トランプ大統領が「中国がTikTok売却に同意すれば中国製品への関税を引き下げる」と発言

アメリカでのTikTok配信禁止を先延ばしにする時限措置の期限が2025年4月5日に迫る中、トランプ大統領が「中国政府がTikTokの事業売却を容認すれば、アメリカは中国製品に対する関税を引き下げる用意がある」と発言しました。

Trump says he may give China reduction in tariffs to get TikTok deal done | Reuters
https://www.reuters.com/technology/trump-says-he-may-give-china-reduction-tariffs-get-tiktok-deal-done-2025-03-26/

Trump says he may reduce China tariffs to help close a TikTok deal
https://www.cnbc.com/2025/03/26/trump-says-he-may-reduce-china-tariffs-to-help-close-a-tiktok-deal.html

Trump: China may see tariffs cut in TikTok sale negotiations
https://www.axios.com/2025/03/26/trump-tariffs-china-tiktok

TikTokの中国親会社・ByteDanceがアメリカ事業を国内企業に売却しなければアプリの配信を禁止とする法律、いわゆる「TikTok禁止法」により、アメリカでは2025年1月にTikTokの配信が停止されました。

その後、2期目の大統領に就任したトランプ大統領が法律の執行を75日間差し止める大統領に署名したことで、TikTokは4月5日までサービスを継続できることになりました。

TikTok禁止法を75日間停止する大統領令にトランプ大統領が署名 - GIGAZINE

ByteDanceは、4月5日までにTikTokを中国国外の企業に売却しなければアメリカから撤退することを余儀なくされていますが、売却には中国政府の承認が必要だと考えられています。

トランプ大統領は2025年3月26日に、大統領執務室に集まった記者団に「TikTokに関しては、中国はおそらく承認という形で役割を果たさなければならないでしょうし、彼らはそうするだろうと思います。おそらく私は、それを実現させるために関税を少し引き下げるか、何かを与えるでしょう」と話して、中国政府がTikTokの売却を認めればアメリカが中国の製品に課している関税を引き下げることを示唆しました。

トランプ大統領は、TikTokの株式の50％をアメリカ政府の所有とする考えです。また、少なくとも4つの投資グループがTikTokの買収を提案しており、交渉はJ・D・ヴァンス副大統領が主導しているとみられています。

「TikTokの買収について4団体と交渉中」とトランプ大統領が明かす - GIGAZINE

その人気から、数百億ドル(数兆円)の価値があると見積もられているTikTokを中国政府に放棄させるのは困難ですが、トランプ大統領は以前から関税を交渉材料にすることでTikTokの売却を中国政府に認めさせようとしてきました。トランプ大統領は就任初日の1月20日にも、中国政府がアメリカとTikTokの取引を承認しない場合は中国に追加関税を課す可能性があると警告しています。

トランプ大統領は記者団に、「何らかの合意が成立するでしょうが、もし完了しなくても大した問題ではありません。ただ延長するだけです」と述べて、非公開で進んでいる交渉が成立しなかった場合は期限をさらに延長する考えを示しました。

海外メディアのロイターはTikTokにコメントを要請しましたが、TikTokはすぐには返答しませんでした。