Google DeepMindのCEOいわく「中国のAIは欧米に追いつきつつあるが画期的な進歩を示せていない」

AIアシスタント「Gemini」を開発するGoogle DeepMindのデミス・ハサビスCEOが、出演したポッドキャストで中国のAI技術についての見解を示しました。いわく、中国は欧米の技術力から「数カ月程度の遅れ」に過ぎない可能性があるとのことです。
The Man Behind Google's AI Machine | Demis Hassabis Interview - YouTube

China just 'months' behind U.S. AI models, Google DeepMind CEO says
https://www.cnbc.com/2026/01/16/google-deepmind-china-ai-demis-hassabis.html
DeepMind CEO: “China is closing the AI gap” - TechCentral.ie
https://www.techcentral.ie/deepmind-ceo-china-is-closing-the-ai-gap/
ハサビスCEOをインタビューしたCNBCは、「欧米は中国が強力なAIを生み出す可能性を軽視する傾向にあったが、DeepSeekの登場を目の当たりにし、衝撃を受けた。アリババのような大企業は非常に競争力のあるオープンソースのAIモデルを生み出しているが、つまるところ中国はAI競争から脱落してはいないということだろうか?」と問いかけました。
CNBCが指すDeepSeekは、2025年1月に中国企業DeepSeekから登場した「DeepSeek-R1」モデルです。当時のOpenAIの最新モデルに匹敵する能力を備えつつ、OpenAIのたった3%程度のコストと性能の劣るチップで開発したとされ、さらにオープンソースであることからユーザーに広く門戸を開いた姿勢などが評価されて、AI業界へ新風を吹き込んだ上に競合他社の株価にも大きな影響を与えました。
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Google DeepMindで「Gemini」の開発を率いるハサビスCEOは、この質問に対し「脱落しているということは全くない」と指摘。さらに「むしろ想像以上に進んでおり、現時点では欧米に数カ月遅れている程度だろう」と分析しました。
ただし、優秀な開発者がそろっている中国が果たして技術革新を起こせるかどうかは疑問だとも付け加え、「彼らは非常に速い速度で欧米に追いつけることを示したが、Transformerのようにフロンティアを超える何かを発明できる力はまだ示せていない」と述べました。Transformerは2017年にGoogleが達成した科学的ブレークスルーであり、OpenAIのChatGPTやGoogleのGeminiといったAIの基盤となる技術です。
中国はアメリカ政府の規制を受けているため、OpenAIが使うような性能の高いチップを手にすることができず、こうした面から欧米と同じ土俵に立つのは難しいという指摘があります。「技術へのアクセスが制限されている点から、革新は難しいと考えるか?」という問いに対しては、ハサビスCEOは「いいえ。むしろ精神的な問題だろう。Google DeepMindは既知技術の拡張ではなく探求的イノベーションを奨励する組織で、この体制を実現するには世界トップクラスのエンジニアリングが必要だが、中国は間違いなく同じものを有している。ただ、何かを発明するのは何かをコピーするよりも100倍難しいというイノベーションの問題がのしかかっており、その部分を突破するのが難しいということだ」と返しました。
DeepSeekはDeepSeek-R1の後も新モデルを発表していますが、初期の頃の衝撃は薄れつつあります。ただし中国はDeepSeekだけでなくアリババなどの中国テック大手やMoonshot AI、Zhipuといったスタートアップも非常に高性能なモデルをリリースしており、AI競争において多大な影響力を示しています。
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他のトップ技術者も中国の進歩を認めており、NVIDIAのジェンセン・フアンCEOは「AI競争においてアメリカが大きくリードしているわけではない。チップでは我々が大きくリードしていて、エネルギー分野では中国が大きくリードしている。インフラでは互角、AIモデルでも互角だ」と語っています。一方、中国側には悲観的な見方もあり、アリババのQwenチームを率いる技術責任者は「今後3~5年以内に中国企業がAI分野でアメリカのテック大手を超える可能性は20%未満で、アメリカのコンピューティングインフラは中国の1~2桁大きい」と指摘したとのことです。
中国は高性能半導体の規制を原動力に自国で開発を続けており、ドナルド・トランプ政権が規制を緩和してNVIDIAの高性能半導体を輸出しようとした際には事実上の禁輸品に指定する駆け引きを行いました。
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また、ハサビスCEOは世界経済フォーラムで講演した際に「エントリーレベルの仕事やインターンシップが2026年に打撃を受ける可能性がある」と述べ、Google Deepmindで既にその兆候を感じていると付け加えました。ハサビスCEOによると、短期的にはより意義のある新しい仕事が生まれる可能性もあるものの、AGI(汎用人工知能)が到来すれば未知の領域に足を踏み入れることになるとのことで、ハサビスCEOは、「政府や経済学者たちがこれから起こる変化の規模を把握できていない」と批判しました。
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