これでBlu-rayは不要?従来のDVDに9倍のデータを記録する技術が登場
HDDの記録容量を飛躍的に引き上げた垂直磁気記録方式で知られる東北大学が、従来のDVDやCDに9倍のデータを記録する技術を発表しました。
これで片面一層4.7GBのDVDに約42GBほど記録できるようになるため、Blu-rayは不要になってしまうかもしれません。
詳細は以下の通り。
(PDFファイル)母型からスタンパー複製できる新方式V溝ピット方位多値記録の原理実証(9倍密度)に成功
このリリースによると、東北大学はDVDなどの光ディスクの記録位置(ピット)にV字の溝を用いることで、複数の情報を記録する次世代方式のROM技術原理の検証に成功したそうです。これによりCDやDVDに従来の9倍にあたる密度のデータを記録できるとのこと。
これが新しい方式の説明。V字溝のピットに方位を付けることで複数の情報が記録できるようになります。
また、CDやDVDはBlu-rayディスクとは異なり、スタンパーによる複製技術を適用することで安価に生産できるため、ハイビジョンの映像コンテンツを低価格で提供できるようになるほか、従来のCD/DVDドライブに読み取り機構を追加するだけで対応できるとしています。
まだ映画や音楽のCD-ROMやDVD-ROMといった読み取り専用メディアの提供を前提にした技術のようですが、将来的に個人がその技術を使ってDVD-RやCD-Rに記録できるドライブが提供されるのであれば、Blu-rayの強力なライバルとなりうるのではないでしょうか。
・13:40追記
リリースでは以下のように「Blu-rayディスクではスタンパーを用いた複製ができない」とされていますが、どうやらBlu-rayもスタンパーを用いて複製されているようです。ただし、Blu-rayはCDやDVDとピットの凹凸が逆になるとのこと。
しかし、ブルーレイディスク以降の技術では、安価な大量生産に必須なスタンパーによる複製技術が適用できない。
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