YouTubeが「ユダヤ人をガスで攻撃しろ」と叫ぶネオナチ過激派のアカウントを「削除しない」としていた姿勢が一転


Googleが「ホロコーストなどなかった」という差別主義的サイトが検索上位に現れる問題に対処するなど、インターネットが差別を助長してしまうという問題は各所で起こっています。2018年1月には青木ケ原樹海で自殺した男性の遺体を撮影したYouTuberが問題となり、「ソーシャルメディアのモラルのコンパスは壊れている」と指摘されるほど。そんな中、複数の殺人事件への関与が疑われるネオナチ過激派のYouTubeチャンネルについて、YouTube広報が「アカウントをブロックする予定はない」と発言したことが大きな注目を浴びました。

Anti-Defamation League: YouTube Should Delete Neo-Nazi Videos 'Immediately' - Motherboard
https://motherboard.vice.com/en_us/article/mb5k8x/anti-defamation-league-youtube-should-delete-neo-nazi-videos-immediately


YouTube Bans Channel of American Neo-Nazi Extremist Group Atomwaffen Division - Motherboard
https://motherboard.vice.com/en_us/article/zmwknw/youtube-bans-channel-of-american-neo-nazi-extremist-group-atomwaffen-division

ナチズムを復興しようという政治的運動「ネオナチ」は世界的に見られていますが、その中でも「Atomwaffen Division」という組織は複数の殺人に関わっている過激派組織といわれています。Atomwaffen DivisionはYouTubeにムービーをアップロードしており、マスクをした組織のメンバーたちが「ユダヤ人をガスで攻撃しろ、人種戦争が起こっているのだ」と叫び銃を発砲する様子や、「黒人の命は重要ではない」と言いながらかぎ十字を掲げる様子が映されていました。

そんな中、2018年2月26日にインターネットメディアの「The Daily Beast」に対してYouTubeが「ネオナチ組織『Atomwaffen Division』に属する複数のアカウントをブロックする予定はない」と語り大きな批判を浴びました。YouTube広報は「私たちは昨年6月からヘイトスピーチや過激な暴力に関するポリシー違反に対して強固な姿勢を取っており、問題のあるコンテンツは『オススメ』や『高く評価』という特定の機能を使えなくしたり、再生前に警告を表示したりしています」「このようなアプローチは『表現の自由』と『ムービーの影響力を制限すること』という2つのバランスで成り立っています」と語りました。

アメリカ最大のユダヤ人団体「名誉毀損防止同盟(ADL)」はこれらのムービーを「即刻削除すべき」としてYouTubeに呼びかけています。YouTubeのポリシーの要点は「コンテンツに『特定の人々から構成されるグループに対するヘイト』が含まれるかどうか」であり、Atomwaffen Divisionのムービーはテロリストのコンテンツで、脅迫やヘイトスピーチに含まれるとして、ポリシー違反だという見方をADLは示しました。


当初は「アカウントをブロックする予定はない」という意志を示していたYouTubeですが、The Daily Beastでの発言がメディアから非難されたことを受けてか、28日にはアカウントをBAN。Atomwaffen DivisionのYouTubeチャンネルには「このアカウントはヘイトスピーチを禁ずるYouTubeのポリシーに対する複数の違反、あるいは深刻な違反があったため削除されました」と表示されたとのこと。2017年6月から10月にかけて、このアカウントには大量のプロパガンダムービーがアップされていましたが、全て非公開状態になりました。YouTubeは方針を転換した経緯についてコメントを発表していません。

なお、Atomwaffen Divisionのメンバーの一人は同性愛者である19歳の大学生を殺害した疑いを持たれているのですが、ProPublicaの記事によると、メンバーたちはこの殺人について祝い、ジョークを言い合っていたとのこと。Atomwaffen Divisionは直接的・間接的なものを含めて5人の殺人に関与しているとみられており、28日にはDiscordにもサーバーを停止させられています。

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