ソーシャルメディアの利用拡大で子どもたちのスポーツ・読書・芸術離れが急加速したというオーストラリアの研究結果

オーストラリアは、世界で初めて16歳未満のソーシャルメディア利用を禁止しました。オーストラリアでは未成年者のソーシャルメディア利用が着実に増加しており、いわゆる「コロナ禍」を経て利用率が急増し、スポーツや読書などかつて子どもたちが熱中していた活動が激減したことが分かっています。
Postpandemic After-School Activities Among Youths in Australia | Pediatrics | JAMA Network Open | JAMA Network
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2841335
Social media use soars as kids drop sports, reading and the arts
https://phys.org/news/2025-11-social-media-soars-kids-sports.html
オーストラリアの小中学校に通う子どもは、放課後に通常4~5時間の余暇時間があり、スポーツクラブや音楽クラブに通ったり遊んだりするなどめいめいが自由に活動しています。ところが、活発に遊ぶ子どもたちばかりではなく、2019年以前は子どもたちの3分の1が計画性もなくテレビやソーシャルメディアにいそしんでいたことが確認されているそうです。そして、この数字は新型コロナウイルスによるパンデミックで拡大しました。
南オーストラリア大学の研究チームは、パンデミック前後の2019年から2022年にかけて11歳から14歳の生徒1万4000人以上を追跡調査し、4年間で子どもたちの活動がどのように変化したのかを分析しました。
対象となった子どもたちには毎年5月にアンケートを実施し、スポーツ、音楽、美術、家事、娯楽としての読書、ゲーム、ソーシャルメディア、テレビ、宿題や家庭教師、友人との付き合いなど、それぞれ放課後にどれほどの時間を費やしたのかを答えさせました。
その結果、ソーシャルメディアの利用割合は著しく増加し、「毎日する」と答えた子どもの割合は2019年の26.0%から2022年には85.4%に上昇したことが分かりました。「全くしない」と答えた子どもも2019年の30.6%から2022年には2.6%に激減し、年齢が上がるにつれてほとんどの子どもがソーシャルメディアに触れ始めたことが確認されました。一方で、テレビやゲーム、家事、友人との付き合い、宿題や家庭教師の割合は、4年にわたりほぼ一定で推移しました。

ソーシャルメディアの利用拡大に伴い、芸術やスポーツに触れる子どもは減少傾向に。芸術活動に全く参加したことのない若者の割合は2019年の25.7%から2022年には70.4%に増加し、娯楽としての読書をしたことがない若者の割合は2019年の10.8%から52.6%に増加。音楽活動に一度も参加したことがない子どもは2019年の70.3%から2020年には85.4%に増加しました。

毎日ではなく週に数回ほど芸術や読書に取り組む子どもの割合も減り、芸術では2019年の68.7%から2022年の28.7%に減少し、読書では2019年の64.4%から2022年の43.9%に減少しています。
これらの変化は、パンデミックが比較的落ち着いた時点でも以前の水準に戻っておらず、子どもの時間の使い方に持続的な変化が生じていることを示唆しています。この研究を主導したミ・ゾウ氏は、「ソーシャルメディアが子どもの日常生活に深く根付いていることは疑いようがありません。今やスポーツや読書といった子どもの健全な発達を支える多くの活動を置き換える段階に至っています。こうした変化が思春期の重要な時期に生じていることから、若者の健康と幸福に永続的な影響を与える可能性があります」と述べました。

研究を指導したドロシア・デュムイド教授は、「スポーツ、音楽、芸術、読書といった充実した活動に若者が再び取り組むよう促すプログラムや政策の拡充が必要です。スポーツや芸術などの課外活動に参加する子どもは、一般的に成績が向上し、社会的スキルが向上し、メンタルヘルスも改善されます。オーストラリアのソーシャルメディア禁止措置は、確かに子どもを保護するための介入策ですが、アクセスが制限されると子どもたちはゲームやメッセージングアプリ、テレビなどの代替プラットフォームに移行する可能性があります。禁止措置を実施する上でこうした行動の変化を追跡し、若者の健康と幸福に対する短期的、長期的な影響を検証することが重要となるでしょう」と話しました。
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