ハードウェア

最大512GBの「データアーカイブ用次世代大容量光ディスク」をパイオニアが発表

By Lindsey Bieda

2014年5月13日にパイオニアとメモリーテックが、片面256GB・両面512GBの容量を有する「データアーカイブ用大容量光ディスク」を共同で開発したことを発表しました。名称などはまだ未定ですが、従来のブルーレイディスクドライブで再生できるなど、既存フォーマットとの親和性にも優れています。

片面256GBの“データアーカイブ用 次世代大容量光ディスク”を共同開発 | 報道資料 | ニュース | パイオニア株式会社
http://pioneer.jp/corp/news/press/index/1757

このデータアーカイブ用大容量光ディスクは、従来型光ディスクでデータを記録する層の中にあった案内溝(トラック)を廃して別途専用のガイド層を設ける「ガイド層分離型多層ディスク構造」を採用することによりディスクの構造を簡素化し、コストを削減しました。


ディスク構造の簡素化により、ディスク容量拡大に不可欠な記録層の積層も容易になったため、1層あたり32GB記録できる記録層を8層重ねて片面256GB・両面512GBという大容量を実現しています。最大で4倍速記録に対応しており、記録した内容は、一部ピックアップやファームウェアの変更が必要なものの、既存のブルーレイディスクドライブでの再生が可能。一方、大容量光ディスク向けの記録装置で既存のブルーレイディスクドライブを用いた記録・再生も可能と、高い親和性を持っています。


パイオニアとメモリーテックは、すでに片面10層のサンプルディスクの試作にも成功しており、既存の信号処理技術を流用することで、記録ドライブ装置を変更することなく両面で720GBの容量も実現できることを確認済み。さらに、新たな信号処理方式を用いて1層あたりの記録容量を増やし、12層以上積層することで1TB以上の大容量も将来的に実現可能と発表されています。


図書館や美術館の原資料や公文書などの情報を電子化・長期保存するためのデジタルアーカイブへの注目が高まる中で、光ディスクを用いた記録・保存手法は、他のアーカイブ手法に比べて保守費用を抑えられることに加え、浸水などの災害時においても高い記録再現率を誇るなど、信頼性が高く評価されています。今回の「大容量光ディスク共同開発」は、今後拡大が予測されるデータアーカイブ市場に対応するためだとのこと。これまでにもブルーレイを越える容量を持った「次世代保存媒体」はいくつか出てきましたが、既存のフォーマットとの高い親和性を持つこの光ディスクが後継者となるのでしょうか。

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in ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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