一大ブームとなった「具入りラー油狂騒曲」を総括、「11種類食べ比べ」の巻


2011年1月現在でもいまだに桃屋の公式オンラインショッピングサイトでは「取扱い休止」となっている桃屋の辛そうで辛くない少し辛いラー油」。この革新的な商品が登場してからは雨後の竹の子のようにさまざまな瓶詰めの具入りラー油が発売され、その後はファーストフード店やファミレスなどへも飛び火して飲食業界全体を巻き込んだ一大ブームとなりました。

一連の具入りラー油狂騒曲もジワジワと落ち着いた現在、具入りラー油は単なる一過性のブームを乗り越えて日本の食卓における定番メニューの1つに仲間入りしたという感があります。我々も今日まで具入りラー油を追いかけているうち、気がついたら編集部内に11種類もの多彩な具入りラー油が集まっていたので、ここで一気に全部を食べ比べてみることにしました。

全11種類の具入りラー油食べ比べの詳細は以下から。今回食べ比べた具入りラー油は全部で11種類。1つ1つ味が異なり、一口に「具入りラー油」と言っても、非常に奥深いものでした。

【1】桃屋「桃屋の辛そうで辛くない少し辛いラー油

すべてはここから始まりました。この商品が2009年8月に発売されたことでラー油の概念そのものが変わったと言えるのではないでしょうか。「桃ラー」の愛称で親しまれるこの製品、「いつかどこかで見かけたら買ってみよう」と思いながらも一向に遭遇しないので食べたことがないという人も少なくないのでは。


品名は「ラー油」。なたね油にごま油、フライドガーリックやフライドオニオンといった原材料の組み合わせは定番になりました。


カロリーは一瓶で約722Kcal、脂質は約69g。さすがに一瓶を一度に丸ごと食べる人はいないと思われます。


食べてみると、あまりにも高い完成度に「一大ブームを巻き起こすだけのことはある」と思わざるを得ません。まさに「ごはんにかけて食べられるラー油」で見た目ほどの辛さはなく、適度な塩味加減と具材のハーモニーが生み出すうま味のバランスが絶妙で、油っこいものが好きな人にはたまらない味に仕上がっています。本当にごはんが進むので、おかわりを用意しておいた方がいいかもしれません。


【2】S&B「ぶっかけ!おかずラー油

桃屋から遅れること7ヶ月、2010年3月に発売されるや否や、すぐさま品薄状態が続くこととなりました。こちらも「桃ラー」と同様、現在でも公式オンラインショッピングサイトでは「在庫無し」状態です。


品名は「ラー油」。豆板醤の一種であるラージャンやアーモンドなどを使用することで個性を出しています。


「桃ラー」と比べて塩っ辛さが強く、改めて桃ラーが絶妙のバランスであることを実感します。決してクオリティが低いわけではないのですが、桃ラーほどのパリパリとした食感はありませんし、少し油っぽい印象も受けました。とはいえ、良くまとまっている商品であることには間違いありません。


【3】バリュークリエイトBF「具たくさんらーゆ」

中華料理の調味料っぽいラベルに包まれた具入りラー油。国産ニンニクを50%使用しているとのことで、あまり個性を押し出さずに材料の質で勝負といった感じでしょうか。


品名は「中華調味料」。国産ガーリック50%に白ごま、生姜といった材料が目立ちます。


なんだか「アーモンド小魚の小魚部分」みたいな味で、1番や2番と比べると辛さがかなり引き立っています。具材はわりと柔らかく細かめで、白ごまの香りと生姜の爽やかさが混じる中にハッキリとした辛みが主張しているという感じ。辛さに弱い人だと厳しいかもしれません。


【4】瀬戸内サンキ「食べる生七味唐がらし

なぜか編集部内のラー油保管所に紛れ込んでいたこの商品。どう見ても七味唐辛子なのですが、辛いものつながりということでいっしょに試食しました。


名称は「七味唐辛子調味料」。ゆずや山椒、青のりなどの個性的な原材料を使っている様子ですが、具入りラー油ではないのでその効果のほどが比較できません。


ちょうどほっかほっか亭の「ほっかラー」のような味で、素直に辛いです。葉唐辛子のつくだ煮みたいな感じのコクがあり、七味として冷ややっこなどに使ったらおいしいのでは。辛さの中、生姜の味と香りも目立ちます。そしてやはり、明らかにラー油ではありませんでした。


【5】味の坊「食べるラー油

「フライドガーリック入り」の文字や背景のにんにくから、にんにくに最適化した具入りラー油なのではと推測できます。


名称は「香味野菜と香辛料の油漬け」。コチュジャンや塩からの原料に使われるオキアミパウダーが気になります。


材料は違いますが、2番の「ぶっかけ!おかずラー油」を思い起こさせるような味です。具はあまり多くはなく、甘みが強めでまろやかな印象。カリカリとした食感が心地良いです。ご飯とは合いますが、肉などには向いていないかもしれません。ガーリックの効き具合や重すぎないラー油の感じといい、個人的には桃ラーと同じくらい美味でした。見た目も良くて、ちょっとだけ磯の香りがする当たりも好感触。


【6】丸将木曽路家「にんにくラー油ぬれふりかけ

「ぬれふりかけ」という聞き慣れないフレーズには、ただの具入りラー油ではないという自信を感じます。保管状態が悪かったのか、ラベルに油が染みついてしまいました。


品名は「にんにくラー油ぬれふりかけ」。原材料名では赤ピーマンが特徴的です。


「にんにくラー油」の名に恥じないくらい、にんにくを前面に押し出した具入りラー油です。にんにくが持つ甘さや苦みがしっかりと残っているので、焼き肉屋などにある焼きにんにくが好きな人であれば素晴らしい時間を過ごせるのではないでしょうか。3番の「具たくさんらーゆ」から辛さをごっそり抜いて甘口になったような感じもあります。具材は多めで、歯に挟まるような粘りがあり「ラー油ぬれふりかけ」という表現には大いに納得。


【7】「鉄板焼ちえぶくろのやみつき辣油」

京都の河原町にある鉄板焼き屋「ちえぶくろ」で購入した具入りラー油。シーサーのようなキャラクターを見ていると、変化に富んだ仕上がりなのではと期待感が膨らみます。


裏面はこんな感じ。


ホタテや小エビ、オキアミのような魚介系の味が強く、脂っこいけれど味は薄めです。柔らかくてたくさん入っている具材は塩辛いのでご飯にピッタリ。お酒のつまみとしても役だってくれそうです。かなりおいしい商品なのですが、ラー油とは言えないくらいに味の傾向がほかと違います。


【8】ラー油専門店一瑤「一瑤特選ラー油

以前「ハッカージャパン」でめたるまんからGIGAZINEがインタビューを受けたことがありましたが、その際にいただいた品がこれです。当初は商品名などが書かれた紙が付いていたのですが、いつのまにか無印になって今に至ります。


近くで見るとこんな感じで、刻み唐辛子が沈んでいる様子が窺えます。


新鮮なごま油と選び抜いた唐辛子だけでつくった商品とのことで、具入りラー油というよりもシンプルなラー油そのものといった感じ。着色料などは一切使用していないそうですが非常に赤さが際立ち、かなり細かく刻まれた唐辛子からはビターな香りがします。苦みが強く、塩味すら全く無いので、料理の調味料の一つとして利用するのが正しい使い方かも。


【9】小松食品「食べるおいしいラー油

大きめの瓶にミッチリとガーリックが詰まった具入りラー油です。今回のラインナップでは最も重さがありました。「少し辛い!」とあるように、辛さは控えめな模様。


品名は「旨辛ラー油」。原材料名は割合が多い順番に表記してあるので、ガーリックの量はほかの追随を許しません。


他の具入りラー油のように刻みにんにくでは無く、にんにくはスライス状にしてあるので見た目がほかとは明らかに違いますが、味の方向性も独自路線を進んでいます。メインはラー油ではなくてにんにくで、ラー油はあくまでも味のベースという感じ。にんにく特有の苦みはなく、甘じょっぱくてしっかりとした旨味があり食べ物として純粋においしいです。キュウリの漬け物のようなパリパリとした食感で、つまみとしても上等品。ちょっとだけ化学っぽい味がするのが難点ですが、かなりの好印象を持ちました。


【10】小田原屋「サクサク食べるチョイ辛ラー油

珍しい袋入りの具入りラー油です。左上のご飯に乗っている物体が梅干しに見えるので若干の不安を持ってしまいます。


名称は「ラー油」。豆板醤が入っている以外は非常にシンプルな原材料です。


フライドガーリックの香りが食欲をそそり、パリパリとした食感がいい感じ。甘めのにんにくと辛口なラー油のバランスが良く、塩味もツボを押さえているので、いくらでも口に運べそうな雰囲気があります。原材料通りにオーソドックスで、基本を抑えた具入りラー油です。


【11】「中国人からもらった自家製具入りラー油」

最後になりました。ふとしたきっかけで中国の人からもらったラー油なのですが、自家製なのでラベルも何もなく、それが故に堂々とした存在感を放っています。


キャップには謎のマークと「LEN FON」の文字。


ほかとは次元が違う殺人的な辛さで、耳かき程度の量で汗が噴き出すと同時に暴れたくなります。最初にちょっとだけ塩味を感じましたが、ちゃんと味わう間もなく強烈な辛みが襲ってくるので味はよくわかりません。辛みの系統としては豆板醤系で、ご飯に乗せて食べられるような代物ではなく、香辛料として使うべきです。


食べ比べたすべての具入りラー油を1番から11番まで順番に時計回りで並べてみました。12時の方向が1番です。こうして見ると色、形、液体の多さなどそれぞれに個性があり、成熟した具入りラー油市場の持つ深みを感じます。


総評としては「桃ラー」が元祖であり、かつ他の追従を許さないことがよく分かったほか、その背中を追うもの、桃ラーからヒントを得て新たな道を開拓したもの、ただブームに乗っかっただけのもの……など、「具入りラー油」という新天地を舞台にさまざまなドラマが生まれていたのだなと商品の向こう側にいる開発スタッフに思いをはせました。

群雄割拠の具入りラー油戦国時代は落ち着いた感がありますが、日本の食卓における定番メニューの1つとして確固たる地位を築き始めている以上、今後も新商品が出ることかと思われます。そしていつか桃ラーを越えるような完成度を誇る新商品が登場することに期待しつつ、具入りラー油を食べながら待ってみるのも面白いのではないでしょうか。

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in 試食, Posted by darkhorse_log