「Asker(質問する人)」と「Guesser(推測する人)」、日本は典型的な「推測文化」

頼みごとや交渉の場面で、同じ言葉でも受け取り方が食い違い、気まずさや不満につながることがあります。このズレを説明する枠組みとして、Asker(質問する人)とGuesser(推測する人)という2類型にわける考え方が存在します。
'Askers' vs. 'Guessers' - The Atlantic
https://www.theatlantic.com/national/2010/05/askers-vs-guessers/340891/
Asker/Guesserの分類は、2007年1月16日にウェブ掲示板で書かれたコメントがきっかけで生まれました。

コメントの内容は、「ニューヨークの2ベッドルームの小さなアパートに住む投稿者が、パートナーの遠い知人から『また』長期滞在の申し出を受けて困っている」という相談です。相手は「投稿者夫婦の家に泊めてもらえないか、日中は外出していて邪魔にならないはずだ、日程は柔軟に調整できるので可能性があるか教えてほしい」と頼んできたとのこと。投稿者はその女性とほとんど面識がなく、パートナーも好意的ではないのに、相手は粘り強く連絡してきたそうです。
投稿者は、頼みごとをするならまず近況を伝えて相手からの申し出を待つのが筋で、直接宿泊を打診するのは厚かましく感じるとコメント。前回は転職直後で忙しいなどの理由を並べて逃れたものの、状況が変わればまた頼まれる前例になってしまうため、今回は決定的な線引きをしたいとして、鍵が複製できないなどの口実や、理由を言わずに「それは無理です」とだけ伝える方法を挙げつつ、妻がはっきり断りにくい性格であることも含めて、どう対応すべきかを掲示板に相談していました。
これに対して、掲示板ユーザーのtangerine氏が、この問題の核心は「Ask Culture(質問文化)とGuess Culture(推測文化)の衝突」だとコメントしました。

Ask Cultureでは、どんなことでも頼んでよいが、答えがノーでも当然だと考えます。一方、Guess Cultureでは、相手がイエスと言う確度が高いときだけ頼みを言葉にし、その前にそれとなく反応を探ることが重要になります。
Guess Culture側の人、すなわちGuesserは相手に負担をかけないように気持ちや余裕をそれとなく確かめ、こちらから頼みを口にしなくても、相手のほうが空気を読んで「よかったらうちにどうぞ」と自発的に言ってくれることを期待します。ただ、その言葉が本当に歓迎の気持ちから出たものなのか、社交辞令として断りにくくて言っているだけなのかは外からは分かりにくいので、Guesserは相手の本音を損なわないように見極めたうえで、甘えてよいかどうかを慎重に判断しなければならないというわけです。
Guesserにとっては、Ask Culture側(Asker)からの直接の依頼が図々しく感じられ、怒りや不快感、操作された感覚につながりやすくなります。逆にAskerから見ると、Guess Culture側の振る舞いは一貫性がなく受け身で攻撃的にも見えます。
tangerine氏は、「投稿者はGuesserで、依頼してきた相手はAskerだろう」と見立て、Guesserの作法は同じ作法を共有する限られた範囲では機能するが、家族や友人や所属集団から離れるほどAsker的に振る舞う必要が増えるとも述べています。

The Guardianのオリバー・バークマン氏は、どちらが正しいかという単純な話ではないとする一方で、AskerとGuesserが出会うと不快なすれ違いが起きやすいと述べています。職場でも、上司が締め切りの前倒しを頼んだときに、Askerは断られる可能性を織り込んだ依頼として言っているのに、Guesserは期待や命令として受け取ってしまうかもしれないと主張。
さらにバークマン氏は「例えば、イギリス人やアメリカ人は、Guess Cultureの日本ではビジネスに戸惑うが、逆にロシア人を無礼に感じやすいのはロシア人が強いAsk Cultureだからだ」と指摘しています。

そして、リバタリアン系ブロガーのジュリアン・サンチェス氏は、Guess Cultureの丁寧で遠回しな態度は、意図的にあいまいさを保つための方法であることが多いと主張。親密さが中間的な関係では距離感がまだ確定していないため、そこで直接頼みすぎると、関係に白黒をつけるよう迫る形になって無礼に見えることがあると説明しました。一方で、親しい友人や見知らぬ相手のように関係の位置づけがはっきりしている場合は、より直接的な頼み方で動くことが多いとも述べています。
一方で、The New Republicのジョナサン・チャイト氏は「Guesserが間違いでAskerが正しい」と断言しました。頼むことで初めて、頼む側が何を望み、受ける側が何を引き受けられるのかが確かめられるのであり、推測に頼る文化は不満の温床になるという立場をとっています。
また、The Incidental Economistのオースティン・フラクト氏は、頼む側がイエスやノーの返答をどれほど必要としているかは時期によって変わり、受ける側もその時々で応じやすさが変わるため、ある場面ではAskerとして振る舞い、別の場面ではGuesserとして振る舞うのは合理的だという考え方を示しました。
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in メモ, Posted by log1i_yk
You can read the machine translated English article 'Asker' and 'Guesser': Japan is a typica….







