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NVIDIAとAMDのマルチGPU構成で「DaVinci Resolve Studio」のベンチマーク結果を比較するとこんな感じ


BTOで組み立てPCやワークステーションを販売するメーカー・Puget Systemsが、マルチGPU構成での使用を目的としたワークステーション向けグラフィックカード「NVIDIA RTX PRO 6000 Blackwell Max-Q」と「AMD Radeon AI PRO R9700」で、動画編集ソフト「Davinci Resolve Studio」をマルチGPUで動作させた時のベンチマークテストを行い、その結果をまとめています。

DaVinci Resolve Studio v20 GPU Scaling Analysis | Puget Systems
https://www.pugetsystems.com/labs/articles/davinci-resolve-studio-v20-gpu-scaling-analysis/

今回の検証では、DaVinci Resolve Studio 20.0.1と、Puget Systems製のベンチマークツールであるPugetBench for DaVinci Resolveのバージョン1.2.0が使われています。PugetBench for DaVinci Resolveはコーデック処理からGPUエフェクト、さらには最新のAIベースの機能まで、幅広いタスクのパフォーマンスを確認することが可能。PugetBenchの総合スコアは、CPUに依存するテストやマルチGPUでスケーリングしないテストも含まれているため、システム全体のバランスを評価するのに適しているとのことなお、マルチGPUのサポートや高度なAIツールの多くは有料のStudio版でのみ提供されており、無料版はシングルGPUに制限されているため注意が必要です。

テストプラットフォームには、ボトルネックを最小限に抑えるためにAMD Ryzen Threadripper PRO 9975WXを搭載したシステムが採用されています。この構成は十分なPCIeレーンを備えており、DaVinci Resolveにおいてトップクラスの性能を発揮するとのこと。メモリは合計256GBのDDR5-4800 RDIMMを使用し、電源ユニットには1600Wの製品を、OSにはWindows 11 Proを組み合わせています。GPUについては、NVIDIAとAMDのそれぞれのモデルを1枚から3枚までの構成でテストしています。


なお、メーカー小売価格はNVIDIA RTX PRO 6000 Blackwell Max-Qが8500ドル(約133万円)、AMD Radeon AI PRO R9700が1299ドル(約20万円)と価格帯が異なるため、Puget Systemsは「2つは直接的な競合製品ではありません」と述べていますが、ピークパフォーマンスとコストパフォーマンスを比較検討する上で優れた選択肢となると述べています。

NVIDIA RTX PRO 6000 Blackwell Max-Qの場合、1枚から3枚のどの構成でもスコアの差は約6%以内に収まり、劇的な向上は見られませんでした。一方、AMD Radeon AI PRO R9700は比較的良好なスケーリングを示し、2枚構成で約20%、3枚構成で約30%の性能向上が確認されました。これは、マルチGPUが有効かどうかはワークフローのボトルネックがどこにあるかに依存することを示唆しているとPuget Systemsは論じています。


RAWコーデックの処理では、Cinema RAWARRIRAWX-OCNBlackmagic RAW(BRAW)、REDCODE RAW(R3D)を様々な解像度で検証した結果、NVIDIAとAMDで対照的な結果が得られました。NVIDIA RTX PRO 6000 Blackwell Max-Qでは、BRAWにおいて2枚構成にすることで40%の性能向上が見られましたが、3枚目の追加によるメリットはなく、REDRAWにいたっては3枚構成で20%から30%の性能低下が発生しました。これに対し、AMD Radeon AI PRO R9700は全体的に優れたスケーリングを見せ、平均して2枚で64%、3枚で74%の向上が得られました。特にBRAWでは3枚構成により1枚の約2倍の性能を記録しており、これはNVIDIA RTX PRO 6000 Blackwell Max-Qの基礎性能が高いために、相対的にCPUがボトルネックになりやすいことが原因と考えられるとのこと。


動画合成やエフェクトを加えるFusionはDaVinci ResolveにおいてマルチGPU構成の恩恵が最も乏しい分野であり、以前から複数のカードを使用するとパフォーマンスが低下する傾向にあるとのこと。Puget Systemsによる今回の検証でも、GPUやソフトウェアに関わらず同様の結果となり、シングルGPU構成が最適であることが再確認されました。具体的には、シングル構成の方がデュアルやトリプル構成よりも30%から65%高速に動作しています。また、FusionにおいてはAMDのGPUがNVIDIAを上回るパフォーマンスを示しました。


OpenFXやノイズ除去などのGPUエフェクトは、マルチGPUの能力を最大限に活用できる代表的なタスクです。NVIDIAの場合、NVIDIA RTX PRO 6000 Blackwell Max-Qを1枚から2枚、2枚から3枚へと増やすごとに約50%ずつの向上が見られ、3枚構成ではシングル構成の2倍近い速度を達成しました。AMDの場合はさらに顕著で、2枚構成で60%向上し、3枚構成では1枚と比較して2.5倍という驚異的な伸びを示しました。AMD Radeon AI PRO R9700を3枚並べた性能はNVIDIAのカード1枚分とほぼ同等ですが、コストが半分以下に抑えられる点は大きな魅力といえます。ただし、VRAMの共有ができない点や消費電力の違いには注意が必要です。


AI機能の検証では15種類の異なるエフェクトを対象としましたが、RAW処理と同様にNVIDIA RTX PRO 6000 Blackwell Max-Qでは複数枚による恩恵はほとんど得られなかったとのこと。これは多くのAIタスクが依然としてCPUを相当量使用するため、GPUの性能を活かしきれずボトルネックが発生しているためとPuget Systemsは推測しています。一方で、AMD Radeon AI PRO R9700は2枚構成で25%、3枚構成で44%の平均的な向上が見られました。フェイスリファインメントや深度マップなどの特定の機能においては、両陣営とも2枚で約60%、3枚で約100%のスケーリングを示す例も確認されています。


Puget Systemsは、DaVinci Resolve StudioでマルチGPUが恩恵をもたらす主な領域は「RAWコーデック処理」「GPUエフェクト」および「一部のAI機能」だと論じています。特にOpenFXやノイズ除去を多用する環境では、複数枚のGPU構成は非常に効果的なアップグレード手段といえます。

ただし、性能向上は完璧な比例関係ではなく、CPUの性能や特定のタスクに大きく左右されるため、自身のワークフローを見極めることが重要だ、とPuget Systems。また、複数枚の運用には消費電力や熱処理、物理的なスペースの確保といった課題が伴うため、システムの構成時には慎重な検討が求められると述べました。

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in ハードウェア, Posted by log1i_yk

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