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銀行の窓口係を減らしたのはATMではなくiPhoneだったという指摘


AIが人間の仕事を奪うのかどうかを考える際、「ATMは銀行の窓口係の仕事を奪うと思われたが、実際には窓口係の雇用は減らなかった」という例が挙げられることがあります。しかしライターのデイヴィッド・オクス氏は、銀行の窓口係の雇用を大きく減らしたのはATMではなく、iPhoneとそれによって広がったモバイルバンキングだったと指摘しています。

Why ATMs didn’t kill bank teller jobs, but the iPhone did
https://davidoks.blog/p/why-the-atm-didnt-kill-bank-teller


アメリカ副大統領のJ・D・バンス氏は、AIによる雇用喪失への懸念に対して「ATMは銀行の窓口係を失業させると予測されたが、実際には窓口係は増え、仕事の内容が少し変わっただけだった」と語りました。オクス氏はこの話を取り上げ、「ATMが銀行の窓口係の大規模な失業につながらなかった」という話自体は正しいと認めています。

オクス氏は、ATMが銀行の窓口係の大規模な失業につながらなかった理由として、ATMが置き換えたのは銀行支店で行われる業務の一部にすぎなかったという点を挙げています。当時の銀行の窓口係は支店で現金や小切手を処理する銀行業務の中心的な職種で、ATMはそのうち現金の引き出しなど一部の業務を担う技術だったとのこと。

ATMは1970年代に実用段階に入り、1977年には当時のアメリカの大手銀行であるCitibankが大規模導入に踏み切りました。ATMの導入当初はまだ人間の窓口係を選ぶ顧客も多かったものの、ATMによる1回の取引にかかる銀行側の処理コストは27セント(当時のレートで約70円)で、人間の窓口係による1回1.07ドル(当時のレートで約290円)の取引コストよりも大幅に安価だったとのこと。また、ATMは営業時間外でも利用できることから急速に普及していき、アメリカ人100万人あたりのATM台数は1975年時点で約31台でしたが、2000年には1135台まで増えたそうです。


ATMが普及した後、都市部の1支店あたりの窓口係は21人から約13人まで減少しました。しかし経済学者のデイヴィッド・オーター氏によると、ATMの導入によって支店を運営するコストが下がり、規制緩和の影響もあって1988年から2004年にかけての都市部の支店数は40%以上増えたとのこと。その結果、1支店あたりの窓口係の人数が減っても、この時期の窓口係の総雇用数はむしろ増加しました。また、現金を扱う定型作業が減ったことで、銀行の窓口係はクレジットカードやローン、投資商品などを顧客に案内する役割も担うようになったとオクス氏は説明しています。

つまり、ATMは銀行の窓口係の仕事の一部を置き換えましたが、銀行の支店で顧客対応を行うという形は残しました。これが、ATMの普及後も銀行の窓口係の総雇用がすぐには減らなかった理由です。

しかしオクス氏はバンス氏の言う「銀行の窓口係はATMが登場した時よりも増えた」という説明は2000~2005年頃なら正しかったかもしれないものの、すでに成り立たなくなっていると指摘。実際にアメリカの銀行でフルタイムで勤務する窓口係は、2010年時点の33万2000人から2016年には23万5000人、2022年には16万4000人まで減少しています。


この減少はATMの登場による影響が遅れてきたわけではなく、2007年にAppleが発表したiPhoneに象徴されるスマートフォンとモバイルバンキングの普及によるものだとオクス氏は見ています。銀行アプリ上で残高確認や小切手の入金ができるようになり、カード決済やApple Payも広がったことで、顧客が銀行の支店を訪れて窓口係に頼む場面そのものが減っていったためです。

こうした変化は支店数にも表れています。アメリカの商業銀行の人口あたりの支店数は2009年にピークを迎え、その後は約30%減少。アメリカの大手銀行であるBank of Americaも2008年から2025年にかけて支店の約40%を閉鎖しており、CNBCのインタビューで同社のCEOは「iPhoneによって顧客がポケットに銀行の支店を持ち歩けるようになった」と語っています。


ATMは物理的な銀行利用を前提にしたまま一部の作業を自動化した技術だったため、銀行の支店で顧客に対応する仕事は残り、窓口係を別の役割に振り向ける余地がありました。これに対してモバイルバンキングは残高確認や入金、支払いといった銀行業務の入り口を支店からスマートフォンへ移し、窓口係を置く理由そのものを小さくしました。このことから、オクス氏は「テクノロジーは銀行の窓口係の仕事を大きく減らした。ただし、それはATMではなくiPhoneだった」とまとめています。

オクス氏はATMとiPhoneの違いをAIによる雇用喪失の議論にも当てはめています。AIを人間の従業員の代わりに既存の業務へ入れる「リモート労働者」のように扱うだけであれば、仕事の入口や手順は人間向けに作られたまま残ります。その場合、ATMが銀行の支店業務の一部を効率化したのと同じように、雇用への影響は限定的になりやすいとのこと。

より大きな変化が起きるのは、人間の仕事をそのままAIに置き換える時ではなく既存の業務手順そのものが「AIを前提に組み替えられた時」だとオクス氏は主張しています。

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in メモ, Posted by log1b_ok

You can read the machine translated English article Some argue that it was iPhones, not ATMs….