ネットサービス

人口ゼロの孤島から送られたDMCA申請により記事がGoogleのインデックスから削除される


Googleは著作権侵害の可能性のあるコンテンツを検索結果に表示しないように取り組んでおり、デジタルミレニアム著作権法(DMCA)にもとづく削除申請を受け付けています。イベント企業・Pollenの経営破綻を調査した記事が、虚偽とみられる著作権侵害の申し立てによってGoogle検索から削除される事態が発生し、著者は「GoogleのDMCA申請システムは簡単に悪用できる」と批判しています。

Pollen tried to remove my article about CEO Callum Negus-Fancey and CTO Bradley Wright, and Google is assisting with it - The Pragmatic Engineer
https://blog.pragmaticengineer.com/pollen-tried-to-remove-my-article-about-callum-negus-fancey-and-google-is-assisting-to-it/

ソフトウェアエンジニア向けニュースレター「The Pragmatic Engineer」を運営するゲルゲイ・オロス氏は2022年に、イベント関連スタートアップのPollenが経営破綻するまでの詳細をまとめた記事を掲載しました。Pollenは2022年に約1億5000万ドル(約240億円)の資金調達を発表した一方で、その3週間後には従業員の約3分の1となる約200人を解雇し、その後も従業員への給与未払いや年金積立金の未納、取引先への未払いなどが相次ぎました。最終的にPollenは2022年8月に破産し経営破綻しています。


オロス氏の記事はPollenの元従業員20名へのインタビューに基づき、Pollenが経営破綻するまでの経緯を詳しく解説しています。Pollenの創設者であるカラム・ネガス=ファンシー氏は従業員への嘘や給与の未払い、従業員への健康保険料の未払いといった問題で責任を問われています。そして、最高技術責任者(CTO)のブラッドリー・ライト氏は顧客に対する320万ドル(約5億円)の二重請求を主導した疑いが告発されました。

そんな2022年の記事が、2026年6月にGoogleから「著作権侵害の申し立てを受けたため検索結果から記事を削除した」との通知が届いたとオロス氏は述べています。記事はオロス氏のオリジナルであり、オロス氏以外からの著作権侵害の申し立ては成立しないはずですが、それでもGoogleは記事を検索結果から除外したといいます。

オロス氏は、DMCA申請の記録を公開するLumen Databaseで申請内容を確認したところ、不審な点が多数見つかったとしています。問題のDMCA申請では「この記事が1998年のNew York Postの記事をコピーしたものである」と主張されていました。該当する記事は「BAND LEADER HITS WINNING CHORD(バンドリーダーが勝利のコードを奏でる)というアメリカンフットボールに関する記事で、オロス氏は「この記事と私の記事には共通する文章が1つもない」と指摘しています。


また、DMCA申請者として記載されていた「Ellie Piee」という人物についても、不自然な点があるとオロス氏は指摘しています。Ellie PieeによるDMCA申請は、南大西洋に位置するノルウェー領の火山島「ブーベ島」から行われています。ブーベ島は、最も近い陸地である南極大陸との距離が1700km以上ある「地理的に世界で最も隔絶した孤島」と言われており、恒久的な居住者はいない無人島です。


オロス氏は虚偽のDMCA申請について、Pollenの元CEOであるカラム・ネガス・ファンシー氏、共同創業者兼元最高執行責任者(COO)のリアム・ネガス=ファンシー氏、もしくはPollen関係者の誰かが、評判管理を専門とする会社に依頼して記事を削除させたのではないかと推測しています。

オロス氏は「どうやら、誰でも偽の著作権侵害申し立てをして、気に入らない記事をGoogleの検索結果から削除させることができるようです。Googleの著作権侵害削除システムが、滑稽なほどに悪用されているのは明らかです」と批判しています。

・関連記事
GoogleとYouTubeが著作権侵害コンテンツ削除を拒否したという報告 - GIGAZINE

Google検索結果の削除リクエストの50%以上がたった1社から送信されていることが判明 - GIGAZINE

海賊版サイトを摘発してブロックするためにAIツールが活用されだしている - GIGAZINE

DMCAを悪用して競合サービスを検索結果から削除する「SEO」を行っていた人物にGoogleが勝訴 - GIGAZINE

Googleが2024年に著作権問題で処理したページは35億件で15年前の1万4000倍 - GIGAZINE

in ネットサービス, Posted by log1e_dh

You can read the machine translated English article An article was removed from Google's….