モルヒネより安全で効果がある鎮痛剤を開発中
モルヒネは重度の疼痛やガンによる苦痛を緩和する目的で使用される鎮痛剤ですが、吐き気や便秘などの副作用や依存性もあるため麻薬として分類されており、法律により使用が厳しく制限されている薬品です。このモルヒネよりも効果が持続し、なおかつ副作用がない薬品が研究されており、マウスを使用した実験ではうまくいっているようです。
将来この薬が完成すれば、少しはガン治療などの役に立つかも知れません。
詳細は以下より。
New pain relief that is eight times stronger than morphine - Telegraph
前立腺酸性フォスファターゼ(PAP)と呼ばれるタンパク質の一種が鎮痛剤の代わりになるかも知れないそうで、その効果はモルヒネの8倍で持続時間は14倍以上とのこと。
ノースカロライナ大学チャペルヒル医学部でPAPが苦痛を引き起こす物質から苦痛を抑える物質に変化させた事を確認したそうです。苦痛でもがいているネズミにPAPを注入してみたところ、モルヒネだと5時間程度の鎮痛効果があったのが、PAPでは3日以上効果が持続したそうです。分子生理学の助教授でもあるMark Zylka氏は、一般的に用いられているモルヒネよりも効果があったように見えたとのこと。ただ単にカンフル剤を打つだけではこのような効果は得られなかったそうです。
苦痛を感じている時にアデノシン三リン酸(ATP)が生成されるそうですが、PAPはATPを苦痛を抑制する物質に変化させるとのこと。またPAPを使用してもモルヒネより副作用が生じる可能性が低く、今のところ副作用や脳に影響を与えるような働きは現在のところほとんど確認されていないそうです。
まだ実用化に至っておらず錠剤化するにも時間がかかりそうとのこと。将来、PAPが鎮痛剤として一般に用いられるようになる可能性は十分にあるとZylka氏は述べています。
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