「道ばたに放置されたショッピングカート」がもたらす環境への被害とは?

スーパーなどで大量の買い物をする際に便利なショッピングカートですが、買い物客の中にはショッピングカートを返却するのを面倒くさがり、店舗から離れた場所に放置する人もいます。そんな放置されたショッピングカートが環境にもたらす被害について調べた研究結果が報告されました。
The Environmental Impact of Collecting and Processing Abandoned Shopping Trolleys in the UK
https://www.mdpi.com/2071-1050/17/6/2692

The environmental toll of abandoning a shopping trolley
https://warwick.ac.uk/news/pressreleases/new_research_shows_that_abandoning_a_shopping_trolley_is_worse_for_the_planet_than_you_think
Abandoned Shopping Carts Do More Damage Than You Think : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/abandoned-shopping-carts-do-more-damage-than-you-think
当然ながら、スーパーで会計を終えたらショッピングカートを元の場所に戻すべきですが、一部の客はショッピングカートを店舗から離れた場所に放置してしまいます。世界的なショッピングカートメーカー・Wanzlが2017年に行った調査によると、イギリスで放置されたショッピングカートの数は年間52万台に上ると報告されています。
スーパーマーケットは放置されたショッピングカートの回収を、主にディーゼル車のバンを用いた商業回収サービスに委託しています。こうしたショッピングカートの回収や破損した部品の修理などには、かなりの環境的なコストが費やされているとのこと。
イギリスのウォーリック大学で材料工学助教を務めるニール・ラース氏は、「イギリスでは毎年数十万台のショッピングカートが放置されていると報告されています。それぞれを回収する際の二酸化炭素排出量を合計すると、その影響は甚大かつ懸念すべきものとなります」と指摘しています。

今回、ラース氏と同僚の材料工学者であるダレン・ヒューズ氏は、ウォーリック大学のキャンパスを含むコヴェントリーの郊外地域のショッピングカート回収に焦点を当てて、ショッピングカートの製造から廃棄に至るライフサイクル全体が環境にもたらす影響を分析しました。この地域では1週間あたり約30台のショッピングカートが回収されているほか、年間約100台のショッピングカートが腐食防止の亜鉛コーティング処理のために工場へ送られ、修理されているとのこと。
分析の結果、ショッピングカート1台の製造で生じる環境負荷は二酸化炭素65.15kgに相当し、回収および返却は二酸化炭素0.69kg、輸送および修理は二酸化炭素5.5kgに相当すると推定されました。
これを2017年にイギリスで放置されたショッピングカート52万台に当てはめると、ショッピングカートの改修に必要な環境負荷は、二酸化炭素343トンに達します。これは、ガソリン車80台を1年間運転した場合の総排出量とほぼ同じだそうです。
ショッピングカートの回収や修理によって生じる環境負荷は決して小さなものではないものの、新たにショッピングカートを製造するのと比較すれば、大幅に環境に優しい選択肢といえます。ラース氏は、「新しいショッピングカートを製造するのと同じ環境負荷を与えるには、1台のカートをディーゼル車で93回も回収する必要があることがわかりました」と述べました。

今回の研究結果は、放置されたショッピングカートを回収したり修理に送って使い続けたりすることが、明らかに環境に優しく有益な行為だと示すものです。ラース氏は、「ショッピングカートが放置されるのを完全に防ぐことは難しいかもしれませんが、次に路地や公園の茂みに捨てられたショッピングカートを見つけた時は、放置することで生じる環境への影響を考えてもらえればと願っています」と述べました。
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in サイエンス, Posted by log1h_ik
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