アメリカでは2025年に太陽光発電量が前年比35%増を記録してついに水力発電を上回る

アメリカエネルギー情報局(US Energy Information Administration、EIA)が現地時間の2026年2月24日、2025年のアメリカにおける発電量に関する通年データを発表しました。その中で、太陽光発電量が前年比約35%増という記録的な伸びを達成し、ついに水力発電量を上回ったことが明らかになりました。
Electric Power Monthly - U.S. Energy Information Administration (EIA)
https://www.eia.gov/electricity/monthly/epm_table_grapher.php?t=table_es1b
Following 35% growth, solar has passed hydro on US grid - Ars Technica
https://arstechnica.com/science/2026/02/final-2025-data-is-in-us-energy-use-is-up-as-solar-passes-hydro/

EIAのデータにより、2025年には大規模な太陽光発電施設での発電量が前年比で34.5%も増加し、従来型の水力発電による発電量を初めて上回ったことが示されました。2025年のアメリカ全体の発電量に占めるエネルギー源の割合は天然ガスが41%、石炭が17%、風力が10%、太陽光が7%、水力が6%となっています。
近年は世界的に太陽光や風力による発電が推進されており、発電コストもますます低下しています。すでにヨーロッパでは、風力と太陽光による電力供給量が化石燃料を上回ったことが報告されています。
ついにヨーロッパでは風力と太陽光による電力供給量が化石燃料の火力発電を上回る - GIGAZINE

また、2025年のアメリカの電力消費量は前年比で2.8%、およそ121TWh増加しました。電力消費量は過去数十年にわたってほぼ横ばいで推移しており、電力効率化と産業の衰退が、人口増加や経済成長の影響を相殺してきたとのこと。
電力消費量を変化させる要因は、年ごとの気温変化による冷暖房需要の増減や世界的なパンデミックなどさまざまです。テクノロジー系メディアのArs Technicaは、2025年の電力消費量増加はやや懸念されるものの、電力消費を促進する大きな要因があるとする明確な兆候はみられないと指摘しています。また、ヒートポンプへの切り替えや輸送機関の電化など、化石燃料をより効率的なシステムに置き換える過程で電力需要が増加する場合もあります。
Ars Technicaは、2025年に増加した電力需要をまかなうのに用いられた発電方法に着目しています。2025年に増加した121TWhの電力需要のうち、85TWhは大小さまざまな太陽光発電施設の拡張によってまかなわれましたが、残る約3分の1は化石燃料によってまかなわれたとのこと。
化石燃料の市場はますます複雑化しています。アメリカは天然ガス埋蔵量が豊富なため、長らく電力需要の増加は主に天然ガスによる発電量を増やすことでまかなわれてきました。しかし、ドナルド・トランプ氏が課した関税によって、天然ガス発電に必要な機器のコスト上昇と納期の遅延が発生。また、トランプ大統領は液体天然ガス輸出施設の建設を許可したため、天然ガスの国際競争が生まれて価格上昇につながっています。
これらの要因が組み合わさった結果、アメリカでは石炭火力発電の経済的優位性が高まっており、2025年の石炭火力発電量は前年比で13%も増加しました。一方で、天然ガスによる発電量は3.3%減少するという事態になりました。エネルギー長官を務めるクリス・ライト氏は、閉鎖予定だった複数の石炭火力発電所の稼働継続を命じており、トランプ大統領の天然ガス政策が化石燃料の需要に影響を及ぼしています。

トランプ大統領は再生可能エネルギーに対して敵対的な姿勢を取っていますが、EIAの分析ではアメリカの太陽光発電容量は2026年に43GW増加し、2025年の27GWを上回る勢いだと推定されています。これに加えて12GWの風力発電容量が増加するとみられ、再生可能エネルギーはアメリカの電力供給におけるシェアをますます拡大していく見込みです。
再生可能エネルギーを後押しするもうひとつの要因が、太陽光発電による余剰電力を蓄えるバッテリー施設の拡大です。EIAは、2026年に24GWのバッテリーストレージが送電網に追加されると見込んでおり、その大部分はテキサス州(53%)、カリフォルニア州(14%)、アリゾナ州(13%)のプロジェクトによるものだとのこと。
Ars Technicaは、アメリカでは太陽光および風力発電が急成長を遂げており、今後数年以内に需要増加をまかなえるほどの水準に達する可能性が高いと主張。しかし、政策や市場の動向によって石炭火力発電も増加しており、炭素排出量を削減するトレンドが相殺されてしまう可能性があると指摘しました。
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in メモ, Posted by log1h_ik
You can read the machine translated English article In the United States, solar power genera….







