ソフトウェア

リーナス・トーバルズが開発者に「ギリギリになってあわてて作業するのは高校で卒業すべき」と助言

by TED Conference

Linuxの生みの親でLinuxカーネル開発の優しい終身の独裁者としても知られるリーナス・トーバルズ氏が、Linux 6.1の初期リリース候補版となるLinux 6.1 -rc1をリリースした際に「開発サイクルのもっと早い段階でコードを追加してほしい、ギリギリになって作業するのは高校生で卒業するべきだ」と開発者に呼びかけたと報じられています。

Linux-Kernel Archive: Linux 6.1-rc1
https://lkml.iu.edu/hypermail/linux/kernel/2210.2/00359.html

Linus Torvalds to Linux devs: Stop pulling all-nighters • The Register
https://www.theregister.com/2022/10/17/linux_6_1_rc1/

Linuxカーネルの開発は「マージウィンドウ」という考え方を取り入れて行われています。これは開発サイクルのスタート時に、最初のリリース候補版が作成されるまでの2週間を主要な変更をマージするための期間にするというものです。そして、2週間が経過するとトーバルズ氏がマージウィンドウの閉鎖を宣言し、最初のリリース候補版(-rc1)をリリースします。この最初のリリース候補版をリリースしてからは、カーネルの安定化が行われることとなります。


トーバルズ氏はカーネルの週間アップデートで、「バージョン6.1は特に大きなリリースにはならないでしょう。正確には小さいとは言えませんが、ここ数回のリリースよりは小さいでしょう。少なくともコミット数ではね」と述べています。

さらに、トーバルズ氏は「自分のマシンを整理してマージウィンドウに追い付いてから、いくつかの提出遅れのプルリクエストに多少イライラしていたということを言わせてください」とメーリングリストで述べました。

by Krd

トーバルズ氏によれば、マージウィンドウの2週間という期間はさまざまなプルリクエストに対してトーバルズ氏が十分目を通せるだけの時間を用意するためのものだそうですが、ウィンドウの閉鎖の直前になって送られてくるプルリクエスト数が多かったとのこと。

トーバルズ氏は「締切前日に徹夜でレポートを仕上げるという習慣は、高校を卒業したら窓から投げ捨てるべきものです。カーネル開発には関係ありません。とにかくこれを言うのは初めてじゃないし、最後でもないでしょう。でももっと多くの人が心に留めてもいいんじゃないでしょうか」と述べました。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
世界で最も使われるオープンソースのUNIX系OS「Linux」が生誕30周年 - GIGAZINE

24歳のリーナス・トーバルズによる貴重な講演音声が再発見される - GIGAZINE

Linux生みの親リーナス・トーバルズが反ワクチン派の主張に激怒、「予防接種を受けろ。反ワクチンの嘘を信じるのは止めろ」 - GIGAZINE

Linuxを生み出したリーナス・トーバルズがIntelを厳しく批判、理由は「ECCメモリを死に至らせているから」 - GIGAZINE

Linuxを生み出したリーナス・トーバルズが考える「優れたコード」とは何か? - GIGAZINE

「M1チップ搭載Macが絶対欲しい」とLinuxの生みの親リーナス・トーバルズが絶賛 - GIGAZINE

Linux生みの親リーナス・トーバルズが15年ぶりにメインマシンのCPUをIntelからAMDに変更 - GIGAZINE

Linuxでのフロッピーディスクのサポート打ち切りをリーナス・トーバルズが発表 - GIGAZINE

in ソフトウェア, Posted by log1i_yk

You can read the machine translated English article here.