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アメリカで風力による発電量が初めて石炭火力と原子力を同時に上回る


2022年3月29日にアメリカの風力発電が生み出した電力が、石炭火力発電と原子力発電を上回り、アメリカで第2のエネルギーとなったことが分かりました。これまでにも、風力発電が別々の日に石炭火力発電と原子力発電を上回ることはありましたが、同じ日に両方を上回ったのはこれが初めてとのことです。

Wind was second-largest source of U.S. electricity generation on March 29 - Today in Energy - U.S. Energy Information Administration (EIA)
https://www.eia.gov/todayinenergy/detail.php?id=52038

以下は、アメリカエネルギー情報局(EIA)が4月14日に発表した発電量の内訳のグラフで、ベージュが天然ガス火力、緑色が風力、赤色が原子力、茶色が石炭火力を示しています。3月29日に風力発電によって生み出された電力は、原子力と石炭火力をわずかに上回りました。


EIAによると、アメリカの風力発電の設備容量、つまり全設備がフル稼働した場合の出力は近年一貫して増加しているとのこと。そのため、風力発電による発電量も増加しており、2019年8月には風力発電の設備容量が原子力の設備容量を上回っていました。しかし、利用率の差から実際の発電量では風力が原子力を下回る状況が続いていました。

具体的には、2021年におけるアメリカの風力発電設備の稼働率が35%だったのに対し、原子力発電設備は93%と、常にフル出力かそれに近い状態で稼働していたとのこと。そのため、風力発電はこれまでのところ、天然ガス火力発電と石炭火力に次ぐ3番目のエネルギーと位置づけられています。

しかし、風力の発電量が春にピークを迎えることや、電力需要が少なくなる春と秋に原子力や石炭火力の出力が落とされることなどの条件が重なった影響で、風力発電は3月下旬の1時間、初めてアメリカ第2のエネルギーとなりました。ただし、風力発電の月単位での発電量はまだ火力発電や原子力発電より低いので、少なくとも2023年までは月単位での発電量で風力が火力を上回ることはない見通しとのことです。

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in メモ, Posted by log1l_ks

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