反AI運動の過激派が行方不明になって大騒動、反AI運動グループで何が起こっているのか?

AIが普及するに伴って、AIの危険性を訴える反AI運動の活動家グループの活動も過激化しつつあります。反AIグループ「Stop AI」を取り巻くAI反対運動が過激化する経緯について、ウォール・ストリート・ジャーナルがまとめています。
The Hard-Line Activists Ramping Up for the War With AI - WSJ
https://www.wsj.com/tech/ai/anti-ai-activists-disappearance-sam-kirchner-6872879f
AIが流行する一方で、大規模な人員削減、データセンターの乱立、AIを悪用した詐欺やサイバー攻撃など、AIに対する反発も拡大しています。反AIを主張する人たちは、シンクタンクや非営利団体に所属したり、街頭デモに参加したりしてAIの危険性を訴えていましたが、2026年4月には正体不明の襲撃者がインディアナポリス市議会議員の自宅に13発の銃弾を撃ち込んで「データセンターは立ち入り禁止」と書かれたメモを残したり、OpenAIのサム・アルトマンCEOの自宅に火炎瓶が投げ込まれたり銃撃されたりと、より過激な事件も発生しています。
OpenAIのサム・アルトマンCEOの自宅が銃撃される - GIGAZINE

最先端のAIモデルの開発を阻止することを目的とした団体「Pause AI US」のホリー・エルモア氏は、法律を順守した上で反AI活動を行うことを考えており、所属するシンクタンクでの活動やデモによって世論を動かすための取り組みをしていました。エルモア氏がOpenAIの軍事分野に対する抗議活動を組織したとき、熱心に参加したのがサム・キルヒナー氏です。キルヒナー氏は抗議活動へ献身的に参加した一方で、OpenAIのオフィスを封鎖するなどのより過激な手段により反AI運動への注目度を高めたいとも主張しており、キルヒナー氏と意見の対立が生じていました。最終的にエルモア氏はキルヒナー氏をグループから追い出したとのこと。

キルヒナー氏は工学上の難問を解くことを好んでおり、AIの進歩に伴い、そういった人間の創意工夫が消え去ってしまうのではないかと心配していたそうです。キルヒナー氏はSNSで、シアトルにあるGoogleオフィスの前で「NO AGI」「Death of Human Invention & Discovery = Depressing(人間の発明と発見の死=憂鬱)」と書かれたプラカードを掲げる活動をしている様子を投稿しています。
Protest Google Seattle 12/20/23 pic.twitter.com/4DzdPM0jta
— No AGI / Sam Kirchner🛑 (@No_AGI_) 2023年12月20日
キルヒナー氏は志を同じくする若者たちを集め、「人工知能の永久的な世界的禁止を実現することで人間の生命を守る」ことを目的とする団体「Stop AI」を共同設立しました。Stop AIはチラシを配ったり、「Stop AI」と書かれた赤いTシャツで活動したりして知名度を高めた結果、Xの公式アカウントのフォロワー数は6000を超えています。
そんな中、Stop AIのマシュー・ホール氏によると、ゴールデンゲートブリッジの頂上から横断幕を垂らす計画を巡ってキルヒナー氏がメンバーの1人であるデレク・アレン氏と激しい口論をした後、キルヒナー氏はStop AIの本部としていたコテージにある家具を倒すなど暴れたほか、ホール氏に暴力を振るったそうです。怒りのまま立ち去ったキルヒナー氏は翌朝戻ってきて、「もっと多くのことをしなければならない。非暴力の時代は終わったのかもしれない」と発言したとのこと。
その4日後の2025年11月21日には、キルヒナー氏はOpenAIを巡る裁判を前に記者会見を開く予定となっていました。しかしキルヒナー氏は記者会見に現れず、代わりにXで「私はもうStop AIの一員ではありません」と投稿しました。これ以降、キルヒナー氏の投稿は途絶えており、同氏の消息も不明です。
I am no longer part of Stop AI.
— No AGI / Sam Kirchner🛑 (@No_AGI_) 2025年11月21日
Stop AIのメンバーたちはキルヒナー氏が過激な実力行使に出ることを恐れ、サンフランシスコ警察にキルヒナー氏がナイフで武装している可能性を伝えた上で、「キルヒナー氏は殺人を犯す可能性があり、OpenAIは危険にさらされている」と警告しました。警察官はOpenAIのオフィスに駆けつけ、封鎖した上でキルヒナー氏の写真と共に社内向けのセキュリティ警告を発令したほか、従業員に対して会社のロゴが入ったものを公共の場で着用しないよう指示しました。結果として、OpenAIの関係者は「キルヒナー氏が別の人物を通じてOpenAIの従業員を脅迫した」と警察に伝えており、キルヒナー氏は現れなかったとされています。
ホール氏は「サム(キルヒナー氏)が行方不明になって以来、毎晩、毎日彼のことを考えています。彼が無事であることを祈っています。AIの問題全般についても祈っています。人類が正しい道を選ぶことを願っています」と語りました。
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