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アメリカ人の死亡記事3800万件を分析してわかった「充実した人生」を定義する概念とは?


アリゾナ州立大学とミシガン州立大学の研究チームが、オンラインプラットフォーム「Legacy.com」の言語データを活用し、1998年から2024年にかけて公開された3800万件に及ぶアメリカ人の死亡記事を分析しました。死亡記事のお悔やみ文はその時代の伝統や道徳的価値観を映し出す窓のような役割を果たしているとのことで、この研究では家族が故人を偲ぶ際にどのような価値観を強調しているかを調査しています。

An exploration of basic human values in 38 million obituaries over 30 years | PNAS
https://www.pnas.org/doi/10.1073/pnas.2510318122

What 38 million obituaries reveal about how Americans define a ‘life well lived’
https://theconversation.com/what-38-million-obituaries-reveal-about-how-americans-define-a-life-well-lived-263880

データの分析から、最も頻繁に登場するのは、宗教への参加や慣習の遵守といった「伝統」と、他者の福祉を思いやる「博愛」に関連する言葉でした。これら2つの価値観は、全体の70%以上のお悔やみ文に含まれており、アメリカ社会において一貫して重視されていることが分かります。一方で、個人的な達成や権力に関連する言葉の使用頻度は極めて低いものでした。

また、重大な歴史的出来事も価値観の表現に影響を与えています。2001年9月11日のテロ攻撃後には、特にニューヨークにおいて伝統や博愛を強調する表現が増加し、この傾向は少なくとも1年間続きました。一方で、新型コロナウイルスのパンデミックのあった2020年3月以降、愛や家族、同情といった博愛に関連する言葉が急激に減少し、それ以来元の水準には戻っていませんでした。伝統に関する言葉も初期には減少しましたが、パンデミックの後半には基準値を上回る上昇を見せました。


さらに、お悔やみ文に表れる価値観には、性別や年齢によるステレオタイプも反映されています。男性のお悔やみ文では達成、適合、権力に関連する言葉が多く使われる傾向にあったのに対し、女性のお悔やみ文では博愛や人生の楽しみに関連する言葉が多く見られました。また、男性の場合は生涯を通じて強調される価値観が大きく変化するのに対し、女性は年齢に関わらず価値観のプロファイルが比較的安定しているという特徴もあったとのこと。

年齢層による違いも顕著です。高齢者は伝統を重んじる人物として記憶されることが多いのに対し、若年層は人類全体の福祉や自然を大切にし、自立して考え行動する人物として描かれる傾向があります。


研究チームは、今回の分析結果は人々が実際にどのように記憶されているかという「遺産」の実態を科学的に解明する一助となると述べ、今後の研究で、人種や職業、地域による違いのほか、過去の新聞アーカイブを用いたより古い時代の価値観との比較に期待しています。さらに、お悔やみ文に見られる優しさの表現を世に広めることが、現代を生きる人々の日常生活における思いやりの行動を促すきっかけになると研究チームは論じました。

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in メモ, Posted by log1i_yk

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