リーナス・トーバルズがLinux 6.15-rc1のテストコードを汚物呼ばわりして激怒

by TED Conference
Linuxカーネルの優しい終身の独裁者であるリーナス・トーバルズ氏が、Linux 6.15-rc1カーネルに含まれるテストコードがビルドプロセスを遅延させディレクトリ内に不要な一時ファイルを生成してしまっていたことに対し、怒りを爆発させたと報じられています。
Torvalds Frustrated Over "Disgusting" Testing "Turd" DRM Code Landing In Linux 6.15 - Phoronix
https://www.phoronix.com/news/Linux-6.15-hdrtest-Turd

Linus Torvalds rages against ‘random turd files’ in Linux 6.15-rc1 directories | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/software/linux/linus-torvalds-rages-against-random-turd-files-in-linux-6-15-rc1-directories
問題となったのは、Linuxカーネル6.15 rc1でIntel Xe GPUドライバに関連する「hdrtest」というテストコードです。このhdrtestは、GPUドライバーで使用されるCのヘッダーファイルが他のファイルと衝突なくインクルードできるかの整合性を検証するもので、技術的には有用なチェックツールです。
しかし、このhdrtestがallmodconfigのような一般的なビルド設定で自動的に実行されるようになっていたため、Linuxカーネルをビルドするたびにhdrtestが実行され、ビルド時間が不必要に長くなってしまっていたとのこと。また、その過程で一時ファイルがカーネルソースディレクトリ内に残ってしまい、ファイル補完を邪魔していたそうです。
これについて、トーバルズ氏はLinuxカーネル開発メーリングリストで、「プルはしたし、(ちょっとした)コンフリクトも解決したけど、最終的にこの酷い『hdrtest』というクソコードが混ざってることに気付いた。普通のallmodconfigビルドでも毎回これが走るせいで、ビルドが遅くなるし、しかもincludeディレクトリに『hdrtest』の一時ファイルという汚物を勝手にばら撒いていく」と発言しました。

トーバルズ氏はこの問題に限らず、以前から「無関係なテストコードや中間ファイルがビルド中に出力されること」について何度も注意を促してきた経緯があり、今回の件でついに堪忍袋の緒が切れた模様。トーバルズ氏は「なんでこんなテストコードが、普通のビルドの一部として当たり前みたいに実行されているんだ?こんなもの、さっさと消えてくれ(This thing needs to *die*.)」と怒りを表明しています。
トーバルズ氏は開発者に対し、「hdrtest」をセルフチェックの一部として実行し、他の全員がその不快なものや汚物を見ることがないようにすべきだと助言した上で、「hdrtest」をビルドから除外するために当面の間は「BROKEN」とマークし無効にすることを通達しました。
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in ソフトウェア, Posted by log1i_yk
You can read the machine translated English article Linus Torvalds rages after calling Linux….