世界はだんだんとカラフルさを失っているという指摘
オンライン博物館のコレクションのうち21カテゴリ・7000点以上の写真を分析した結果、世界はだんだんとグレーの割合が増えていることが指摘されています。
Colour & Shape: Using Computer Vision to Explore the Science Museum Group Collection | by Cath Sleeman | Science Museum Group Digital Lab
https://lab.sciencemuseum.org.uk/colour-shape-using-computer-vision-to-explore-the-science-museum-c4b4f1cbd72c
対象となった7083点のアイテムで最も多かった色は「チャコールグレー」だったとのこと。その一例はこんな感じ。チャコールグレーは調査対象の写真の80%に現れましたが、ごく一部のピクセルに入っているだけという例がほとんどです。
1800年から2020年まで、時間とともに各種オブジェクトの色がどのように変化したかを示した図がコレ。ポイントの1つは茶色と黄色が減少する一方で灰色が増加していることで、これは単なる経年劣化による色あせだけではなく、素材が木材からプラスチックに変化したことなどの影響が考えられるとのこと。また、1960年代から彩度の高い色が使われるようになっていることも示されています。
一例として、1844年の電話は本体の多くがマホガニー製だったので、茶色や黄色の成分が多め。
2008年の電話として示されたiPhoneはほとんど灰色や黒で構成されています。
色の傾向を調べると、ぱっと見ただけではわからない「隠れた色」の傾向も見えてくるとのこと。以下は、データセット内の「懐中時計」の画像ですが、各画像の下に青い帯が並んでいて、各写真にわずかずつ青いピクセルが含まれていることが示されています。時計によっては、針に青い色が含まれているケースもありますが、このほかに、ブルーイングネジというさびにくく加工したネジが使われている例があって、青が検出されたと考えられています。
・関連記事
無限に熱くなったものはどのような色に見えるのか? - GIGAZINE
ありとあらゆる色の色鉛筆が売られている「色鉛筆専門店」がイランのバザールの一角にある - GIGAZINE
人を死に至らしめた「色」の歴史 - GIGAZINE
捕食者であるトラはなぜ「オレンジ色と黒のしま模様」という目立つ見た目なのか? - GIGAZINE
・関連コンテンツ