短期間のマインドフルネスを実践することで視覚処理速度が向上するとの研究結果

マインドフルネスは「今この瞬間の経験に意識を集中する」という心理的な実践であり、ストレスの軽減や集中力の向上に役立つとして注目されています。そんなマインドフルネスを1カ月間ほど実践することで、成人の視覚処理速度が向上するという研究結果が報告されました。
The Effects of Mindfulness Meditation on Mechanisms of Attentional Control in Young and Older Adults: A Preregistered Eye Tracking Study | eNeuro
https://www.eneuro.org/content/12/7/ENEURO.0356-23.2025
Brief mindfulness practice accelerates visual processing speeds in adults
https://www.psypost.org/brief-mindfulness-practice-accelerates-visual-processing-speeds-in-adults-2026-03-26/
人間の脳は精神的な集中力を維持し、入ってくる感覚情報を処理するために青斑核と呼ばれる神経核に頼っています。青斑核は注意力・ストレス覚醒状態を調節するノルアドレナリンの主要な供給源であり、サルを用いた実験では青斑核を刺激すると視覚的な注意力が向上する一方、ノルアドレナリンの放出を阻害すると注意力が低下してしまうことが示されています。
青斑核は注意力の持続時間に強く関与しているとみられますが、加齢に伴って青斑核は構造的に変化し、脳内の他の注意ネットワークとのつながりを失ってしまうとのこと。認知機能低下の初期兆候は多くの場合で青斑核に現れるそうで、高齢者は一般的に若い人と比較して視覚的なタスクへの反応が遅く、無関係なものに気を取られやすい傾向があります。
これまでの研究では、瞑想(めいそう)などを通じたマインドフルネスの実践が、低下した注意力を回復させる可能性があることが示されています。科学者らは、マインドフルネスによって身体的なストレスが軽減し、過剰に活性化したノルアドレナリン系を沈静化することで、注意力が向上する可能性があると考えているそうです。
今回、南カリフォルニア大学の認知神経科学者であるアンディ・キム博士らの研究チームは、短期的なマインドフルネスプログラムを実践することが、成人の視覚的な処理能力や注意力を向上させるかどうかを調べる実験を行いました。研究チームは、マインドフルネスの実践は若い成人よりも高齢者により大きなメリットをもたらすのではないかとの仮説を立てていました。

実験には18~30歳の若い被験者が28人、50~65歳の中年の被験者が20人、65~80歳の高齢の被験者が21人参加しました。被験者は「最初の実験期間に短期的なマインドフルネスを実践して、その後の実験期間でオーディオブックを聴くグループ」と、「最初の実験期間にオーディオブックを聴き、その後の実験期間で短期的なマインドフルネスを実践するグループ」に無作為に割り当てられました。
マインドフルネスの実践では、被験者らは人気のあるモバイルアプリを使い、30日間にわたり1回10~15分のマインドフルネスセッションを行うよう指示されました。このセッションは基本的な呼吸法と身体感覚を養うことを目的としていたとのこと。
一方、オーディオブックを聴く対照群にはパブリックドメインになっている「ピノキオの冒険」のオーディオブックが1日1章ずつ送られ、他の作業を行わずに7~20分間の音声を聴くように求められました。マインドフルネスを実践しないグループにも、落ち着いた状況で音声に耳を傾けさせることで、落ち着いた時間そのものではなくマインドフルネスがもたらす効果を取り出して分析できました。
被験者の視覚処理能力は、スクリーンに表示されたさまざまな図形の中から、注意をそらす関係ない図形に惑わされず、指定された図形を見つけ出すタスクによって測定されました。研究チームは視線追跡カメラで被験者の眼球の動きを追跡し、ほんの一瞬の認知的判断や注意力について分析したとのことです。
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