走っている人が自衛官から注意を受けていました。焦る気持ちは分かるのですが……


あっという間に最前列から埋まっていきます。まさに争奪戦といった光景です。


最前列と同じく、絶好のビューポイントとなるDスタンドの最後列もあっという間にいっぱいに。


前の方の席を確保した人は、本番前に行われる試し打ちでさっそく大迫力の砲撃を間近で体験することができます。前列は生の音が直接聞こえてくるので、同じ内容でもスタンド席よりも臨場感あふれる感じに受け取れるかも。


逆にスタンド席は全体を見渡しやすく、スタンバイしている装備の様子などまで見渡せるのでそれはそれでオイシイ。


本番中は解説画面などを表示するオーロラビジョンはまだセットされていませんでした。8時近くになると荷台の部分が開いて画面が現れます。


偵察用オートバイのジャンプのリハーサルは、本番よりも連続して飛ぶ人数が多く、次々とジャンプしていました。


長時間の待機に必須なトイレ。各スタンドの後方に設置されています。いわゆる花火大会などの行楽イベントよりも列の進みが早く、ほとんどの人がキビキビ利用していました。ただ、開演直前は混み合うので時間に余裕のある段階で行ったほうがいいです。


外には手洗い場が設置されていました。衛生のためハンドソープも完備。


貯水タンク内にある限られた水しか使えないので、節水のためか水がチョロチョロと出るような変わった蛇口が取りつけられていました。プールの後目を洗うための装置ではありません。


会場には日光をさえぎるものが何も無く、例年多くの体調不良者が出てしまうため、救護体制は万全に整えられています。日焼け対策を怠るとやけどレベルにまで皮膚が荒れてしまうため、暑くても帽子や長袖の衣服は用意しておいた方が何かと助かるはず。日焼け止めクリームは塗っておくにこしたことはないですが、日差しのあまりの強さにあまり役立たないこともあるので、日焼けしたくないという人は万全の対策をしておきましょう。


7~8時ごろには売店も開き、席を確保した人たちがお土産選びにいそしんでいました。「戦車まんじゅう」など気になりすぎるアイテムがめじろ押し。


暑さのためか売店のかき氷は大人気で、手にしている人を多く見かけました。


8時ごろには自衛官と一般客が入り乱れて、結構混雑してきました。


こうなってしまうとゆったり買い物するのは難しいのですが、ものすごい種類のおみやげが取りそろえられているので、お目当てがあるのでなければ調達は急がなくても大丈夫。


式典で使われるエリアを中心に偵察犬による不審物のチェックが行われていました。犬たちの表情が楽しそうではありますが、散歩ではなく立派な任務です。教育演習日には行われていなかったので、来賓のためのセキュリティチェックだと思われます。


犬たちがしっかり安全を確かめてくれた花道の上を北澤俊美防衛大臣が歩き、とどこおりなく演習は始まりました。

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in 取材,   乗り物, Posted by darkhorse_log

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