サイエンス

一体なぜ空は青いのか?なぜ地球の夕焼けは赤くて火星の夕焼けは青いのか?


人々はいつも何気なく青空を見上げていますが、空が青い理由について聞かれても「レイリー散乱」という現象が関連していると知っているくらいで、詳しく説明できないという人も多いはず。「一体なぜ空は青いのか?」という根本的な疑問に加えて「なぜ夕焼けは赤いのか?」「なぜ火星の夕焼けは青いのか?」といった派生的な疑問について、フリーランスのUI/UXデザイナーであるエリック・ケネディ氏が、解説しました。

Why is the sky blue?
https://explainers.blog/posts/why-is-the-sky-blue/


「なぜ空は青いのか?」という質問に対して「レイリー散乱のせい」と回答されることがよくありますが、ケネディ氏は「これは間違いではありませんが、あまり役に立ちません。単に名前を知っていることと、それを理解することはまったく違います」と指摘。そこでケネディ氏は、レイリー散乱やその他の関連する事象について、言葉だけでなく仕組みについても細かく解説しています。

◆なぜ空は青いのか?
そもそも人間の目に色が見えるのは、太陽や電灯などの光源から発された光の波長が何かに反射して目に届くからです。地球に向かって届いた太陽光が大気圏に当たると、ほとんどの光の波長は妨げられることなく通過しますが、青色の光の波長は散乱して大気中に散らばります。

これにより、晴れた日の日中に太陽がない部分の空を見上げると、散乱した青色が見えるというわけです。なお、大気圏で散乱しなかった光の波長はそのまま届きますが、これらは太陽の方向から真っすぐ届くため太陽を見た時にだけ目に入ります。太陽を直接見た時に白く見えるのは、さまざまな色の光の波長が混ざり合って白色になっているためだとのこと。


◆なぜ青色だけが散乱するのか?
しかし、「空が青く見えるのは、太陽光が大気圏に当たった時に青色の光だけが散乱するから」という説明では、「レイリー散乱のせい」という説明と大差ありません。ケネディ氏はさらに一歩踏み込んで、「青色や紫色の周波数が、窒素分子と酸素分子の電子雲が持つ共鳴周波数に最も近いから」だと解説しています。

大気中の小さな分子を光が通過する時、分子の電子雲が光と同じ周波数で振動します。各分子の電子雲には固有の共鳴周波数があり、光の周波数が共鳴周波数に近ければ近いほど振動が強くなり、真っすぐではなく違った方向に偏光(散乱)する可能性が高くなります。これがレイリー散乱と呼ばれる現象です。


大気の99%を占める窒素分子や酸素分子の共鳴周波数は、可視光線よりも周波数が低い紫外線領域にあるため、紫外線領域に近い紫色や青色の光が散乱しやすいとのこと。この際、青色や紫色だけじゃなく緑色や赤色の光もある程度は散乱しますが、割合が少ないため、散乱した光が混ざり合うと最終的に青色っぽくなるというわけです。

ここで生じる「青色だけではなく紫色も散乱するなら、なぜ空は紫色にならないのか?」という疑問についてケネディ氏は、「馬鹿げているようですが本当の答えは、『私たちの目は紫を見るのが苦手だから』です。紫は私たちが見ることができる光の中で最も高い周波数であり、私たちの知覚の限界ぎりぎりのところにあるのです」と述べました。以下が光の周波数を示したグラフで、波長と周波数は反比例の関係にあります。


◆夕焼けはなぜ赤いのか?
空が青い理由がわかったところで気になるのが「朝焼けや夕焼けはなぜ赤いのか?」ということです。この質問の答えは「太陽光が大気を通過する距離」に関係しています。日中は太陽光が高い角度から降り注ぎますが、朝方や夕方は太陽光が低い角度から大気圏に入ってくるため、大気圏を通過する距離が長くなります。太陽が地平線上にある場合、太陽光は正午に比べて40倍も厚い大気を通過して目に届くとのこと。

こうなると以下のように、太陽光が目に届く前に青色の光は大半が散乱して、宇宙に向かって飛び去るか地面に当たるかして見えなくなります。同様に緑色の光が目に届く量も少なくなり、結果的に最も散乱しにくい黄色や赤色の光が最後まで残って、朝焼けや夕焼けとして目に見えるというわけです。


◆なぜ雲は白いのか?
空の色がどのように形作られているのかを知るには、雲が白く見える理由についても理解する必要があります。雲は直径約0.02mmの小さな水滴が無数に集まって構成されており、水滴のサイズは窒素分子や酸素分子などと比較するとかなり巨大です。こうした水滴に太陽光が当たると、プリズムやガラスに当たった光と同じように反射・散乱したり、一部はそのまま吸収されたりします。その結果、水滴に当たった太陽光はランダムな方向に飛び出していきます。


雲は無数の水滴で構成されているため、太陽光の反射・散乱・吸収が無数の水滴で生じ、あらゆる方向へあらゆる光の波長が飛び出すことになります。その結果、すべての光の波長が合わさって雲は白く見えるというわけです。このように、可視光の波長と同程度かより大きな粒子による光の散乱現象は、レイリー散乱とは別に「ミー散乱」と呼ばれています。

◆なぜ火星の空は赤いのか?
地球の空は青く見えますが、同じ太陽系の惑星である火星の空は赤く見えることが知られています。これは、火星の大気中にある鉄分を豊富に含む微細なちり(粒子)が青色の光を吸収し、赤色の光だけを散乱させるためです。青色や紫色の光は周波数(エネルギー)が強く、ちりの分子に含まれる電子のエネルギー状態を押し上げるため、より良くちりに吸収されるとのこと。

火星のように、大気中に光の波長とほぼ同じサイズの固体粒子がある場合、大気は一般的に赤色・オレンジ色・黄色といった暖色系に染まります。これは火事が起きた時の空が赤っぽく見えるのと同じ原理だとケネディ氏は説明しています。


◆なぜ火星の夕焼けは青いのか?
意外なことに、火星の夕焼けは赤ではなく青いことが知られています。火星のちりは青色や紫色の光を吸収するだけでなく、同時に光を散乱させています。火星のちりによる光の散乱現象も、雲と同様にミー散乱によるものです。

ミー散乱の特徴は、光の波長や周波数にかかわらず均等に散乱するという点で、赤色の光も青色の光もちりに当たって散乱する確率は変わりません。しかし、赤色の光はより屈折の角度が大きく、青色の光は屈折の角度が小さくなることから、赤色の光は目に届く前に宇宙に飛び出したり地面にぶつかったりしてしまい、結果として青色の光だけが届くのだとケネディ氏は説明しました。

by NASA/JPL-Caltech/MSSS/Texas A&M Univ.

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in サイエンス, Posted by log1h_ik

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